ディストピア映画【ソイレント・グリーン】

映画【ソイレント・グリーン】あらすじと感想。こんなディストピア勘弁して!

ディストピア映画【ソイレント・グリーン】

1973年/アメリカ/監督:リチャード・フライシャー/出演:チャールトン・ヘストン、エドワード・G・ロビンソン、チャック・コナーズ、ジョゼフ・コットン、リー・テイラー

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【ソイレント・グリーン】チャールトン・ヘストン
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

ネタバレしてます!未視聴の人は絶対に読まないでください!「初見」は一回しかないのです!

 

普段は記事の内容がネタバレしてようがしてなかろうがお構いなしの私ですが、本日の映画に限っては大々的に「ネタバレ注意」を掲げておきました。

なぜなら、私自身が映画本編を観るより先に結末を知ってしまって悔しい思いをしたから

お時間が許せば映画を観てからまた戻ってきてね。

 

今日もしょーもないことつづってます。

衝撃の結末が待っているディストピア映画、【ソイレント・グリーン】です。

 

 

 

映画【ソイレント・グリーン】のあらすじザックリ

2022年、留まるところを知らない人口増加により、世界は食住を失った人間が路上に溢れ、一部の特権階級と多くの貧民という格差の激しい社会となっていた。ある夜富裕層のサイモンソンが殺害され、ニューヨーク殺人課のソーン刑事が捜査に乗り出す。

 

 

ディストピア映画【ソイレント・グリーン】について考察

ご存知のとおり【ソイレント・グリーン】は、なんとも恐ろしいディストピア映画です。

 

世界中の人口が増え続けた結果、豊かな地球の資源が軒並み枯渇してしまった近未来。

地表の面積に対して人間が多過ぎるから住む場所もなく、貧困層は路上や車中で寝食しています。「路上」って言っても平坦な道路だけじゃなくて、階段にまでぎゅうぎゅう詰めにひしめき合ってる状態。

【ソイレント・グリーン】階段に住んでる人々
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

何か目的があって並んでる訳じゃないけど慢性的に「長蛇の列」。どこもかしこも永遠の「満員電車」。エコノミー症候群どころの騒ぎじゃねえな。

 

食料は無味無臭のタブレット“ソイレント”のみ。植物も動物もすでに絶滅してるから原材料は海中プランクトン。

“ソイレント”にはいくつかの種類があって、これまでスタンダードだった“ソイレント・レッド”や“ソイレント・イエロー”に加えて、このほど新しく開発されたのが“ソイレント・グリーン”

ソイレント・グリーンの売り文句は「奇跡の高栄養食品」。政府とか国家とかが稼働してるかどうかも怪しいこの世界で、どこから来るのかよく分かんないけど配給制。

 

富裕層が暮らすマンション
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

一方で一部の富裕層だけは、平和な現代でも一般の人には手が届かないような豪奢な生活を満喫しています。

自宅の蛇口をひねれば水もお湯も出るし(貧困層は水も配給制、電気は自家発電)、お酒も野菜も肉も秘密のルートで手に入れられる。なんやったらTVゲームもある。

 

資源の枯渇も貧富の格差も末期症状にある究極のディストピア。

参考 ディストピア=ユートピア(理想郷)の反対とされる世界観。「絶望郷」、「暗黒郷」などと訳される。

 

殺人事件の捜査に乗り出すソーン刑事

ある夜、富裕層のひとり、“ソイレント”を開発したソイレント社の幹部サイモンソン(ジョゼフ・コットン)が、何者かに殺害されます。

事件を担当することになったのはニューヨークの刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)。彼は“本”と呼ばれる知識豊かな老人ソル(エドワード・G・ロビンソン)と共に事件の真相に迫ります。

【ソイレント・グリーン】チャールトン・ヘストンとエドワード・G・ロビンソン
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

ちなみに美しく若い女性は“家具”として富裕層の自宅に配備されています。「人に飼われている」と言うよりはまさに「家に置かれている」感じ。

若く美しい“家具”たち
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

 

映画の舞台は2022年!

映画の舞台は2022年

機密扱いの分厚い書籍によると、栄養食品“ソイレント”が開発されたのは2015~2019年

私達が知らなかっただけで、世界のどこかでは密かに研究が進んでいた可能性があるってことですね。

朱縫shuhou

いやいや、フィクションやし。

映画のような事態になる前に、人類だって相応の打開策講じるでしょ。

とかなんとか言いながら楽観的に映画を観ていましたが、色々調べてるとこんな記事を見つけてしまいました。

国連の世界人口予測2017年版によると、地球の総人口は現在の75億5000万人から30年には85億5100万人に達し、55年には100億人を突破すると考えられる。全ての人類がアメリカ人並みの生活を送るとしたら、地球5個分の資源が必要になる。このままではエネルギーの枯渇は必至で、世界的な資源不足で緊張・対立が深まり、資源の争奪戦が勃発するだろう。

出典:人口減少より人口爆発、2055年にに100億人になると何が起こるか

日本の少子高齢化なんてかわいいもんで、実際世界的に見ると人口は増加の一途をたどってるんですってね。

「資源の争奪戦」が勃発した時、人々はどんな気持ちで【ソイレント・グリーン】を観るんでしょう。

 

そんな危急存亡の秋に誰も【ソイレント・グリーン】観てないと思うけど。

 

観る前から結末を知っていた私

絶望的なディストピアの描写はさておき、【ソイレント・グリーン】の最大の謎は、サイモンソンがなぜ殺されたのか、そしてソイレント・グリーンとは何なのかってとこにありますよね。同時にこの謎を解いていくことが【ソイレント・グリーン】の面白さになっている。

実はこの謎を解く鍵は、ソーン刑事の最後のセリフに完璧に集約されています。

「完璧に集約」とはつまり、鍵となるそのセリフさえ聞けばすべての謎が一気に解けるということ。

なるほど映画の核となるその重要なセリフは、AFI「アメリカ映画の名セリフベスト100」の第77位に堂々ランクインしているほどです。

【ソイレント・グリーン】工場で真実を見たソーン刑事
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用

可哀想なことに私は、【ソイレント・グリーン】映画本編を観る前にこのランキングを見て、ソーン刑事の最後のセリフを知ってしまっておりました

「ソイレント・グリーンは人肉だ!」

これ知ってしまってたら映画の面白いとこ9割逃しちゃってるんですよホントに。

このセリフを知らずに観たかった…。

参考 AFI=アメリカン・フィルム・インスティチュート。1967年に設立されたアメリカ合衆国において「映画芸術の遺産を保護し前進させること」を目的とする機関。

 

 

映画【ソイレント・グリーン】の感想一言

【ソイレント・グリーン】エドワード・G・ロビンソン
©Soylent Green/ソイレント・グリーンより引用
朱縫shuhou

公的に安楽死ができる施設「ホーム」で安らかに永遠の眠りにつくソルを演じたエドワード・G・ロビンソンは、【ソイレント・グリーン】が遺作となりました。

この人は癖のある悪役脇役 らせたらホントにすごい。

 

そういえばチャールトン・ヘストンとは【十戒】でも共演してましたね。

 

ご冥福をお祈りいたします。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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