1986年/アメリカ/監督:デヴィッド・リンチ/出演:カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン、ジョージ・ディッカーソン
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“カルトの帝王”デヴィッド・リンチ監督の代表作のひとつ。
腐りかけの耳とか普通のセックスじゃ満足できない性倒錯者とか好奇心を抑えられない若者とか田舎町の陽気なDJとか脳みそ出たまま直立で死んでる奴とか、なんか変なもんがいっぱい出てくる。
いいね、うん。
これぞデヴィッド・リンチって感じですよ。
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いいよね。
そない好きちゃうけど(どないやねん)。
【ブルーベルベット】です。
映画【ブルーベルベット】のあらすじザックリ
何ごとにもある「光と影」や「上辺と本質」が怖い
ある日野原で“切断された人間の耳”を見つけた大学生のジェフリー・ボーモント(カイル・マクラクラン)。


ぎゃあ~~っ!
(怖いのダメ)
ひょいと耳をつまみ、そこらへんにあった袋に入れて警察へ持って行くジェフリー。
耳は何か重要な事件と関連があるものだったらしく、ジェフリーは刑事からこの耳については忘れるように忠告されます。しかし父親の会話を盗み聞いた刑事の娘サンディ(ローラ・ダーン)からあるクラブ歌手がこの事件に関与していることを聞かされたジェフリーは、好奇心に逆らうことができず密かに真相を探ろうとします。

イカれたデニス・ホッパーとのぞき見大学生
ジェフリーは大胆にも耳の手がかりとなるかもしれないクラブ歌手のドロシー・ヴァレンズ(イザベラ・ロッセリーニ)のアパートに侵入。しかしあっけなくドロシー本人に見つかり、包丁突きつけられた上で素っ裸にさせられる。パンツも。全裸。

おやおや…?
官能映画みたいになってきたじゃないの…。
とかなんとかやってると今度はフランク(デニス・ホッパー)なる人物がドロシーのアパートを訪ねてきます。
慌てたドロシーはジェフリーをクローゼットに隠し、ジェフリーはクローゼットの隙間からドロシーがおかしなプレイでフランクに犯される様子を目撃することになります。
フランクのイカれたレイプシーンは演じているのがデニス・ホッパーであることを考慮すると意外と通常運転。それよりもクラブで切々と歌い上げるドロシーを見ながら青いベルベットのガウンの切れ端を握りしめて感動の嵐が押し寄せているらしいフランクの方が不気味。

大体【ブルーベルベット】は美しい芝生の下にうごめく虫の大群とか、林業が盛んな平和な田舎町に潜む犯罪社会の闇とか、あらゆる事象についての表と裏を描いていて、フランクにしてもその枠の中のひとつであって。歌や、もしかしたら絵画とかでもそうなのかも知れませんが、フランクは一方では本当に純粋に芸術を愛する心も持っているのでしょう。
でも一方では大好きなクラブ歌手ドロシーを自分の言いなりにさせるためなら誘拐も耳の切断も辞さない残忍さも持っている。
刑事やサンディが止めるのも聞かず事件に首を突っ込んで深みにはまっていくジェフリーだって、一見親孝行で正義感の強い好青年であっても、ドロシーに誘われるまま彼女を殴りつける激しいセックスをし、その快楽に身をゆだねてしまう。
ああなんなんだこれは。
怖いよね「人」って。
平和な田舎町の高校生の普通の反応
ジェフリーが警察に通報したことを知ったフランク一味の手でボコボコにされたドロシーが素っ裸で路上に飛び出してくる場面は衝撃的。
丸出し。
完全に。
「ギリギリ」とかじゃなくて「丸出し」。
ドロシー体張ってます(しかもそのあとしばらく誰にも(ジェフリーにも)上着すら貸してもらえない)。
「うわあ…!」と思った瞬間、素っ裸のドロシーを見たサンディの彼氏がアホなこと聞いてくるんで目が覚める。


んなワケないやろ。
ちなみにこの体張ってる女優イザベラ・ロッセリーニは、【無防備都市】のロベルト・ロッセリーニ監督と【カサブランカ】や【誰が為に鐘は鳴る】で知られる大女優イングリッド・バーグマンの娘です。面影ありますよね、鼻筋とかそっくり。
イザベラはイザベラでこの頃デヴィッド・リンチ監督と付き合っていましたから、母娘そろって映画監督に弱いと見えます。
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何度観ても意味不明で分からない部分
警察の強制捜査が入ったため誘拐されていたドロシーの夫と“黄色いジャケットの男”が「始末」されるんですけどね、質問なんですけど、この人なんで立ったまま死んでんの?

紐?
紐で吊られてんの?
そんで無線の通信が入った瞬間左腕が跳ね上がるのはどうしてなの?
ねえねえどうして?
さらにドロシーの夫と息子が監禁されてな酒場の店主ベン(ディーン・ストックウェル)は、なんでジェフリーの腹に一発いれたの?

ベンはまああれか、ノリか。
存在感やばいよねベン。
映画【ブルーベルベット】の感想一言
意外と平和でハッピーな結末があんまり好きじゃないです。
ここはもっと後味悪い感じで行ってほしかったかなあ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。


















