自殺を唆すダンバース

映画【レベッカ】あらすじと感想。ヒッチコック唯一のオスカー受賞作

自殺を唆すダンバース

1940年/アメリカ/監督:アルフレッド・ヒッチコック/出演:ジョーン・フォンテイン、ローレンス・オリヴィエ、ジュディス・アンダーソン、ジョージ・サンダース、レオナルド・デニー/第13回アカデミー作品・撮影(白黒部門)賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ヒッチコックのカメオ出演
©Rebecca/レベッカより引用

“サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコックの作品は幽霊とか怪物とか一切出て来ないのにどうしてこんなに不気味なんでしょうね?

思い込みや視覚効果を巧みに使って視聴者に恐怖心を芽生えさせ、前半と後半でまるで登場人物の人格さえも変わったように感じさせます。

 

数多の名作を生みだしたアルフレッド・ヒッチコックが、唯一アカデミー最優秀作品賞を獲得したサスペンス映画、【レベッカ】です。

 

 

 

映画【レベッカ】のあらすじザックリ

1年前に事故で妻を亡くしたイギリスの富豪マキシム・ド・ウィンターと恋に落ちた主人公は、大邸宅マンダレーで大勢の使用人に囲まれウィンター夫人としての生活を始める。前妻の生活感がまだそこここに残るマンダレーで、主人公はその影に怯えるようになる。

 

 

両親を亡くし生きる為金持ちの付き人をしているレベッカ

レベッカ(ジョーン・フォンテイン)はある婦人の付き人としてモンテカルロに滞在中、イギリスの大金持ちマキシム・ド・ウィンター(ローレンス・オリヴィエ)と出会います。顔見知りの女性の話では、マキシムは1年前に事故で妻を亡くしたばかりで落胆しているとのこと。

レベッカとマキシムは瞬く間に恋に落ち、マキシムはレベッカにプロポーズ。

結婚届を出した二人
©Rebecca/レベッカより引用

ちょいちょい。

何目当てなんやこのおっさんは。顔面がローレンス・オリヴィエであることを加味してもチャラチャラしてニヤけててあからさまに嫌な感じ。

 

出会ってすぐにプロポーズしてくる男なんてめっちゃ怪しいと思うんだけど、他に身寄りもなく、横暴な婦人に仕えることに辟易していたレベッカは、二つ返事で申し込みを承諾。

イギリスにあるマキシムの大邸宅マンダレーで暮らすことになるのです。

 

 

マンダレーで待っていたものは

大邸宅マンダレーでは大勢の使用人が主人と新しい奥方の到着を待っていました。

【レベッカ】ダンヴァース夫人
©Rebecca/レベッカより引用

使用人達を取り仕切っているのはダンバース婦人(ジュディス・アンダーソン)。長い黒髪を清潔にまとめ、黒いドレスで足音もなく滑るように歩く姿があからさまに不気味。

 

「前の奥様はよく居間にいらっしゃいました」

マンダレーに戻ったマキシムは昼間は仕事に出かけてしまうので、残ったレベッカは所在なさげに屋敷内をウロウロ…。

「前の奥様は居間で電話したり手紙を書いたりしていらっしゃいましたよ」

執事にそう促されて居間へやってきたレベッカ。

机に置かれたままになっていた日記帳をめくると、そこには「レベッカ・ド・ウィンター」の文字が…。

レベッカの書斎
©Rebecca/レベッカより引用

 

…て あれ?

 

朱縫shuhou
お前が「レベッカ」ちゃうんかい!

 

私ね、実はこの時点まで普通に、ジョーン・フォンテインが「レベッカさん」なんだと思ってたんですよ。

アホですね~。

 

「レベッカ」はマキシムの前妻ですわ。

 

推理力とか洞察力とかが致命的に足りない私は、推理ものとかサスペンス系の映画・マンガ・ドラマ何でも、大抵制作側の思惑通りにびっくりします。「あ~何となくオチ分かってた」ってなったことは滅多にありません。

そういう意味ではサスペンスとかミステリーとかを心の底から楽しむことができるんですけどね。

 

【レベッカ】についても、まさかジョーン・フォンテインが「レベッカ」じゃないなんて思ってもみなかったので、この場面で気付いた時は本当にびっくりしました。

そういえば誰もジョーン・フォンテインの名前呼んでへん!

レベッカちゃうかったかあ〜ほっほぉ~。

 

 

「R」に支配されていく「わたし」

そう、タイトルは「わたし」ではなく【レベッカ】。作中一度たりとも視覚化されない死んだ女性にどんどん追い込まれていく「わたし」。

「わたし」だけではなくマキシムもダンバースも、精神世界でレベッカに支配されてしまっているのです。

すぐキレるし軽薄で嫌な感じやわ~と思っていたマキシムも、実は純粋に「わたし」を愛していることが分かると途端に良い奴に見えてくる不思議。

マンダレー
©Rebecca/レベッカより引用

レベッカの正体が分かってもなお、最後には意思を持たないマンダレー自体がレベッカであるかのような錯覚に陥ります。

 

 

映画【レベッカ】の感想一言

新婚ウィンター夫妻
©Rebecca/レベッカより引用
朱縫shuhou

レベッカの呪いで全員死んでしまうんじゃないかと思いきや、「わたし」とマキシムが力を合わせ、愛の力でレベッカの呪縛を解き放つハッピーエンドが割と好きです。

 

 

>> 翌年(第14回)のアカデミー最優秀作品賞はこれ!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

created by Rinker
¥550(2024/12/01 09:30:39時点 Amazon調べ-詳細)
shuhou02-22
>死ぬまでに観たい映画1001本

死ぬまでに観たい映画1001本

1902年公開の【月世界旅行】から2010年公開の【ブラック・スワン】まで。
一世紀以上に渡り製作されてきた世界中の無数の映画をたったの1001本に選りすぐり、一生に一度は観ておくべき不朽の名作としてまとめた無謀なリスト。

眺めているだけでもテンションが上がってしまう映画好きにはたまらないタイトルがぎっしり。あなたは何本観てますか?

CTR IMG