1948年/イギリス/監督:ローレンス・オリヴィエ/出演:ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、アイリーン・ハーリー、ベイジル・シドニー、ノーマン・ウーランド/第21回アカデミー作品・主演男優・美術・衣裳デザイン賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
映画・書籍・舞台、全部含めて、「ロミオとジュリエット」よりも「リア王」よりも「マクベス」よりも「ジュリアス・シーザー」よりも先に、私が初めてウィリアム・シェイクスピアの世界に触れたのは本日の映画でした。
シェイクスピアといえば悲劇!と息巻いて鑑賞したものの、「意外と悲劇でもないんちゃうん?」って感じたのを覚えています。
古い映画なのにセットもカメラワークも、そしてもちろんこの映画でアカデミー主演男優賞を獲得した監督兼主演のローレンス・オリヴィエを始めとする俳優陣の演技もしっかりしていて見応えあり。
モノクロ映像であるのがさらに作品の荘厳さを際立たせてます。
映画【ハムレット(1948)】のあらすじザックリ
難解すぎたのでただ感じたことを書いてみる
重厚で詩的で完成度が高く、すんごい映画なのは何となく分かります。何となくね。
はあ~…
すげ~…。
ホンマに分かってんのか。
しかしあまりにも高尚過ぎて、ちょっと何言ってるかよく分からない部分はやっぱり残ってしまうんですよね。
大体「ハムレット」ってさあ、観た人読んだ人全員が物語の細部までちゃんと理解できてるの?書き手の思惑通りによ?
「ハムレット」は、読む者の視点によって多様に解釈できる戯曲である。
出典:Wikipedia
あやっぱり?
だよね?
シェイクスピアはわざと難解であるように仕向けてるんですよ絶対。
だって現代では絶対使わないような難しい言葉ばっかり使うしさー。
普通に言えば良いのに妙にもったいぶった回りくどい表現したりするしさー。
【ハムレット(1948)】の字幕にある回りくどい「ハムレット語」って云うのは、例えば以下のような感じです。
現代語に置き換えてしまえば瞬殺ですよ。
→「死にたい」
→「やる言うたらやる」
→「毒殺てお前!」
→「ヤりまくりかおかん!」
最後の例文、父親が死んですぐ義理の弟と再婚した節度のない母ガートルード(アイリーン・ハーリー)を責めるハムレット(ローレンス・オリヴィエ)の「不倫の床で汗にぬれあいつと転がりもつれ…」ってセリフなんてもう、雅 すぎて逆に顔真っ赤になっちゃう。
普通に「親父が死んだ途端、叔父さんと毎晩毎晩ヤりまくりやがって!」の方がまだ健全。
もっぺん言いますよ?
なんかもうエッロエロでしょ?
こんなエロい表現ある?
婉曲的なこの表現が美しいんだか反対に下品になってるんだか、よく分からんことになっとりますわ。
オカンに向かってそれはホントに勘弁してください。息子にこんな風に言われたら、私だったら恥ずかしさのあまり行方をくらませる。
シェークスピアの四大悲劇のひとつをそんなに悲劇でもないと思った理由
シェークスピアの四大悲劇
ウイリアム・シェークスピアの戯曲三八編のうち、『ハムレット』『オセロー』『マクベス』『リア王』をいう。いずれも一七世紀初めの作品で、人生に対する深い洞察を示している。
出典:とっさの日本語便利帳
冒頭にも書きましたが、私はシェークスピアの四大悲劇に数えられる【ハムレット】を観て、悲しい物語だとは感じませんでした。
いやいや、だってハムレットは無事本懐(=父の復讐)を遂げてますし、生き残った誠実で賢明な親友ホレーショ(ノーマン・ウーランド)が真実を後世に伝えると約束してくれて、誰にも誤解を受けることなく安らかに死んでいけますやん。
これで復讐も果たせずたった一人で犬死 …なんてことになったらそれこそが悲劇ですよね?
とばっちりで死んでしまった愛しい母ガートルードは因果応報と言えないこともないし、恋人オフィーリア(ジーン・シモンズ)の死だけは想定外だったみたいですけど、それも「復讐」を誓った時点で「人を呪わば穴二つ」的代償と言いますかね。
映画【ハムレット(1948)】の感想一言
誰かを恨んで生きてきた人間は大概ロクな死に方しないもんですけど、ハムレットの死はとっても美しくて平和なものだと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。
→「死ねばいいのに」