1951年/アメリカ/監督:ロバート・ワイズ/出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

時々私は映画を観てビビビッと来たセリフに病みつきになり、鑑賞後数週間にも渡ってことあるごとにそのセリフを吐き続けるという奇怪な行動を取ってしまうことがあります。
【ランボー】の「ベトナムよりマシです」とか。
【ハーヴェイ】の「夜も更けるにつれ」とか。
【フィールド・オブ・ドリームス】の「僕の名はレイ・キンセラ」とか(どこを真似しとんねん)。
そして今は以下のセリフにハマっています。

君らのような愚劣さを私たちは卒業した。
やっべしっぶ!
地球人のような愚劣さを卒業した知的な異星人が地球に警告を発する映画、【地球の静止する日】です。
映画【地球の静止する日】のあらすじザックリ
地球人に警告するためにやってきた異星人
2008年にキアヌ・リーヴス主演で公開されたリメイク版【地球が静止する日】のオリジナル版です。
公開の1951年当時の人々の異星人を恐れる様がよく表現されています。
真っ昼間のワシントンD.C.、とある野球場に突如降り立った光る未確認飛行物体。

野次馬と軍隊でごった返す中、UFOの一部が割けベロのようなスロープがにょきにょきと生えてくる。

これ以上ないくらいつるんとした卵みたいな外壁がスパッと割れてスロープが出てくる映像はこの時代としては結構すごい。
UFOが着陸してから異星人が出てくるまで随分時間を割いて丁寧に描いていて、未知の物体や生物に遭遇した時の緊張感を増幅させています。
スロープが出てきたりドアのようなものが浮き出てきたりするたびに野次馬や軍人がビクッとなるのがちょっと滑稽。
宇宙人クラトゥとロボットのゴート
そんな地球人の注目を浴びながら、のしのしとスロープを降りてくる宇宙人。
この宇宙人は地球人より遥かに優れた知性と文明を持っているはずなんで、ここでの地球人との接し方をもうちょっと考えることはできへんかったんかいな。
スロープを降りた宇宙人は懐から何やら棒状のものを取り出し、最前列にいた兵士に手渡そうとします。

その所作を武器でも取り出したと勘違いした兵士の一人が宇宙人に発砲。
主人(?)が傷つけられたことに怒った(?)ロボットのゴート(ロック・マーティン)は地球人の武器や戦車を次々と破壊(この映像も結構すごい)してしまいます。
いやいや、そもそも地球人めっちゃビビってんのくらい分かるでしょうよ。
クラトゥ(マイケル・レニー)と名乗る宇宙人は地球語ペラペラみたいだし、とりあえずUFOから出てきてすぐにその怪しいマスクを取って口頭で挨拶したら良かったんちゃいますのん?
そんな得体の知れんもん無言で差し出されたら誰だって防衛本能働くわ。
そして「挨拶がてら大統領に渡すつもりだった」という手土産がなんだったのかは最後まで謎のまま…。
てか宇宙人って手土産に包装もしないの?むき出しやけど?
地球以外の他の惑星の宇宙人目線の映画

地球人が地球上でいくら争おうが傷つけ合おうが構わない。
しかし原爆を飛行機に乗せて飛ばれると他の惑星にも迷惑がかかる。
クラトゥが地球に来た目的は、野心満々の地球人が宇宙に対してまでもその野心を燃やすことのないように警告すること。
仲良くなった地球人のヘレン(パトリシア・ニール)やボビー(ビリー・グレイ)に対して笑顔を見せたりもするけど、基本的には取り乱すこともなくいつも冷静なクラトゥが、「地球くらいなら一瞬で壊滅させることができる」と淡々と口にするのが怖い。

他の惑星は地球に手出しするようなことはないけれど、地球がもし宇宙にまで進出しようものなら覚悟しろよ、という意味をこめて、クラトゥは地球のあらゆるエネルギーを30分間完全に静止させてしまいます。
飛行機や病院だけは避けられていることから、天災などによるものでないことは明白。
宇宙のパワーを思い知った人類は変わることができたのでしょうか。
戦争好きの地球人に問いかける「地球以外の惑星の宇宙人目線」のすごい映画です。
しかしクラトゥがヘレンに、「世界中の電力を停止したのです」って言ってるのに、ガソリン車まで動かなくなるってのはどういう原理なんですかね?
これが宇宙の力かあ~。
映画【地球の静止する日】の感想一言

「すべての国の代表を一堂に会して平等に話しがしたい」と希望するクラトゥに対して、各国の首相に当たる人物が異口同音に「あの国で開催するなら行かない」「我が国に来てもらわないと参加しない」と返事をする場面には、同じ地球人としてちょっと恥ずかしいような気分にさせられます…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。