2010年/アメリカ/監督:ティム・バートン/出演:ジョニー・デップ、ミア・ワシコウスカ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、クリスピン・グローヴァー、マット・ルーカス/第83回アカデミー美術・衣裳デザイン賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
「不思議の国のアリス」ご存知ですよね?
きゃわいいけどちょっと変わった少女アリスちゃんがチョッキ着た白うさぎを追いかけて不思議の国に迷い込んだ夢を見る(言うてもうた)、という、奇想天外な不思議の国の物語も蓋を開けてみれば意外と劣等生の居眠りの言い訳でしたみたいな児童向け文学小説です。
しかし大人になってからよく考えたらホントにアリスって勉強しない問題児ですよね。
お姉さんが一生懸命歴史の本を読み聞かせていると言うのに木に登るわ猫と遊ぶわ、挙句の果てにはお花畑で居眠りするわ。
真面目に勉強したらんかいや。
本日の映画のタイトルは【アリス・イン・ワンダーランド】ではありますが、小説「不思議の国のアリス」の実写化ではありません。
「後日談」です。
鑑賞前はこの斬新すぎる斜め上行く発想が吉と出るか凶と出るかワクワクしたもんですけど、鑑賞後は一転、果たしてなぜ後日談を描こうと思ったのかそこら辺を製作陣に聞いてみたくなるような残念な仕上がりに目も覆わんばかりでしたね。
普通に「実写化」のがマシやったやろこれ。
映画【アリス・イン・ワンダーランド】のあらすじザックリ
映画【アリス・イン・ワンダーランド】キャラクター画像一覧(比較対象ディズニーアニメ【不思議の国のアリス】)
本編の文句言う前に、とりあえず有名なディズニーアニメ【不思議の国のアリス】と【アリス・イン・ワンダーランド】のキャラクター画像を並べて比較してみましたのでご覧ください。
並べた理由は楽しいからです。
私が。
ちなみに【アリス・イン・ワンダーランド】は【不思議の国のアリス】の13年後という設定ですが、アリス以外の不思議の国の住人はたぶん歳を取ったり取らなかったりするので見た目の変化については余り考えなくても良さそうです。
【不思議の国のアリス】と【アリス・イン・ワンダーランド】のキャラクター画像
アリス
演じたのはオーストラリアの女優ミア・ワシコウスカ。可もなく不可もなければ華もないんでなんとも言いようがないですよね、この女優さん。
キャラクターとしても、不思議ちゃんで浮き沈みが激しいけど無邪気でどこか憎めないアニメのアリスと違って、実写版アリスはいつも眉間にしわを寄せて世の中を小馬鹿にしている「冷めたティーンエイジャー」って感じでいけ好かない。
赤の女王(ハートの女王)
アニメ版では「ハートの女王」と呼ばれてました。【アリス・イン・ワンダーランド】では妹の「白の女王」と対を為すためか「赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)」と呼ばれています。
遠近感がおかしくなる巨頭の持ち主。
白うさぎ
アニメ版ではもともとハートの女王に仕えていたはずの白うさぎは、【アリス・イン・ワンダーランド】では赤の女王と敵対する軍団の方に回っています。アニメ版ほど重要なキャラクターではなくなっていて残念。
チェシャ猫
アニメ版でもっとも高い人気を誇るチェシャ猫。
まさかのただの猫に。
マッドハッター(イカれ帽子屋)、三月うさぎ、ヤマネ(眠りネズミ)
ちょっと自信ないんですけど、【アリス・イン・ワンダーランド】でまるで「長靴をはいた猫」みたいな剣士として大活躍する“ヤマネ”と呼ばれるネズミ(画像下段中央)は、イカれ帽子屋たちとお茶会している“眠りネズミ”と同一人物で合ってるんでしょうか?
余りにも本家とかけ離れた急成長ぶりに驚かされるばかりなんですけど…。
アブソレム(毛虫のおじさん)
アニメ版で政治家ばりの小難しい言い回しで内容のない問答をして人を煙に巻く「毛虫のおじさん」は、【アリス・イン・ワンダーランド】では窮地のアリスを真実へと導く「賢者」のように描かれています。
この毛虫そんなに頭良くないで?
トウィードルダム、トウィードルディー
監督のティム・バートンと縁が深く、【チャーリーとチョコレート工場】でウンパルンパを演じたディープ・ロイがキャスティングされると思ったら違ってたダムとディー。
一度目にしてみればマット・ルーカス以上の双子もなかろうという仕上がり。
ドードー
チェシャ猫に次いで酷いのがこれ。
ただの「ドードー鳥」になっちゃったドードー。
花たち
えっと…そのまんま。
この花たちのようにやたらとアニメ版に寄せてきてるキャラクターと、チェシャ猫やドードーのようにかけ離れているキャラクターが混在しているのは、一体どういう事情なんでしょうね?
まだ普通の「実写化」の方がマシ
さて、冒頭にも書きましたとおり、【アリス・イン・ワンダーランド】は「不思議の国のアリス」の後日談です。
「不思議の国」を出てから13年後、再び足を踏み入れたアリスは、なぜか住人達に救世主のように崇められます。
理由を聞けば、現在の不思議の国は残虐な赤の女王によって統治されていて、その時代を終わらせるのがアリスだと予言されているからとのこと。
ファンタジーやヒーローアクションなんかでよく見られる「選ばれた民(本人に自覚なし)」って奴ですね。
この設定ってほんと謎。
まるで運命のように導かれ何もかもがうまくいくなんてことあり得ない。
でも【アリス・イン・ワンダーランド】はその設定だけで最後まで押し通しちゃったからさっぱり面白くない。
肝心のアリスの意志も強さもまったく感じられないから、まるで主人公が操り人形か蝋人形のよう。
せっかく映像は美しいんだから、この世界観のまま「不思議の国のアリス」を実写化した方が数倍面白かったはず。
「世界を救う」とか「怪物と戦う」とか意味不明。
「“不思議の国”が実は現実」で、「アリスが実業家になる」ラストなんて問題外。
「賢者」アブソレムがキーパーソンのようにデカい面(?)して去っていくしさ。
だからその(元)毛虫は内容のない御託ばっかり並べるただの薄っぺらいヘビースモーカーなんやって!
意味が分からな過ぎて涙出そう。
しくしく…。(←出た)
マッドハッターはジャック・スパロウと一緒
過去の回想やら英雄的決断やらで主人公を押し退けて目立ちまくってるのがマッドハッター(ジョニー・デップ)。
【アリス・イン・ワンダーランド】でマッドハッターを見た時、私は確信しましたね。
ジョニー・デップの演技の幅の無さを。
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「白の女王」アン・ハサウェイはキャラが立ってる
唯一(でもないけど)、「鏡の国のアリス」に出てくる、「赤の女王」の妹「白の女王」を演じたアン・ハサウェイは普通に笑えました。
目と口デカ!
常にひらひらと舞う花びらの様に挙動がフワフワしてる天然ボケ。
自分で「不思議の国」を救おうとしない理由は「殺生はしないと誓ったから」。
いやいや、「赤の女王」のもとでは猿がテーブルにされたりフラミンゴがクラブにされたりハリネズミがボールにされたり豚が足置きにされたりしてんのに、フワフワしとらんとなんとかしたれよ。
映画【アリス・イン・ワンダーランド】の感想一言
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。