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【真夜中のカーボーイ】水野晴郎命名「都会の象徴=カーボーイ」

街を歩くラッツォとジョー その他(ドラマ)
 20秒で読める概要とあらすじ

1969年/アメリカ/監督:ジョン・シュレシンジャー/出演:ジョン・ボイト、ダスティン・ホフマン、ボブ・バラバン/第42回アカデミー作品・監督・脚色賞受賞

幼い頃から祖母に溺愛され、その後も常に女性に言い寄られてきたジョーは、トラウマが残るテキサスを離れ女を手玉に取り大金を稼ぐジゴロを目指しニューヨークへやってくる。しかし中々客はつかず、途方にくれるジョーに「ネズ公」と呼ばれる足の不自由な小男が声を掛けてくる。

※このブログはネタバレしようがしまいが気にせずただ映画について書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

お持ち帰りのジョーとタクシー代をせびるラッツォ

©Midnight Cowboy/真夜中のカーボーイより引用

この記事を書くために改めて作品の詳細を調べるまで知りませんでした。

主演のジョン・ボイトって、【17歳のカルテ】で一躍有名になったアンジェリーナ・ジョリーのお父さんなんですね。へえ~。あんまり似てな~い。

まあアンジェリーナ・ジョリーはほぼ母親と暮らしてたみたいだし(ジョン・ボイトはアンジーが幼い頃に離婚してる)、この映画を私が最初に観た時なんてたぶんアンジェリーナ・ジョリーは無名に近かったと思いますけど。

余談。

 

1960年代終盤から1970年代頃までにザクザク量産され反秩序な若者を描き多くはその無力さを無情に体現するラストが象徴的なアメリカン・ニューシネマの代表作、【真夜中のカーボーイ】です。

 

 

カウボーイスタイルバリバリでテキサスからやってきました

スタイルをバッチリ整え、

鏡の前に後ろ向きに立ち、

気合を入れてパッと振り返り、

鏡に映る自分を愛おしそうに見つめる男…。

鏡に向かってポーズを決める可愛いジョー

©Midnight Cowboy/真夜中のカーボーイより引用

ジョー
決まった…

今日もクールだぜジョー…

朝から(か真っ昼間か知らんけど)アホなことやってんのは食堂の皿洗いのジョー(ジョン・ボイト)。今日を限りで退職し、なけなしの給料と牛柄のスーツケースだけを手にニューヨークへ旅立ちます。

 

冒頭のこのシーンからも分かるようにジョーは自分の容姿に相当自信を持っている様子。それもそのはず、幼い頃から育ての親である祖母に可愛い可愛いと褒めちぎられ、成長すれば女の子達に素敵だ魅力的だともてはやされてきたんですから。

 

目指すはジゴロ!「お姉さん!お姉さんって!…えっと…お姉…」(ドン)「邪魔よ!」「…」

ジョーがニューヨークへやってきたのはなんと金持ちの女と寝て大金をせしめるジゴロになるため!(作品内では「ハスラー」と言ってます)

自分以外に無関心なニューヨークの人々

©Midnight Cowboy/真夜中のカーボーイより引用

ジョーは自信満々にニューヨークの街を闊歩しマダム物色を始めますが、路上でくたばってる人がいても誰も立ち止まらない大都会の歩行スピードにすらついていけずオロオロ…。足早に目的地を目指す女性達の前でのんびりポーズ決めてる暇なんてありゃしません。

なんとかジゴロ稼業(と本人は思っている)に成功し化け物みたいな老女とセックスしたものの、金を受け取るどころか逆にタクシー代をむしり取られ放り出されるという体たらく。

 

大体ジョーは笑ってまうほどええ奴で、向いてないんですよねジゴロとかホストとか。完全に職業選択ミス。自己能力誤認。

 

ジョーの過去がちょいちょいフラッシュバック

ただの頭空っぽのナルシストかと思ったらそうでもなく、壮絶な過去のせいで心に大きな傷を負っているジョー。

ことあるごとにフラッシュバックしてくるこのジョーという男の過去をまとめるとこんな感じ。

●祖母に異常に溺愛されていたが、祖母に彼氏ができた途端放置された。
●父親(か地元の神父?)に洗礼か何かで水に沈められた。
●恋人とカーセックス中に大勢のチンピラに襲われ2人してレイプされた。
●恋人は精神に異常をきたし病院送りになった。(この時の描写で一瞬中絶用の鉗子のようなものが映るので、中絶もさせられたんかな?)
朱縫shuhou
…ええ~…そうやったん~…

結構な苦労人やんかあ~…(「苦労人」で済むか)

そう考えると、つらい出来事が重なったというのに前向きに(お気楽に?)生きてるジョーを応援したくなってきます。

 

 

「ネズ公」?何重苦背負ってんねん君!

かなり壮大なビジョンを描いて大都会へやってきたはずなのに何一つ思い通りにいかないジョーの前に現れたのは、顔見知り達から「ネズ公」と呼ばれるラッツォ(ダスティン・ホフマン)。

ラッツォと出会ったジョー

©Midnight Cowboy/真夜中のカーボーイより引用

嘘!これがダスティン・ホフマン?!

汚っ!!!

って我が目を疑ったもんですよね。この前々年の【卒業】での清潔感溢れる若い青年ベンとは打って変わって、【真夜中のカーボーイ】では汚い乞食みたいな小男演じてますんでね。

 

すごいです。足は悪いし、背は低いし、声は甲高いし(あんまり関係ない)、変な病気持ちやし(最後まで何の病気か出てこない)、金も家も家族もないし、もう一体何重苦なんって感じ。

 

どうしてもフロリダに行きたい男

ニューヨークに憧れたジョーに対し、ラッツォが憧れるのは暖かいフロリダ。高熱が続き全身がマヒして動かなくなり、あわや死のうかという緊急時であっても、口にするのはフロリダのことだけ。

男娼もいとわず犯罪に手を染めてでも金を工面しラッツォをフロリダに連れて行こうとするジョーの献身的な行動は、褒められたもんではないですが感動を呼びます。

ラッツォ「おしっこ漏らした~…」

©Midnight Cowboy/真夜中のカーボーイより引用

マイアミ行きの長距離バスの中でおしっこを漏らし情けなさの余りサメザメと涙を流すラッツォと、「お前だけ先にトイレ休憩したんやろ?」と笑い飛ばしてくれるジョーの楽しそうな掛け合いの場面が個人的には大好きです。観ながら自分もラッツォみたいな泣き笑いしてしまいます。

 

身長差30センチはあろうかという凸凹コンビの、友情とも愛情とも言い難い絆を描いた名作。【真夜中のカーボーイ】はアメリカン・ニューシネマって言っても笑える要素が多いです。

だからこそ大ヒットしたんでしょうけど。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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