【シビル・アクション】ジョン・トラボルタ

映画【シビル・アクション】あらすじと観た感想。裁判長引くと破産する

【シビル・アクション】ジョン・トラボルタ

1998年/アメリカ/監督:スティーヴン・ザイリアン/出演:ジョン・トラボルタ、ロバート・デュバル、トニー・シャルーブ、ウィリアム・H・メイシー、ジョン・リスゴー、キャスリーン・クインラン

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

速度違反キップを切られるジャン
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

盛り上がりには欠けるけど割と好きな映画です。

 

よく誰かにいじられ倒した時なんかに、

朱縫shuhou

訴えてやる!

とか言いますやんか。

ほらあの人あの人、上島さんなんか、しょっちゅう言ってますやんか。

 

でも実際誰かを訴えようと思ったら、印紙代(手数料)とか弁護士費用とか着手金とか、莫大なカネがかかるんですよね。

勝訴して損害賠償やら何かしらもらえればいいけど、敗訴なんかした日にゃあ破産ですよ破産。

 

訴えるのもほどほどにしないとね。

くるりんぱ。

 

1980年代、マサチューセッツ州ウーバンで起きた環境汚染に対する損害賠償訴訟に関わった実在の弁護士ジャン・シュリットマンを描いたノンフィクション、【シビル・アクション】です。

 

 

 

映画【シビル・アクション】のあらすじザックリ

ボストンで弁護士を開業しているジャン・シュリットマンは、ある田舎町の大企業による環境汚染問題を知り、健康被害に遭っている住人と企業の和解に持ち込んで多額の報酬を得ようと目論む。しかし、企業側の弁護人ファッチャーの狡猾な術中にはまり敗訴、私財までも使い果たしてしまう。

 

 

工場排水による水質汚染に挑むチャラい弁護士ジャン・シュリットマン

「結婚したい男ナンバー1」にも選ばれたチャラめの弁護士ジャン・シュリットマン(ジョン・トラボルタ)の信条は、「被告に同情する弁護士は血にひるむ医者と同じ」

弁護士歴17年、これまで哀れな被告に感情移入することなく、金になる案件だけをチョイスして淡々と仕事をこなしてきました。

スーツを選ぶジャン
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

お陰で彼を含めた3人の弁護士と財務担当のゴードン(ウィリアム・H・メイシー)、それに女性事務員からなる事務所はまあまあ潤っていて、ジャン自身も高級スーツに身を包みポルシェを乗り回す身分にまで上り詰めています。

 

そんなジャンのもとにある日、ウーバンという小さな町のアン・アンダーソン(キャスリーン・クインラン)という女性から依頼が入ります。

アン・アンダーソン(演:キャスリーン・クインラン)
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

ウーバンではこの15年で白血病患者が12人も出ています。そのうち8人は子供で、アンの息子はすでに死亡。原因は工場排水によって汚染された井戸水のせいだと住民たちは主張しています。

でも発がん性物質が確認された井戸はすでに閉鎖されていて、この件について調べる者はもう居ませんでした。

 

しかしキャスリーン・クインランは良い。

美しいけど精神の半分くらいは息子と一緒に天に召されてしまっているかのようなはかなさが抜群です。

 

一番気の毒なのは財務担当のゴードン

住民たちに「私達を助けて」と言われたところで、一体誰を訴えればいいのかも分からないこの案件。ジャンは金にならないと判断して一旦は依頼を断りますが、町の近くの川のほとりに大企業の工場がいくつか建っているのを発見。

ジャン
大企業相手やったら賠償金せしめられる!

金の亡者ジャンは依頼を受け、企業側を相手取って裁判を起こします。

 

この依頼を受けてからのジャンの変化が楽しい。

最初は金目当て、もちろん被害者に同情なんかしてない。

途中からは少し風向きが変わって、これまで「法廷では冷静さを欠いた者が負けや」と言っていた彼なのに、もう金は度外視して、ただただ意地で戦っているようにしか見えなくなってくる。

そして最終的にはついに、忘れかけていたであろう「弁護士としてのプライド」を思い出して、「法廷では真実が勝つはずや」と夢見がちな青少年みたいなことまで言い出してくれます。

必死で土壌を調べるジャン
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

「死んだ子供たちのため」とかそんな偽善的な美談じゃないところが良いんですよね。

 

ちなみに【シビル・アクション】でもっとも気の毒なのは、ジャンの事務所の経理担当のゴードン。

財務担当ゴードン
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

長引く裁判費用を捻出するため、社員全員の自宅を抵当に入れたり自分の宝物だった金貨を持ち出したりして銀行から金を工面してる姿が涙を誘う。

ノイローゼみたいになっちゃってさあ。自殺するんじゃないかって心配しましたもん。

 

 

名言炸裂のロバート・デュバル

企業側の弁護士ジェローム・ファッチャーには名優ロバート・デュバルが起用されています。

野球大好きのめっちゃ変なおじいちゃん。

ジェリー・ファッチャー(演:ロバート・デュバル)
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

証言録取の時も証人に変な質問ばっかりしてくるし、持ってるカバンはボロボロでプリティーなアップリケついてるし、いつもひょうひょうとしていて掴みどころがない感じ。

 

ところが、そのひょうひょうとしたテンションのままで、ジャンに示談を持ち掛けた時には寒気がしました。

 

だってそんな重大な話を持ち掛けた場所は、記録も証人もない裁判所の廊下

廊下で示談に持って行くジェリー
©A Civil Action/シビル・アクションより引用

何気ない会話をしてたかと思ったら、気が付いたら示談の話に持って行かれてる。

ファッチャー

「真実が勝つ」?

何を眠たいこと言うてんねん君は。

 

真実なんか底なし沼の底やで。

ダメだわジャン。勝てないわこりゃ。相手が悪い。

 

 

映画【エリン・ブロコビッチ】とカブってますやん

「水質汚染に苦しむ町を救う映画」…?

どっかで聞いた内容…。

そうです。

同じような訴訟を扱ったものとして、2000年の【エリン・ブロコビッチ】があります。

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扱う案件がカブってはいますけど、どちらも実話を基にしているので「パクった」って訳ではないでしょう。水質汚染なんて特段珍しいことではないってことですかね…。

 

内容が似ていると言っても、大衆受けするのは絶対【エリン・ブロコビッチ】の方でしょう。

あっちは少々凡庸過ぎるくらい「アメリカ的」なサクセス・ストーリーに仕上がっておりますので。

 

 

映画【シビル・アクション】の感想一言

朱縫shuhou

私は【エリン・ブロコビッチ】よりも【シビル・アクション】の方が好きなんですけどねえ~。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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