1939年/アメリカ/監督:ヴィクター・フレミング/出演:ジュディ・ガーランド、レイ・ボルジャー、ジャック・ヘイリー、バート・ラー、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン、フランク・モーガン/第12回アカデミー作曲・歌曲・特別賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
陽気で優しい仲間達と励まし合いながら自分の未来を切り拓く、希望にあふれた映画の内容とは裏腹に、主人公のドロシーを演じたジュディ・ガーランドの人生を大きく歪ませてしまったことでも有名になってしまった映画。
セピア色のカンザスから一転、トルネードで家ごと吹き飛ばされたドロシーが扉を開けると彩り豊かなオズの国が広がる演出は何度見てもため息が出ます。
映画【オズの魔法使】のあらすじザックリ
「オズの大魔法使い」に願いをかなえてもらおう!
カンザスの農場でエムおじさんとヘンリーおじさん、そして下働きのハンクとヒッコリーとジークと暮らすドロシー(ジュディ・ガーランド)は、虹の向こうに素敵な世界が待っていると信じてる夢見る少女。
ジュディ・ガーランドが透き通った声で歌う「虹の彼方のどこかに(Somewhere Over The Rainbow)」を聞いていると、思わず体ごと左右に揺れてしまいます。
1939年の映画だとて侮ってはいけません。
観てない人はホントに一度は観た方がいい。
ドロシーと飼い犬トトはもちろん、頭脳が欲しい案山子(レイ・ボルジャー)、心が欲しいブリキの木こり(ジャック・ヘイリー)、勇気が欲しいライオン(バート・ラー)、魔女っぽすぎる西の魔女(マーガレット・ハミルトン)、妖精っぽすぎる北の魔女(ビリー・バーク)、ハッタリでこれまで押し通してきたオズの魔法使い(フランク・モーガン)、ワサワサとかわいらしいマンチキン(小人)達など、出てくる人出てくる人みんながみんな、原作小説のイメージまんま。
そして幻想的なオズの国の描写も考えられないほど美しい。
今観るとショボいセットも(それでも80年以上も前に作られたとは到底思えません)、セピア色のカンザスの景色を冒頭で数分観せることによって、カラーになった瞬間「うわ、綺麗!」って思わせる効果を生んでいます。
ハラワタ(ワラ)を引きずり出されてぺしゃんこになった案山子、虹色にきらめく球体に乗って現れる北の魔女、自由自在に空を飛び回り、最後には煙となって解けていく西の魔女(しかもノーカット!)など、CGなどなくてもこれほどドリーミーなファンタジー映画を作れるものかと思わずうならずにはいられない傑作です。
当たり前だったハリウッドの闇
このようにすんばらしい映画だってのに、私ときたらドロシーが映るたびに、
とか下世話なことばっかり脳裏をよぎってしまうワケですよ。
だってその可憐で清楚な外見と雰囲気からは想像もできませんが、ドロシー役のジュディ・ガーランドは、枕営業と覚せい剤の常習者としても有名だもんで。
当時から(ハリウッドに限らず)芸能界では「キャスティング・カウチ」と呼ばれる、日本で言えば「枕営業」なるものが横行していましたが、なんとジュディ・ガーランドが最初に大手映画会社MGMのプロデューサーとベッドを共にしたのは13歳だったと言われています。
さらにMGMとの専属契約を手にした後、太りやすい体質だった彼女は「やせ薬」として覚せい剤を常用、心身ともにむしばまれた挙句、たった47年という短い生涯を閉じています。
「太りやすい体質」って…。
まさにこの【オズの魔法使】出演時もちょっとぽっちゃりはしてますけど、逆にむっちりと健康的で彼女の魅力が増してるような気がしますけどねえ?
細ければいいってもんじゃないでしょうに…。
「生き急ぐ天才」を稀に目にすることがありますが、ジュディ・ガーランドも間違いなくそんな言葉にふさわしい人物のひとりでしょう。
映画【オズの魔法使】の感想一言
役を取るために気持ち悪いオッサンと寝なければならない女優も気の毒ですけど、いち視聴者としては例えば実力もない大根女優が枕営業だけでのし上がって行くのも迷惑ですよね。
枕営業反対~!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。