1990年/アメリカ/監督:ジェリー・ザッカー/出演:パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ、トニー・ゴールドウィン、リック・アビレス、ヴィンセント・スキャヴェリ/第63回アカデミー助演女優・脚本賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
ベッタベタなラブストーリーでも観たいわあ~。
もーとりあえずベッタベタなやつ。
私がそう考えた時に頭に浮かぶのは本作【ゴースト/ニューヨークの幻】と【TITANIC】なのです。
1997年/アメリカ/監督:ジェームズ・キャメロン/出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン、デビッド・ワーナー、フランシス・フィッシャー、ダニー・ヌッチ、ビル・バクストン、グロリア・スチュアート、キャ[…]
…なんか年齢分かるな。
デミ・ムーア主演【ゴースト/ニューヨークの幻】のあらすじザックリ
ろくろを回す陶芸家、良心的な営業が売りの銀行マン
冗談好きでユーモアもあり誠実な銀行マン、サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)は陶芸家で恋人のモリー・ジェンセン(デミ・ムーア)と同棲生活を始めます。
超ラブラブで愛し合い信頼し合ってて、引越しの日もサムの親友のカール(トニー・ゴールドウィン)や引越し屋が居るにもかかわらずチュッチュイチャイチャしております。
うんうん。
ええなあ。
若き日のデミ・ムーアの透明感が半端ない
モリーは陶芸家ですから、ろくろで粘土こねながらイチャこく有名なシーンがあるのですが、これがもう、芸術作ってるデミ・ムーア自身がまるで芸術。
髪はベリーショート、言葉遣いはハキハキ、ファッションはパンツスタイル。こんなボーイッシュな女性であるにもかかわらず、醸し出す色香がすごい。
「色気」でなくて香り立つような「色香」って感じで。
ちなみにこの場面で流れているのはライチャス・ブラザーズの“アンチェインド・メロディ”と言う曲です。【ゴースト/ニューヨークの幻】の代名詞的名曲。
一時期ハマって色々聴きまくりましたが、綺麗な音源はもう残ってないっぽい。少々ノイズが入る古いレコードのようなこの音質がまたいいっちゃあいいんですけど。
もータイトル「Ditto(同じく)」でええんちゃうんか
二人は強い絆で結ばれていて、誰が見ても疑いようもなく愛し合っているのですが、モリーにはひとつだけ不満が。
サムが自発的に「愛してる」と言ってくれない。
モリーが「愛してる」と言ったあとに「Ditto(同じく)」と言うだけ。
誰の目にも明らかに惹かれ合っている二人でも時に言葉も必要だと、ちゃんと気持ちを確認し合うことも大切だとモリーは言います。
はい女子全員共感。
そしてこの「Ditto(同じく)」が、いっそのことタイトルこっちの方がよかったんちゃう?って思うくらい【ゴースト/ニューヨークの幻】全編通してのキーワードとなります。
無意識に恋人の傍にいることを選んだサム
あっという間の出来事。
ある観劇の帰り道、二人は暴漢に襲われ、争っているうちに銃が暴発。
ビビった暴漢が走って逃げるのを追うサム。
捕まえきれずモリーが心配になり元の場所に戻ってみると、そこには血だらけの自分を抱えて助けを求めるモリーの姿が…。
本当に、あっという間の出来事。
彼は死んでそして、ゴーストになったのです。
自身の死の真相を知ったサムが助けを求めた人たち
皮肉にもゴーストとなったお陰でサムは親友の裏切りとモリーに迫る危険を知ることができましたが、彼は今や生きている人間の誰の目にも映らず、意思を伝えることもできないゴースト。
誰かに助けてもらわなければ愛する恋人を守ることもできません。
傍にさえいれば命を賭してでもサムはモリーを守ったでしょうが、既に文字通り「命を賭して」モリーを守ったサムのたった一つの肉体はなくなってしまいました。
誰でも「命を賭して」誰かを守れるのは一度きり。
今や彼は恋人を守るために「賭す」命すら持たないゴーストとなってしまったのです。
詐欺占い師オダ=メイ・ブラウン
ところで、一体どうしてなんでしょうか。
何がって、インチキ占い師オダ=メイ・ブラウンを演じたウーピー・ゴールドバーグについてですよ。
彼女が出てくるとどうして映画そのものが急にコメディ寄りになってしまうのでしょうか。
とりあえず存在感は半端ないよね。そりゃもう出てきた瞬間から周りの役者小道具全部食う存在感。
【ゴースト/ニューヨークの幻】で彼女はオスカー獲ってます。
これほど個性が爆発していると、普通であれば主役まで食い尽くしてしまいそうなもんですが、【ゴースト/ニューヨークの幻】では透明で脆く儚い恋人たちの真逆の存在として見事に融合してます。
●嘘くさいけど信じられる。
●逃げそうだけど守ってくれそう。
まるで別の物語の登場人物のようで、それでいてオダ=メイなしでは【ゴースト/ニューヨークの幻】は語れません。
【天使にラブ・ソングを…】のイメージが強すぎるウーピー・ゴールドバーグですが、主役のポジション以外にあり得ないあの立ち位置の彼女より、【ゴースト/ニューヨークの幻】の 主役を食いそうで実際は絶妙に調和する彼女 の方が私は断然好きです。
1992年/アメリカ/監督:エミール・アルドリーノ/出演:ウーピー・ゴールドバーグ、ハーヴェイ・カイテル、マギー・スミス、キャシー・ナジミー、ウェンディ・マッケナ、ビル・ナン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気に[…]
もう一人のええ味出してる地下鉄の協力者
ええ雰囲気出てると言えばもう一人。
地下鉄に住み着いてるシャブ中(死んでんのに?)の変なおっさんゴースト(ヴィンセント・スキャヴェリ)。ええ味出てます。
幽体でも物体に触れられるようになりたいサムに、その方法を指南してくれるんですが…。
体で動かそうとしたってあかん!お前にはもう体なんてあらへんねん!
気合いや!気合いで触わるんや!
動かすんや!
とアニマル浜口ばりの気合い論をまくし立てたあと、ちょっとおシャブがお切れになって、
もーほっといてくれーーーーー!
と叫びながら死んだ時と(恐らく)同じ状況で電車に飛び込んで去っていくお姿に、哀愁を感じます。
「Ditto(同じく)」に込められた想い
シャブ中の地下鉄のゴーストに物体の触れ方を指南してもらった甲斐もあって、裏切っていた親友からモリーとオダ=メイを守ることができたサムは、いよいよ天に召されることとなります。
愛し合う恋人たちを引き離すのは神だとて忍びなかったのでしょう。
モリーの目に映ったのは最後に天からの「お迎えの光」を浴びたサムの姿。
二度と会えないと思っていた愛しい恋人の姿。
飛び上がって喜ぶでも泣き崩れるでもなく、ただ美しい緑色の瞳から一筋の涙をこぼすモリー。
光輝くサムとキスを交わしますが
・
・
いやいや。
そんなとこちゃうちゃう。
最後はあれやろほれ。
ほれほれ。
愛してるよ。
心の底から。
ぐわーっ
やっぱタイトル【Ditto】でええってーっ!!!
映画【ゴースト/ニューヨークの幻】の感想一言
デミ・ムーアって絶対ショートカットがいいよね!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。