1992年/アメリカ/監督:クリント・イーストウッド/出演:クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマン、リチャード・ハリス、ジェームズ・ウールヴェット/第65回アカデミー作品・監督・助演男優・編集賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
2013年に同じタイトルで日本を舞台としたリメイク版【許されざる者(2013)】が公開されました。
2013年/日本/監督:李相日/出演:渡辺謙、佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、滝藤賢一注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!&nb[…]
1992年のオリジナル版と、リメイク版の主演の渡辺謙が大好きなので、当時期待に胸を膨らませながら映画館に足を運びましたが…
オリジナル版の比類のなさが際立つ結果となっただけでした。
残念。
男の哀愁漂う名画、【許されざる者(1992)】です。
映画【許されざる者(1992)】のあらすじザックリ
日本リメイク版【許されざる者(2013)】との比較
最初にちょっとリメイク版にも触れておきます。
【許されざる者(2013)】の監督李相日は、【許されざる者(1992)】にかなりの思い入れがあり、オリジナル版に忠実にリメイクしたかったようです。
だからこそ公開が楽しみで、忠実に再現されたポスター公開くらいまではめっちゃ期待してたんですけどね…。
↓1992年版
↓2013年版
ポスターだけはいい感じですよね!
「許されざる」クリント・イーストウッドはこんな人
若りし頃、列車強盗から殺人まで数々の悪事を働き悪名を轟かせたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)。
しかし妻クローディアと出会ってからは、酒も女も悪事の一切からも足を洗い、生活を改めました。3年前にクローディアを亡くしてからは2人の子供を一人で育て、家畜と共にほったて小屋で静かに暮らしています。
冒頭からなかなかの放送事故レベルの衝撃映像の数々。
あの!
クリント・イーストウッドが!
豚に引きずられてウンコまみれ!
拳銃で缶カンを狙うもすべて空を撃ちぬく!
颯爽と白馬にまたがろうとするも振り落されて思っきり落下!
わぉ衝撃!!!
「かつては大悪党だった」?
絶対嘘!
あんなヨボヨボの善良なお爺さんに悪事なんかできへんできへん!
と、ツッコミたくなるくらい貧乏農夫が板についたカマボコみたいになってます。
懸賞金欲しさに昔の自分の封印を解くことに
余りの貧乏さ故、顔を切り付けられた娼婦が出した懸賞金を目当てにアホのカウボーイを殺すことにしたマニー。
相棒のネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)と青二才スコフィールド・キッド(ジェームズ・ウールヴェット)も一緒。
道中のマニーとネッドのなんとも言えない哀愁がしびれます。
男の人っていいですよね、年齢を重ねれば重ねるほど哀愁も味も出てくる…片や女は若いが勝ち!!
ぐわーっ!
てなんのこっちゃ。
ちなみにまだこの頃は故・山田康雄さんがご存命でしたので、クリント・イーストウッドの吹き替えはもちろんこの方です。
吹き替え派の方も安心してご覧になれます。
マニーにとって絶対の存在
「昔チンピラでした」って言っても、回想シーンなどは一切出てきません。
飽くまで時間軸は現在でのみ物語は進みます。
しかしマニーがいかに荒くれ者であったかは、道中の3人の会話でも明らかになっています。
まあ要するにこのオッサン、昔は滅茶苦茶です。
しかし彼は変わりました。
妻クローディアに出会って。
妻のクローディアも、すでに亡くなっているので姿は一度も出てこないのですが、全編を通してしょっちゅうマニーの言葉に登場します。本当に心の底からクローディアを愛してたことが強く印象付けられるし、それはもうあまりにも未だに愛しすぎていて哀しくなるほど。
道中何度も相棒のネッドに懺悔を吐露するマニーの姿には、過去の荒くれ者の面影はカケラもなく、彼らの言う「昔のマニー」が真実であるのなら、「愛だけでここまで人は人を変えることができるのか」とある種の信仰心みたいなものすら芽生えます。
オッサンマニア殺しな映画
【許されざる者(1992)】には魅力的なオッサン方がいっぱい出演していて、オッサンマニアな私には右を向いても左を向いてもオッサンのオッサンハーレム状態の映画です。
そのオッサン連合軍の中でも突出して私の琴線をコチョコチョっとくすぐってくれるのはジーーーン・ハックマン!!
【許されざる者(1992)】では憎むべき横暴な保安官リトル・ビル・バゲットですが、悪役なのに私にはカッコよくしか映らないという…
くぅ~っ!罪なジーン!!
ジーン・ハックマン扮する保安官リトル・ビル・バゲット
町の保安官リトル・ビル・バゲット、このオッサンも若りし日のマニーに負けず劣らず滅茶苦茶。
顔を切られた娼婦の件については、切り付けたアホのカウボーイの馬を数頭、酒場の店主に差し出すことだけで決着をつけます。(“売り物”である娼婦を傷付けたってことで)
納得行かない娼婦達が勝手に懸賞金をかけたことで、金目当ての無法者が町に入ってくる事をよしとせず、せっかくやってきた殺し屋をフルボッコにした挙句、一言。
…おう。清々しいほどの独裁。
…でもまあ町の平和を守るため…と、取れないことも…ない…?
いや~…(贔屓目)。
でもお茶目な一面もあるんですよ。
妻はおらず、ただいま自分の手で一生懸命家を建ててる最中なんですが、どうにも不器用らしく、出来上がった家の中は 屋外さながらの雨漏り三昧!
ラストは瞬きも許されません
本筋に戻ります。
保安官バゲットの妨害をかいくぐり、賞金首のアホのカウボーイを見つけたマニーたちは、狙撃できる好機を得ますが…。
かつてライフルの名手であったネッドはついに引き金を引くことはなく、自慢げに「5人殺した事がある」と言ってはばからなかった青年キッドは「初めて」人を殺し自責の念に苛まれます。
ラスト数分の見せ場は、電光石火のごとく終わってしまうので、瞬きは絶対しないようにしましょう。
ラストの銃撃戦はちょっとした…ファンサービスというか、オマケのようなもので、【許されざる者(1992)】は懸賞金の到着を待つマニーと人を初めて殺したキッドとの会話で幕を閉じていると思っています。
あのシーンのマニー…クリント・イーストウッドのたたずまいは彼以外に体現できるものではないでしょうよ。
映画【許されざる者(1992)】の感想一言
やっぱり名作、おいそれとリメイクできるような代物では…
ないですよねえ~。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。