1966年/イギリス/監督:フレッド・ジンネマン/出演:ポール・スコフィールド、スザンナ・ヨーク、ロバート・ショウ、レオ・マッカーン、ウェンディ・ヒラー、オーソン・ウェルズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ/第39回アカデミー作品・監督・主演男優・脚色・撮影・衣裳デザイン賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
【ベン・ハー】とかもそうなんですけど、初詣と墓参りの時くらいしか神仏を意識する機会がない適当な仏教徒の私には「信仰」の有難みがよく分からないため、敬虔なキリスト教徒を扱った作品はいつも理解に苦しみます。聖書の教えとかも全然知りませんし。
モーセの【十戒】は海パッカーなってうっひょーかっこえーって思いますけど所詮その程度だし。
1959年/アメリカ/監督:ウィリアム・ワイラー/出演:チャールトン・ヘストン、スティーブン・ボイド、ジャック・ホーキンス、ハイヤ・ハラリート、ヒュー・グリフィス、サム・ジャッフェ、フィンレイ・カリー、キャシー・オドネル/第32回ア[…]
1956年/アメリカ/監督:セシル・B・デミル/出演:チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー、アン・バクスター、セドリック・ハードウィック、ニナ・フォック、ジョン・デレク、デブラ・パジェット、イヴォンヌ・デ・カーロ/第29回アカデ[…]
しかし本日の映画の主人公のトーマス・モアという人は、
信仰に命まで賭けんでも…。
と冷めた目で観ていた他教徒の私にさえ「信仰ってなんか天下取れそう」と思わせてくれるほど色々超越してました。
【わが命つきるとも】です。
映画【わが命つきるとも】のあらすじザックリ
映画【わが命尽きるとも】の事の発端はヘンリー8世の不倫
事の発端となるのはカトリック教徒であったイングランド王ヘンリー8世(ロバート・ショウ)がわがままを言い始めたことにあります。
カトリック教徒の離婚が禁止されているのはイングランド王とて同じ。離婚するためにはローマ法王の許可が要ります。
そこでヘンリー8世は、信仰の厚い著名な法学者トーマス・モア(ポール・スコフィールド)に法王の説得を頼みますが、信仰に反するという理由で断わられてしまうんですね。
どうしてもアン・ブーリンと再婚したいヘンリー8世はこれにブチギレ。ローマ教皇庁を離れ自 ら「英国国教会」という新しい教会を作って再婚を強行します。
ちなみにこの強行した再婚でヘンリー8世とアン・ブーリンの間に産まれたのが、“ヴァージン・クイーン”エリザベス1世です。
1998年/イギリス/監督:シェカール・カプール/出演:ケイト・ブランシェット、ジョセフ・ファインズ、ジェフリー・ラッシュ、クリストファー・エクルストン、リチャード・アッテンボロー/第71回アカデミーメイクアップ賞受賞注※こ[…]
「離婚」が当時のカトリック教徒にとってどれほどの罪であったのか。
その気になれば結婚離婚を何度でもご自由に繰り返すことが許されている現代日本を生きる私にはその重みがさっぱり分からないんですけど、いずれにせよいくら何でもそれほどまでに断固拒否せんでもええやんってうんざりするくらい、トーマスはヘンリー8世の離婚も再婚も認めようとしません。
…別に認めてあげたらええやん…。
だってかわいいんですよヘンリー8世。強行した愛人アン・ブーリンとの結婚式でトーマスに似た後ろ姿を見つけるや、お祝いに来てくれたと勘違いして「トーマス!トーマス!」って叫びながら満面の笑みで駆け寄るんですよ?尻尾振って飼い主に駆け寄る犬みたいにさあ。
…でもそれは別人で、本物のトーマスはやっぱり結婚式には来てくれなかったんですけどね。
お陰でトーマスは反逆罪で投獄・処刑されるにいたるのですが、もう意地ですよヘンリー8世だって。引くに引けなくなってるんやって。ひと言祝って欲しかっただけやのにね?いじらしいやん。
トーマス・モアは家族や友人の説得も聞かずひたすら「信仰」
トーマスにはれっきとした家族があって(妻と娘と娘婿)、孫を見たいとも言っていました。その身を案じてくれる友人もいるし人々の信頼も厚いです。
なのに彼らの説得に一切耳を貸さず(要は「ヘンリー8世とアン・ブーリンの結婚を認める」と言って署名すれば処刑は免れる)、「神は見ている」の一点張り。
娘だって一生懸命説得するわな。
ただの署名に一体何の意味があるでしょう!
心とは裏腹な誓いを立て署名をしたとしても、お父様のその心の信仰を神は見ておられます!
そうそう、書くだけ書いたら終わりやん。
こんな感じでね?全然ダメなんです。
取り付く島もなし。
家族や親しい人々を悲しませてもこの世での善行や信仰によって天国へ行くことが重要なの?
回避できる困難にわざわざ真っ向からぶつかりに行って家族を悲しませるのは愚行ではないの?
私やったらスラッスラ署名しとるわ。
高尚すぎてまったく理解できません。
でもトーマスの「信仰心」が凄いことだけは伝わりました。
オーソン・ウェルズのジャバ・ザ・ハット感
話は逸れますが、冒頭にチョロっと出てきてすぐに死ぬくせに存在感抜群のウルジー枢機卿(オーソン・ウェルズ)の「ジャバ・ザ・ハット感」がやばかったので画像載せておきます。
似すぎ。
オーソン・ウェルズってもともとカエル顔だけどね。【市民ケーン】の頃から眉間のしわが特徴的でしたが、まさか晩年ジャバ・ザ・ハットに進化するだなんて、一体誰が想像したでしょうか。
1941年/アメリカ/監督:オーソン・ウェルズ/出演:オーソン・ウェルズ、ジョゼフ・コットン、ドロシー・カミンゴア、エヴェレット・スローン、レイ・コリンズ、ジョージ・クールリス、アグネス・ムーアヘッド/第14回アカデミー脚本賞受賞[…]
映画【わが命尽きるとも】の感想一言
いくら神を信仰してても処刑されてしまっては元も子もないのでは…。
信仰って「来世のため」に貫くものなの?
でも「今」救われたいからみんな信仰してるんじゃないの?
魂が救われたいってことなの?
あかん、やっぱり分かれへん。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。