1985年/アメリカ/監督:シドニー・ポラック/出演:メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラリス・マリア・ブランダウアー、マイケル・キッチン/第58回アカデミー作品・監督・脚色・作曲・録音・美術・撮影賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

こーゆー男好きになりたくないわあ~。
雄大で壮大で自然の摂理をこよなく愛するという、一般的な感覚では理解しがたい男。しかしまたこれが魅力的で、好きにならずにいられないんですよねえ~。
その上ビジュアルがロバート・レッドフォードだなんて…。
せめて見た目くらいデブでハゲのおっさんであってほしい。別れがつらすぎるんですもの。
風光明媚な映像と共に綴られる、どえらいめんどくさい男を愛してしまった女の哀しくも麗らかな物語、【愛と哀しみの果て】です。
映画【愛と悲しみの果て】のあらすじザックリ
第一次世界大戦前後のアフリカが舞台
以前デンマークの紙幣になってたくらい(今は違う)著名な小説家カレン・ブリクセンの自伝的小説の映像化作品。
お金持ちのお嬢様生まれのカレン(メリル・ストリープ)は生来男運が乏しいようで、いい年になっても良縁に恵まれませんでした。

愛がないのは分かってるけどぼちぼち売れ残るのも嫌やから結婚せえへん?
私持参金いっぱい持っていくし。
カレンはお金が無くて困っている友達のブロア(クラウス・マリア・ブランダウアー)に「便宜上の結婚」を申し出、利害が一致したブロアもこれを受け入れ、晴れて二人は夫婦となります。

カレンの持参金で農場経営をするため、二人はアフリカに移り住むことに。
しかしどんなけ金持ってたんだか、二人の新居はまるで王族が住むような豪邸。庶民の私は「掃除が大変そう…」なんて思ってしまいますが、そこはこーゆー階級の人達は大丈夫なんですよね、しこたま使用人がいますんで。
なんて羨ましい新婚生活でしょう。
雄大で平和で文明もあって…憧れの生活
「100年以上前のアフリカ」って聞くとなんだか槍とか楯とか持った食人部族がいたり、そこら中で人が猛獣に食い殺されてたりして危険なイメージないですか?
でもちゃんとここには文明があります。
カレン達が経営する農場も黒人労働者を雇ってきちんと機能してるし、少し車で走れば鉄道だって整備されてる。夜ともなればふかふかのベッドで眠り、お腹が空けば贅沢な食事プラスおやつとかも食べてて、物資は不足してないみたい。

序盤で一度だけ、至近距離まで雌ライオンに近づかれたカレンが怖い思いをしますけど、それ以降は家の周囲に猛獣がやってくることもないし、平和なもんです。
ケニアで撮影された雄大なアフリカの映像と悠々自適の生活には憧れずにはいられません。
ええなあこんな生活。

「冒険家」って聞こえはいいけど
「便宜上の結婚」だったはずなのに、次第に本気でブロアを愛してしまうカレン。
しかしブロアには浮気癖があって、それを容認することができなかったカレンはブロアを家から追い出します。
金持ってると強い。
この頃にはすでにブロアに相当散財されてるけど。
そうして一人になったカレンと愛し合うようになるのが、アフリカで知り合った冒険家のデニス(ロバート・レッドフォード)。

昼間はカレンは農場へ、デニスは狩りへと別々に過ごし、夜は二人で豪邸の暖炉の前でクッションを並べておしゃべり…カレンが「アフリカ」で最も幸せを感じた期間だったことでしょう。
でも女性って愛すれば愛するほど相手を「所有」したくなってくるんですよね。
相手がただのサラリーマンならそれもいいでしょうが、いかんせんデニスは「冒険家」。
大体なんやねん冒険家って。絶対自由が一番やん。

こう言われてしまってはもう…ねえ?
あなたが女性で、結婚したい男性にこんなこと言われたら、どうします?
私も考えたんですけど、全然まとまりませんでした。結構これに近いこと言う男性って多いけどね。
なんだか悲しいような、妙に納得してしまうような、世間から取り残されるのが怖いような、こんな男に惚れた自分が恨めしいような…。

映画【愛と悲しみの果て】の感想一言

だからやっぱりデニス役がロバート・レッドフォードやから余計ダメなんですよ。
デニスがもっとハゲでデブのおっさんやと想像したら、「あっそ。じゃあ別れよか」ってサラッと次へ行けますもんね?
…う~ん、それじゃあそもそも恋もしてへんのか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。