【フルメタル・ジャケット】ジョーカー

映画【フルメタル・ジャケット】あらすじと感想とハートマン軍曹の罵倒

1987年/アメリカ・イギリス/監督:スタンリー・キューブリック/出演:マシュー・モディーン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、アーリス・ハワード、アダム・ボールドウィン、ドリアン・ヘアウッド、ケビン・メージャー・ハワード、エド・オロス

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【フルメタル・ジャケット】ファミコン・ウォーズ
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

「ファミコンウォーズが出ーるぞ!」

(ファミコンウォーズが出ーるぞ!)

「こいつはドエライシミュレーション!」

(こいつはドエライシミュレーション!)

上の画像と活字を見ただけで任天堂のゲームソフト「ファミコンウォーズ」のCMが頭に浮かんだみなさんこんにちは。

本日の映画はこの「ファミコンウォーズ」のCMの元ネタになった戦争映画、【フルメタル・ジャケット】でございます。

 

いやー懐かしいわ(CMが)。

 

 

 

映画【フルメタル・ジャケット】のあらすじザックリ

ベトナム戦争時、アメリカ海兵隊に志願した青年ジョーカーは、海兵隊訓練キャンプで厳しい教練を受けることになる。鬼教官ハートマン軍曹の指導のもとで行われる訓練は、徹底的な叱責と罵倒、殴る蹴るの体罰が加えられ続けるという、心身ともに過酷を極めるものだった。

 

 

タイトル【フルメタル・ジャケット】の意味は?

いきなりファミコンの話から入ってしまったので(私の世代だと【フルメタル・ジャケット】と「ファミコンウォーズ」は切り離せない)、もしかしたら【フルメタル・ジャケット】をブラック・コメディか何かと捉えてしまった方もいらっしゃるかも知れませんね。

スタンリー・キューブリック監督による戦争映画の中には【博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか】という、まさしくブラック・コメディの傑作も存在する訳ですし。

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しかしながら【フルメタル・ジャケット】はそんな軽いノリで観られる映画ではございません。純粋で素直な私なんかは鑑賞後にズドーンと暗い気分になってしまう後味悪い系の映画です。

【フルメタル・ジャケット】ヴィンセント・ドノフリオ
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

タイトルの【フルメタル・ジャケット】ていうのは、弾頭が合金によって覆われた弾丸(フルメタル・ジャケット弾、FMJ弾)のことです。作中の字幕にも出てくるように、日本語では「完全被甲弾」と呼ばれます。

このフルメタル・ジャケット弾の特徴は、他の弾丸より貫通力が高く、土壌汚染も少ないってこと。

敵兵に当たっても貫通して体内に残らないからのちのちまで痛手を負わせることがなく(致命傷は与える)、戦地に残された弾丸から有害物質が染み出すことも少ない。あと安価。

 

つまりより平和的に戦争するため・・・・・・・・・・・・の弾丸なんですね。

 

え?

 

ちょっとここら辺の矛盾がよく分かんないでしょ?

無垢な子供が聞いたら「そんな弾丸作らんでも、戦争せんかったら済む話やん」って言いますよ。

【フルメタル・ジャケット】ジョーカーとデブ君
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

タイトル【フルメタル・ジャケット】のみならず、終始本作で描かれるのはさまざまな戦争の矛盾

主人公“ジョーカー”(マシュー・モディーン)が「BORN TO KiLL生来必殺」と書かれたヘルメットかぶって胸にpeace平和バッヂをつけていること然り、鬼教官ハートマン軍曹(R・リー・アーメイ)がアメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ暗殺の実行犯とされる元海兵隊員のリー・ハーヴェイ・オズワルドを射撃の名手として称賛すること然り。

 

加害者としてでも被害者としてでもなく、ただありのままに戦争を描いた映画です。

 

 

スタンリー・キューブリック監督の製作意図考察

マイケル・チミノ監督の【ディア・ハンター】が1978年公開、フランシス・フォード・コッポラ監督の【地獄の黙示録】が1979年公開、オリバー・ストーン監督の【プラトーン】が1986年公開ですから、1987年公開の【フルメタル・ジャケット】はベトナム戦争映画の中では“後発”の印象があります。

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でも他のベトナム戦争映画とは切り口がまったく違うんで、その存在感が薄れることは未来永劫ないでしょう。

【フルメタル・ジャケット】ジョーカー
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

そもそも【フルメタル・ジャケット】は「ベトナム戦争映画」の枠にはまりません。別に舞台は「ベトナム戦争」じゃなくても良いんですよ。これが第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも、「戦争」であればなんでもいいでしょ。

最後にベトコンの幼い少女は出てきますけど、それもまあ敵国の幼い少年でも何でも良いんですよ(いや、ベトコンの少女が出て来るクライマックスの描写に関してだけは少々無理があるかも知れない…)。

 

ハートマン軍曹の罵倒からの“ミッキー・マウス・マーチ”

【フルメタル・ジャケット】の公開からさかのぼること30年、若きスタンリー・キューブリックがメガホンを取り「反戦映画の傑作」として高い評価を得た【突撃(1957)】でさえ、キューブリック自身は「反戦映画」として捉えられることに懐疑的だったと言いますから、声高らかに「戦争はんたーい!」と主張することが彼の狙いじゃないことは明白。

では「ありのままの戦争」を描くことで、スタンリー・キューブリックは観客に何を訴えかけたかったのか?

【フルメタル・ジャケット】
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

もしかしたらあれか。

“ジョーカー”や“ほほえみデブ”(ヴィンセント・ドノフリオ)を海軍のキャンプでとことん痛めつけるハートマン軍曹のセリフに何かが隠されているの?

【フルメタル・ジャケット】ハートマン軍曹
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用
ハートマン軍曹
パパの精液がシーツのシミになりママの割れ目に残ったカスがお前だ!

 

もしくはラストでジョーカー達が歌う“ミッキー・マウス・マーチ”に何かが隠されているの?

【フルメタル・ジャケット】ミッキー・マウス・マーチ
©Full Metal Jacket/フルメタル・ジャケットより引用

考えてみたけど分からんわ。

 

 

映画【フルメタル・ジャケット】の感想一言

朱縫shuhou

スタンリー・キューブリック監督作としては珍しいことでもなんでもないけど、【フルメタル・ジャケット】の撮影には1年以上を要しています。

演技とはいえ1年以上もハートマン軍曹に「この汚れザーメン!」とか「肉布団め!」とかって罵倒され続けたら、頭おかしくなりそうや。

…聞いてる分にはおもろいけど。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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