【プラトーン】エリアス

映画【プラトーン】エリアスとバーンズの反目は続く…ジョニー・デップ若!

1986年/アメリカ/監督:オリバー・ストーン/出演:チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー、フォレスト・ウィテカー、ジョニー・デップ/第59回アカデミー作品・監督・編集・録音賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【プラトーン】のウィレム・デフォー
©Platoon/プラトーンより引用

私の勝手なベトナム戦争映画ベスト3。

【ディア・ハンター】での戦争描写は一瞬だし、【ランボー】では回想という形でしか描かれていないので、最初から最後までずっと戦場と化したベトナムで物語が繰り広げられる【プラトーン】は正に、キング・オブ・ベトナム戦争映画と言っていいでしょう。

よし、言うたもん勝ちや。

本日はキング・オブ・ベトナム戦争映画、【プラトーン】のレビューです。

 

他にベトナム戦争を描いた作品で有名なものに【地獄の黙示録】もありますが、アレはちょっと別枠で。

 

 

 

映画【プラトーン】のあらすじザックリ

正義感溢れるアメリカ軍の若者クリス・テイラーは、ベトナムに派遣された当日すでに、大学を中退してまで軍に入隊したことを後悔していた。仲間たちがみな除隊日を待ち望む中戦況は変わることなく、戦地は狂気に包まれる。

 

 

狂気の戦場へ送られた兵隊たち

【プラトーン】の主人公クリス・テイラーを演じるのは「俺は毎秒勝っている」と言ってはばからない“クレイジー・セレブ”チャーリー・シーン様です。

晩年のクレイジーっぷりからは予想も尽きませんが、【プラトーン】でのチャーリー・シーンはめっちゃかわいい。

【プラトーン】のチャーリー・シーン
©Platoon/プラトーンより引用

屈強な軍人の群れの中に紛れ込んで人格崩壊していくインテリのお坊ちゃまを見事に演じています。やっぱり演技力あるよね。ちょっとクレイジーだけどね。

 

実はこの正義感の強いクリスという青年は、貧しい家庭や黒人の若者ばかりが戦争に駆り出される現実に憤りをおぼえ、大学を中退して志願してまで入隊しています。

そしてベトナムに配属された当日、彼は祖母あてにこんな手紙を書いてます。

「ばあちゃん、早く帰りてーよー」

まあベトナムに送られた初日にいきなり後悔しているワケなんですけど。

それは他の若者とて同じこと。

タバコ吸ってるチャーリー・シーン
©Platoon/プラトーンより引用

新兵たちは真夏の悪臭放つ汚物の処理をしながら、「俺除隊日まであと○日やねん!」「俺生きて帰ったら○○すんねん!」と夢を語り、除隊日を指折り数えながら過酷なベトナムでの日々を耐え忍んでいます。

 

エリアスとバーンズ、善と悪の象徴のような2人の存在

クリスにはエリアス・グロージョン軍曹(ウィレム・デフォー)とボブ・バーンズ軍曹(トム・ベレンジャー)という、対照的な2人の上官がいて、現地の農村に立ち寄った際にエリアスとバーンズの性質を象徴するちょっとした事件が起こります。

 

先に農村に立ち入ったバーンズの隊(この日はクリスもこの隊に同行)が、村に大量の武器が隠されているのを見つけ、一体どこから何の目的で手に入れたのかと村長に詰め寄ります。

「北軍が勝手に置いていった」と村長が話し、通訳がそれを伝えるもバーンズは信じません。

銃を突き付けられる村長に泣き叫びながらすがる母親(恐らく)を容赦なく射殺し、それでも納得のいく答えを言わない村長に業を煮やしたバーンズは、まだ幼い村長の娘を引きずり出して銃を突き付けながらもう一度問いただします。

バーンズ

なんでこんなに武器があんねん!

どうやって手に入れたんや!

 

正直に言わな娘殺すぞコラ!

村長の娘に銃を突きつけるバーンズ
©Platoon/プラトーンより引用

隊の一部から「やっちまえ軍曹!」と耳を疑う野次まで飛び出すという、ここにあるのは救いのない狂気の世界。

どうすることもできないクリスと私が涙目で固まる中、怒りのあまり鬼の形相と化したエリアスが現れます。

エリアス

バーンズ!

俺らはいつから銃殺隊になったんや!

バーンズを止めるエリアス
©Platoon/プラトーンより引用
朱縫shuhou

エリアスーっ!(号泣)

取っ組み合ってお互いを非難し合うバーンズとエリアス。

クリスと私はただただもう…。

朱縫shuhou
もうやめてー…。

 

この事件の少し前の、クリスがベトナム人の足元に向って発砲しながら「踊れー!」って叫ぶ場面も狂気すぎて震えあがりますけども。

たぶん「踊れー!」を観ている時の私の顔は、この時のチャーリー・シーンと同じ表情。

「踊れ~!」の時のチャーリー・シーン
©Platoon/プラトーンより引用

もう半泣き。

てか泣いてる。

兵士の何人かは村の若い女性を「普通に」強姦しようとしてるし。「普通に」よ?

この村での描写が【プラトーン】の中で一番怖い。

 

その晩野営をしている時、エリアスがクリスに向かって言うワケですよ。

「俺達は横暴すぎた。罰が当たる頃や」ってね?

星を見ながら静かにさあ。

 

クリスの行動は正しかったのか

もともと反りの合わなかったエリアスとバーンズはこの事件をきっかけに完全に決裂。

特にバーンズは殺したいほどにエリアスを憎み、実際にそれをやってのけてしまいます。

 

こうなるともう負の連鎖は止まらなくて、狂気に包まれた戦場で唯一「人間らしさ」を失わなかったエリアスを死に追いやったのがバーンズだと気づいたクリスもまた、バーンズを殺したいほど憎むことになります。

 

程無くしてクリスは、バーンズを殺せるチャンスに恵まれます。

 

近くには誰もいない荒れ果てた戦場で、重傷を負ったバーンズが目の前に倒れている。

あとは自分の銃の引き金を引くだけ

バーンズに銃口を向けるクリス
©Platoon/プラトーンより引用

私、クリスはここで引き金を引かないと思って観てました。

憎くて恨んで殺したくて仕方ないとしても、いざ目の前に傷を負った「人間」がいたら殺すことなんてできないのが「人間」だと思っていたので。

 

スクリーンの前で映像を観ているだけの私は忘れてたんです。

「人間」が「人間」でいられなくさせてしまうのが戦争だってこと。

 

 

映画【プラトーン】のまとめ

私の予想を裏切りクリスは引き金を引きます。でも誰もクリスを責めることなどできません。

「人間」が「人間」でいられなくなって、入隊した日に「ばあちゃん、早く帰りてーよー」と弱音を吐いていた正義感溢れる若者をここまで変えてしまうのが戦争。

後方部隊に送られるクリス
©Platoon/プラトーンより引用

クリスは戦闘で負傷し後方部隊に送られることになりますが、前線ではいつまでもエリアス(善)とバーンズ(悪)の反目が続き、勝利のない戦いが繰り広げられているのです。

気を失いそうなくらい怖いけど、本当に万人に伝わりやすい良い映画だと思います。

 

 

若き日のジョニー・デップ

最後に若き日の「彼」をご覧いただいてお別れしましょうかね。

©Platoon/プラトーンより引用
ウィレム・デフォーとジョニー・デップ、か?
©Platoon/プラトーンより引用

 

 

>> 翌年(第60回)のアカデミー最優秀作品賞はこれ!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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