映画【ライオン・キング(1994)】あらすじと感想とムファサの偉大さについて

1994年/アメリカ/監督:ロジャー・アレーズ、ロブ・ミンコフ/声の出演:ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジョナサン・テイラー・トーマス、マシュー・ブロデリック、ジェレミー・アイアンズ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

子ライオンのお披露目会
©The Lion King/ライオン・キングより引用

公開されるや大ヒットを記録し、3年後に封切られたミュージカル作品も大成功を収めた近代ディズニーを代表する作品である…

のですが。

子供にも楽しめるように制作されているディズニー映画であろうが容赦なくうがった目線で視聴してしまう私には主人公である子ライオンのシンバが甘ったれのアホボンにしか見えません。

 

まあ言うても私は公開当時真っ先に劇場に観に行って感動して号泣した一人ですけど。

朱縫shuhou

泣いとったんか~い!

 

【ライオン・キング】です。

 

 

 

映画【ライオン・キング(1994)】のあらすじザックリ

雄ライオンの王ムファサによって治められる平和な動物の王国プライド・ランド。しかしやんちゃ盛りの王の息子シンバが密かに国王の座を狙っている王の弟スカーの策略にはまり、結果的にムファサを死に追いやってしまう。シンバは逃げ出し、スカーに支配された王国は荒廃してゆく。

 

 

父王ムファサの偉大さったらない

動物の王国プライド・ランドを治めるのは偉大なる王ムファサ。

シマウマやサバンナの動物を食する自分たちは死んで土に還り植物の糧となってその植物をサバンナの動物たちが食べる…という「サークル・オブ・ライフ(Circle of Life:生命の循環)」を奥深く理解していて大地や餌となる動物たちに敬意を欠かさない。

ムファサとシンバを抱いたラフィキじいさん
©The Lion King/ライオン・キングより引用

冗談も言うし眠い朝にはダラダラとするキュートな姿も見せたりしますが、ひとたび王国や一人息子のシンバに危機が迫ると瞬時にスイッチを入れ本領を発揮します。

 

一番泣けるのはシンバとムファサがじゃれる場面

ある日好奇心旺盛でやんちゃ盛りのシンバは、ムファサに「絶対に行っては行けない」と言われていたプライド・ランドの外の危険な場所に幼馴染の雌ライオン、ナラとともに冒険に行ってしまいます。

あわや「ロースト・ライオン」となってハイエナ達の食卓に並ぼうかというところで危機一髪ムファサに救われたシンバとナラ。ここでのムファサのシンバの叱り方が親として非常に参考になります。

ムファサ

なんで父さんの言いつけを破った?!「勇敢」と「向こう見ず」はちがうんやぞ!

 

お前だけやない!ナラまで危険な目に遭わせたんや!

 

…父さんには怖いものなんてなかったけど、今日初めてお前を亡くすかと思って怖かった…。

でまず息子がどんな悪いことをしたのか問いかけ父が何に対して怒っているのかを明確にして、きっちりと息子の間違いを指摘。

で自分のことばかり考えず他人も思いやらなければならないと暗に示し、

最後にで「最強の王」である父がどれだけ息子を愛しているかを伝え、「言うことを聞け」と命令するのでははく、親の弱さも交えて「父のためにも安易に向こう見ずな行動を取らないでくれ」と頼んでいます。

 

そしていつまでも怒ってません。

しばき倒したりもしません。

ガツンと言葉で叱って、シンバが反省したなと見るや豹変し「よっしゃ!この話はもう終わり!」とばかりに草原で息子とじゃれあいます。

草原でじゃれるシンバとムファサ
©The Lion King/ライオン・キングより引用

怖いものなどないと思っていた憧れの父が唯一恐れるものが自分を失うことであると聞いた時のシンバの誇らしげな表情!こうして教えられた子供って自信に満ち自分を大切にし、軽々しく危険な状況に足を踏み入れず慎重に物事を考えられる大人になって行くんでしょう。

これこそ世の親がホントに子供に教えたいことですよね。親にとって子供がどれだけ大事か伝えたい。

 

【ライオン・キング】の中で最も私が涙してしまう場面は、親子の絆が眩しすぎるこの草原でのやり取りです。

 

 

ムファサの弟スカーだって捨てたもんじゃない

賢王ムファサには残念な弟スカーがいます。

一国を治める器には程遠いにもかかわらず野心とプライドだけは一人前で、兄と甥のシンバを亡き者にしてプライド・ランドの王座を奪うチャンスを虎視眈々とうかがっています。

ムファサが相手では到底敵うはずもないスカーは、まだ幼い「シンバ」というムファサの弱点と、プライド・ランドの外に追いやられて不満を持っているハイエナ達を利用します。

王座を狙うスカー
©The Lion King/ライオン・キングより引用

私はあんまり嫌いじゃないよ、スカー。

ムファサが偉大すぎて、弟としてはこんな風にひねくれるしかなかったのかなあとか同情すらしてしまいます。

しかしやっぱりムファサの弟だけあって知略(悪だくみにしろ)に長けてるんやから、参謀とか、なんかええ感じのポジションはなかったんでしょうかね。いや、それじゃあスカーは納得しないんでしょうね、「王になりたい」野望がすごいライオンなんで。

言うても惜しい人材ではあります。

 

 

血統に甘えたアホボンにしか見えないシンバ

個人的には主人公のこいつ、シンバが一番問題やと思うんですけど。

ムファサの側近ザズーとシンバとナラ
©The Lion King/ライオン・キングより引用

何も分からん幼少期に叔父さん(スカー)の策略にはまって最愛の父を殺す手助けをしてしまい、その罪を責められ王国を半ば追放され、言葉には言い表せられないほどつらかったでしょう、悲しかったでしょう。

灼熱のサバンナで幼い子供がたった一人…「このまま死んでしまおう」とすら思ったでしょう。

 

何が「ハクナ・マタタ」やねん

でもさ。

サバンナで楽天家コンビのプンバァとティモンと出会ってさ、プライド・ランドから遠く離れたオアシスで「ハクナ・マタタ」の精神を身に着けちゃってさ、ライオンのくせに虫食ってさ、悠々自適にのほほんと暮らすのってどうよ?

参考 ハクナ・マタタ=スワヒリ語で「どうにかなるさ、くよくよするな」の意。

プンバァとティモンとシンバのアホトリオ
©The Lion King/ライオン・キングより引用

楽天家のプンバァとティモンに出会っていなければ、幼いシンバは「父を殺した」という自責の念に押しつぶされてきっと死んでしまっていたでしょう。それは分かります。

でも年を重ねて偶然出会った幼馴染のナラから父の治めてきた王国の危機を知らされても

シンバ

えー俺そんな王国を救うとか無理無理~。

「ハクナ・マタタ」やね~ん。

って言ってヘラヘラしてんのにはナラ同様失望します。

シンバの中で葛藤があったにしてもです。

 

いや、シンバの態度そのものよりも「ハクナ・マタタ」の精神が鬱陶しいんですよね。

時にそんな考え方も必要だとしても、少なくともお前の親父は「どうにかなるさ~」なんて精神で国を治めてはなかったぞシンバ。あんまりそればっかり口にすんな。

 

何年も遊び人やってた奴が急に戦えるかっての

それでも己の中の「王家の血筋」に目覚め、ハイエナを率いたスカーから取り戻すためプライド・ランドに戻ったことは認めましょう。

しかし幼少期から今までロクに力となる肉も食べず狩りもトレーニング(?)もせず(雄ライオンは狩りしないらしいけど)、グズグズになまった体でスカーやハイエナと戦い勝利するとはこれ如何に。

 

そしてスカーやハイエナ達を再び追い出し、荒廃していたプライド・ランドは数年後にはムファサがいた時のような平和な楽園に姿を変えている訳なんですが、今まで好きなことして遊んでばっかりやった奴に急に国なんて治められる?

側近ザズーや雌ライオン達の助力があったとしてもよ。

子をもうけたシンバとナラ
©The Lion King/ライオン・キングより引用
助手
そこはやっぱり偉大な王ムファサの息子やったから。「王家の血筋」が目覚めたんじゃね?

「王家の血筋」とか言い出すなら、じゃあスカーは?

スカーだって「王家の血筋」でしょ?

スカーみたいに、「王家の血筋」だってあかん奴はあかん奴な訳で、策略にはまったにしろ何年も国を離れて呆けてた奴に一国の王なんて務まるもんですかね?

やっぱり幼少期のムファサの教えの影響が凄まじかったんかな?そこがシンバとスカーとの違い?スカーの親の育て方が悪かった?でもスカーの親父とムファサの親父は一緒な訳で、ムファサも同じように育てられてるはずやけど?私理屈こねすぎ?

 

 

映画【ライオン・キング(1994)】の感想一言

朱縫shuhou

どっちにしろムファサが偉大すぎて、シンバには消しようのない「七光り感」が残ります。

親が優れてる二代目って何かと比べられたりして気の毒ではあるけどね。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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