【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク

【サリヴァンの旅】あらすじと観た感想。チャンチャラおかしいめちゃええ話

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク

1941年/アメリカ/監督:プレストン・スタージェス/出演:ジョエル・マクリー、ヴェロニカ・レイク、ロバート・ワーウィック、ウィリアム・デマレスト、エリック・ブロア、アーサー・ホイトチェスター・コンクリン

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

10代の頃、車に住んでたことがあります。

それも自分の車じゃなくて友達の車。

若い頃って友達同士の「溜まり場」ってのがあるでしょう?学校やサークルの部室だったり誰かの家だったりコンビニの駐車場だったり。それが私の場合は「車」だったんですね。当時はネットカフェなんかありませんでしたし。

みんなそこからバイトに行ったりしてたんで、ちょこちょこメンツが変わりながらフルフラットにしたワンボックスカーの後席に4~5人は常駐しているような状態。究極に金はなかったけどそれなりに楽しかったような気がします。

でもその経験が今現在何かの役に立っているかと問われると、正直爆笑してしまいますよね。

朱縫shuhou
そんなもん何の役に立つねんな!

車に住んでる暇があったらもっと勉強しておけば良かったと思うだけです。

 

ああそうか。

年齢を重ねて人生の岐路に立った時、遊んでばっかりだった人はもっと勉強しておけば良かったと思って、勉強ばっかりしていた人はもっと遊んでおけばよかったと思って、裕福な人はもっと苦労をしてみたかったと思うんだなきっと。

 

人間ときたらホントに欲しがり屋さんでどうしようもないね。かのアーネスト・ヘミングウェイも“ないものねだり”には懐疑的だってのに。

Now is no time to think of what you do not have. 今はないものについて考えるときではない。

Think of what you can do with that there is. 今あるもので何ができるかを考えよ。

出典:アーネスト・ヘミングウェイ名言

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

でも“ないものねだり”と何かを手に入れるために足掻くことって違いますよね。「望むものを手に入れるための手段」が少々短絡的で見当違いであっても、足掻いた経験を かてにできる人もいるし、単に行動することで運が向いてくる人もいるし、足掻いてみる価値はあるんじゃないの?

「自分にないもの」を求めて足掻いた結果、「自分にあるもの」こそ至上であることに気付いた幸福な男の物語、【サリヴァンの旅】です。

 

 

 

映画【サリヴァンの旅】のあらすじザックリ

コメディ映画の監督として成功を収めたジョン・L・サリヴァンは、社会派映画の撮影を熱望し始める。現実社会を知るためホームレスの姿で方々をうろついていたサリヴァンは、ハリウッドのカフェで夢に破れて故郷に帰ろうとしているブロンドの美女に出会う。

 

 

金持ちによる「ホームレス体験記」

監督は【レディ・イヴ】を始め多くのスクリューボール・コメディを撮ってきたプレストン・スタージェス

【サリヴァンの旅】の主人公ジョン・L・サリヴァン(ジョエル・マクリー)はまるでそんなプレストン・スタージェス監督自身を投影しているかのような、コメディ映画で名を馳せたひとかどの映画監督。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリー
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

ある日サリヴァンは映画会社の経営陣に自分の苛立ちを訴えます。

サリヴァン

今は貧困の時代や!誰がアホなコメディなんか観たいと思うねん!

俺は社会派ドラマを撮りたいんや!シリアスな映画を撮らせてくれ!

ところが経営側はこれを一蹴。

映画会社
ボンボン育ちで貧困の何たるかも知らんお前なんぞに社会派ドラマが撮れるかい!

小馬鹿にされてしまったもののそれももっともだと考え直したサリヴァンは、高級スーツを脱ぎボロを着て、財布も小切手も置いて10セントだけを握りしめ、「貧困を味わうため」の旅に出ることを決意します。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

道中サリヴァンがハリウッドの食堂で出会う夢破れて田舎に帰ろうとしている女優志望の女の子(The Girl)はヴェロニカ・レイクです。1990年の映画【L.A.コンフィデンシャル】で、高級娼婦役のキム・ベイシンガーが似せていたのはこの人。

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1990年/アメリカ/監督:カーティス・ハンソン/出演:ケヴィン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ジェームズ・クロムウェル、キム・ベイシンガー、デヴィッド・ストラザーン、ダニー・デヴィート/第70回アカデミー助演女優・[…]

【L.A.コンフィデンシャル】

ヴェロニカ・レイクはそのセクシーな面差しからはちょっと想像つかないくらいちっちゃいんで、190cm近くあるジョエル・マクリーと並ぶと大人と子供。カメラ的に見栄えがよくないためか、しょっちゅうヴェロニカ・レイクがジョエル・マクリーの膝の上に乗っかってます。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリー
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

映画会社の取り巻きから逃げたりヴェロニカ・レイクを拾ったりしながら進む前半はプレストン・スタージェス監督が得意とするスクリューボール・コメディそのもの。

どうにも思い通りに行かない旅を一旦切り上げて自宅に戻った時なんかプールサイドで美女はべらせてキャビア食っちゃう。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリー
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用
朱縫shuhou
やる気あんのかお前!

おもろすぎでしょこの人。貧乏を舐めている。「腹減ってもうあかん…」ってなったらすぐ自宅に戻って風呂入ってさっぱりしよるしね?

朱縫shuhou
さっぱりすなすな!

本気で貧困にあえぐ人達からしたらチャンチャラおかしい言うて怒られますよこんなもん。ボンボンの道楽ですわ。

 

ホームレスのおっさんよありがとう

ところがどっこいボンボンの道楽までなら定番のスクリューボール・コメディで完結なんですけど、後半はガラリと おもむきを変えてスリリングな感動作に仕上げてくるから【サリヴァンの旅】は凄いんです。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

はからずも迷走していたサリヴァンを救ってくれたのはホームレスのおっさん

ホームレスのおっさんが金を奪ってボコボコにしてくれたお陰で一時的に記憶を無くしたサリヴァンは、その汚い身なりから本物のホームレスだと勘違いされ、刑務所に入れられてしまいます。

 

ここでようやくサリヴァンは、ご希望通り正真正銘の絶望を味わうわけですよ。

そして絶望の淵にあるサリヴァンを救ったのが意外にもアレだったってオチは、恥ずかしくなっちゃうくらいベタなんだけどどうしたって感動せざるを得ないんです。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリー
©Sullivan’s Travels/サリヴァンの旅より引用

鑑賞後の満ち足りた幸福感はフランク・キャプラの作品のそれとよく似てる。

結局「コメディ映画の原点」ってこれなんだよね。

 

近年のコメディ映画界をけん引してきたベン・スティラーも好きな映画のひとつとして挙げる名作です。コメディがお好きならぜひご覧になってみてください。

 

 

映画【サリヴァンの旅】の感想一言

朱縫shuhou

作中何度か出てくるサリヴァンの次回作【兄よ、どこへ?O Brother, Where Art Thou?】の企画をかっさらって行ったのはコーエン兄弟。

2000年に【オー・ブラザー!(原題同じ)】として本当に映画化しちゃいました!

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【サリヴァンの旅】ジョエル・マクリーとヴェロニカ・レイク
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