1947年/アメリカ/監督:ジョージ・シートン/出演:モーリン・オハラ、ジョン・ペイン、エドマンド・グウェン、ジーン・ロックハート、ナタリー・ウッド/第20回アカデミー助演男優・脚色・原案賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
モノクロ映画だった本作をカラーライズ化してくれた技術者の方々に感謝礼状を送りたい。送りたいけど宛先分かんないから拍手!ぱちぱちぱちぱち~。
古い映画を好む私は映像が粗かろうがモノクロ映画だろうがためらうことなくじゃんじゃん観ますけども、やっぱりサンタクロースの衣装は 赤 がいい!
モノクロ映画を1本カラーライズ化するのに一体どれだけの費用と時間と労力がかかることでしょうよ。サンタクロースの衣装を赤くしてくれたどこかの誰かさん、おありがとうございます!
絶対子供に観せたい名画、【三十四丁目の奇蹟(1947)】です。
映画【三十四丁目の奇蹟(1947)】のあらすじザックリ
その迫力満点のおヒゲはもしかして…?
多くの人で賑わう老舗百貨店“メイシーズ”のクリスマスパレード会場。白く長いヒゲをたくわえた1人の老人(エドマンド・グウェン)が、パレードの「サンタ役」の男に向かってプンプンと憤っています。彼が怒っている理由は、これからパレードの目玉として子供達に夢を振りまかなければならないこの男が酒に酔っているから。
それも「ほろ酔い」なんて可愛いもんじゃなく、「ぐでんぐでん」。
現場責任者であるシングルマザーのドリス・ウォーカー(モーリン・オハラ)は酔いつぶれた飲酒サンタを即解雇。すぐさま見た目がサンタクロースそのものであるこのヒゲの老人に代役をお願いします。
老人は「子供達のためになるのなら」と快く代役を引き受けてくれました。
しかしドリスは老人がサンタクロースの別名である“クリス・クリングル”と名乗ったことに一抹の不安を覚えます。
とは言え、まるで本物のサンタクロースのように「サンタ役」の仕事をこなすクリスはメイシーズにとって手放し難い稀な人材。
パレード後も引き続きメイシーズに雇われたクリスは、サンタクロースのイメージそのものの外見と子供達への優しい接し方や正直な営業トーク(あっちの店の方が安いで~など)で一躍人気者になって行きます。
超現実主義の母子ドリスとスーザン
子供達みんながクリスは本物のサンタクロースだと信じて疑わない中、過去のつらい経験から超現実主義者となっているドリスと、そのドリスにしこたま現実的な思想を植え付けられた娘のスーザン(ナタリー・ウッド)だけは「ただの老人でしょ」と言ってクリスが本物だと信じようとはしませんでした。
リアリストのドリスのせいで頭は良いんでしょうけど子供らしさの欠片もない小生意気な少女に成長してしまったスーザンに同情。
スーザンを演じたナタリー・ウッドの顔面の造形は幼い頃からすでに美しいけど、「サンタさんがプレゼントくれないよ!」って脅せばビビッて半泣きになるウチの子の方が可愛げがあるわ。
自分を全く信じないドリスとスーザンに特別な感情を持つようになったクリスは、スーザンに約束します。
一方で、良い人なのは分かっているものの自分が本物のサンタクロースだと言ってはばからないクリスをどう扱えばいいものか分からず内心ヤキモキしているドリスは、医師のソーヤー(ポーター・ホール)に精神鑑定を依頼してみることにします。
ところが自分の家庭不和を指摘されたことでクリスを逆恨みしたソーヤーは、「この老人は頭がイカれてる要注意人物!」と嘘の診断を下します。それだけならまだしも、前途ある正直な少年にまで「君は異常やから毎日セラピーに通いなさい」という診断を行っていました。もちろん少年は正常。
ソーヤーのエセ医者ぶりを知って怒ったクリスは、ソーヤーの頭を杖で小突いて逃走!!(「小突いた」だけ。こぶできてるけど)
ますますソーヤーの逆恨みを買ってしまったクリスは、「頭がおかしいのか正常なのか」を争う審問にかけられることになってしまいます。
「サンタクロース」を裁判にかけるですと?
クリスの弁護人はドリスに想いを寄せる隣人のフレッド・ゲーリー(ジョン・ペイン)。
クリスとフレッドは判事もマスコミも世論も(心の底では検事ですらも)味方につけますが、現実問題として裁判所で正式に「このクリス・クリングルと名乗る老人はサンタクロースである!」と証明することができなければ“イカれた老人”の汚名を返上することは不可能なのでした。
ここら辺であなたも一度考えてみてください、「どうやったら“法的に”クリスをサンタクロースだと証明できるか」って。
思いつかないでしょ?
すごいんですから【三十四丁目の奇蹟(1947)】の奇蹟は、本当に。
「奇跡」?起こせるよそんなもん、サンタ舐めんな
審問の最終日は奇しくも12月24日クリスマス・イヴ。開廷前に係員がフレッドに何かを伝えています。
そして開廷。
判事がフレッドに問いかけます。
はい。
郵政省は合衆国政府の機関です。その郵政省からこの裁判所にいるクリスさん宛に手紙が届いています。
これは合衆国が正式にクリスさんがサンタクロースであると認めたことになります。
そう言ってフレッドは、裁判所に届いた子供達からクリスへの3通の手紙を判事に差し出しました。
いいんですか?
…では。
フレッドの合図で係員が持ってきたのは子供達からクリスへの励ましの手紙の山。
その数なんと 5万通!
5万通ですよ5万通!
そして子供達の想いが詰まった手紙の山を目の当たりにしたクリスの嬉しそうなことよ!
5万通の奇蹟の手紙は正式に「クリスがサンタクロースである証拠」として認められ、同時にクリスは正常であることが証明されたのでした。
自身の潔白(?)を証明し、クリスの残る使命はスーザンとの約束を果たすのみ。スーザンがサンタクロースを信じ続けたことで、またしても起こる奇蹟。
これにはドリスに向かって「ホントにクリスがサンタかどうかはさておき、僕は困っている老人を救った敏腕弁護士だよ~」とおどけて見せていたフレッドも思わずうなるしかなかったようです。
…いや…。
あるいは僕の手柄ではないのかも…。
ちゃうよ。
あなたを含めた「みんなの信じる心」が奇蹟を起こしたんやて。
映画【三十四丁目の奇蹟(1947)】の感想一言
“魔法”では片付けられない、嘘のようなホントの「人為的な」奇蹟って最高!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。