1965年/アメリカ・イタリア/監督:デヴィッド・リーン/出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティー、ジェラルディン・チャップリン、アレック・ギネス、ロッド・スタイガー、トム・コートネイ、ショブハン・マッケンナ、ラルフ・リチャードソン/第38回アカデミー脚色・作曲・美術(カラー)・撮影(カラー)・衣裳デザイン(カラー)賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

洋画大好きのみなさんこんにちは。
南北戦争といえば【風と共に去りぬ】、ロシア革命といえば【ドクトル・ジバゴ】ですよね。
1939年/アメリカ/監督:ヴィクター・フレミング/出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、レスリー・ハワード、オリヴィア・デ・ハヴィランド、トーマス・ミッチェル、ハティ・マクダニエル/第12回アカデミー作品・監督・主演女優・[…]
寒い寒いロシアの激動の時代を描いた美しく壮大な名画ですけども、長いんですわ。
上映時間なんと197分。
ご丁寧な特典映像を含めるとDVD3枚分にもなります(片面DVD1枚、両面DVD1枚)。
インターミッション入ってますけど映画館で観てたらお尻が痛くなっちゃうね。
映画【ドクトル・ジバゴ】のあらすじザックリ
ロシア革命に翻弄された医師ユーリ・ジバゴ
幼くして母親を亡くしたユーリ・ジバゴ(オマー・シャリフ)は、母親の友人夫婦に引き取られます。
「腹違い」の兄エフグラフ(アレック・ギネス)がいますので、どうやらユーリは私生児っぽい。出生について多くは語られませんが、母親が大事にしていたバラライカだけをユーリに譲り、他の遺産をすべて持ってっちゃうような人が父親です。
しかし幸運にもユーリが引き取られた家庭は裕福で、立派な住まいも教育も与えてもらえます。夫婦の娘のトーニャ(ジェラルディン・チャップリン)と愛し合うようにもなり、お嫁さんまでくっついてくるというオマケつき。
ちなみにトーニャを演じたジェラルディン・チャップリンは、“世界三大喜劇王”のひとり、チャールズ・チャップリンの娘っ子です。
1931年/アメリカ/監督:チャールズ・チャップリン/出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイヤーズ、アラン・ガルシア注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好き[…]
第一次世界大戦からロシア革命へ
革命前、まだ学生だったユーリは、まるで貴族のような暮らしをしています。
大通りに面した大きな屋敷に住んで、豪華なパーティに出かけ、著名な人々と挨拶を交わす。貰われっ子のユーリですらこんな待遇だってんだから、一人娘のトーニャのお嬢様っぷりったらもうあっぱれ。
なにしろヨーロッパ留学から戻った時はこんな格好でしたからね。

ドっピンク。
まるで林家パー子師匠かチンドン屋。パリかぶれですよパリかぶれ。
しかし第一次世界大戦とロシア革命が起こったことで彼らのみならず国民の生活は一変します。
第一次世界大戦時、ユーリは医師として従軍しますが、戦地での描写より除隊して自宅に戻ってきた時の有様の方が酷い。

屋敷の中には見ず知らずの人々がごった返していて、お役人みたいな人が平然と「みんな平等に居住区を分配しまーす」て言ってる。ユーリの家の調度品を「贅沢は敵よ~!」とか言いながら勝手に持ち去る人もいる。
信じられます?
学校とか役所とか公共の施設を住居として民衆に分配するなら分かりますけど、個人の家まで勝手に振り分けちゃうんですよ?
庶民の革命なんで金持ちは敵なんでしょうけど、これじゃただの窃盗じゃん。完全に終末状態。
金持ちじゃなくて良かった。
ラーラとの愛の物語だけど要するに不倫劇場
混沌としたロシア革命を描く一方で、美しいラーラ(ジュリー・クリスティ)とユーリの愛の物語も描かれます。

ラーラはある意味では主人公のユーリよりもドラマティックな人生を歩んでる。
仕立て屋を営む母親の相談役兼恋人の弁護士ビクター・コワロフスキー(ロッド・スタイガー)と17歳で肉体関係持っちゃうし、夫のパーシャ(トム・コートネイ)はのちに“ストレルニコフ”と名を変えて赤衛軍を指揮するほどの大物になっちゃうし。

さらにユーリの腹違いの兄エフグラフにも想いを寄せられる。

どんなけやねん。
医師として従軍していた時、妻子ある身でありながら看護婦としてサポートしてくれたラーラにすっかりのぼせあがってしまうユーリ。
最初は「奥様を裏切るようなことはできない」と常識的なことを言ってユーリを拒んでいたラーラも、数年後に再会した時には情熱を抑えきれずメイクラブですわ。

デヴィッド・リーン監督らしいとても情景が美しい映画であるのに、このシーンだけお昼のメロドラマみたいで逆に好き。
クライマックスでラーラが不倫する人の常套句、「もっと早くに出会いたかった」を言ってしまいますけど、まあ結局そういうことです。
余りの寒さに空気が凛と引き締まり、キラキラ輝くダイヤモンドダストに彩られた美しい映画ですが、とどのつまりは不倫劇場です。
純愛?
いやそうかも知らんけど。
どう言い方を変えたところで結局は不倫劇場です。

パリに追放されたトーニャ達家族はほったらかしか~い。
実話じゃなくて原作はノーベル文学賞受賞の小説
すんごい実話っぽいけどフィクションで、原作はロシアの作家ボリス・パステルナークによる同名小説。
棺に入れられ土をかけられる死んだユーリの母親が一瞬映し出されたり、どこまでも続く雪原を汽車が静かに走りぬけたり、窓の霜を見つめていたら一面黄色の花畑に変わったり、詩的な映像が素晴らしい映画です。

数十年もの年月を同じ役者が演じているのに違和感が少ないのもすごい。
いや、死の直前のユーリだけはちょっと髪の毛ふさふさし過ぎかも?オマー・シャリフって髪の毛多いよね。
映画【ドクトル・ジバゴ】の感想一言

ロシアでの戦闘って、他の国での戦闘より過酷な気がする…。
だってただ立ってるだけでもめっちゃサブいでしょ?
通常の装備プラス防寒具(コートとかブーツとか)がめっちゃ重いでしょ?
暖房もホッカイロもないんでしょ?
まず第一段階として「寒さと重さを乗り越えた上で」戦闘に臨まなければならないなんて…過酷よやっぱり…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。

















