1942年/アメリカ/監督:サム・ウッド/出演:ゲイリー・クーパー、テレサ・ライト、ウォルター・ブレナン、ベーブ・ルース、ダン・デュリエ/第15回アカデミー編集賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
全然野球に詳しくない私は、メジャーリーグの球団の名前くらいは知ってますけど、選手の名前となるとベーブ・ルースとジョー・ディマジオとジョー・ジャクソンくらいしか知りません。
ジョー・ジャクソンなんか【フィールド・オブ・ドリームス】が好きだから知ってるだけだし。
この映画の主人公のルー・ゲーリックも例にもれず、どこの球団に所属しててどんな偉業を成した人なのかさっぱり分かっていませんでした。
そして映画を観た結果、やっぱりどんな人なのかよく分かりません。
【打撃王】です。
【打撃王】のあらすじザックリ
アメリカでは有名すぎる英雄ルー・ゲーリック
とにかくすごい人だったんです、ルー・ゲーリック。
知らない人のためにザックリご紹介。
ゲーリッグは毎日プレーを厭わないその頑丈さから鉄の馬(Iron Horse)と呼ばれ、1925年から1939年の14年間に渡り、当時の世界記録となる2130試合連続出場を果たした。
(中略)
17年間で2000近い打点を挙げ、生涯打率は.340(歴代17位)。通算の長打率とOPSは歴代3位、出塁率でも歴代5位の.447と、打席に立てばほぼ2回に1回は塁に出た。オールスターに7回選ばれ(オールスターは1933年が初開催)、1927年と1936年にはアメリカンリーグMVPを受賞、1934年には三冠王を獲得している。
1939年に当時史上最年少で殿堂入りを果たし、MLB史上初めて自身の背番号「4」が永久欠番に指定された選手にもなった。
出典:Wikipedia
まず一番の偉業は2130試合連続出場したということ。
期間にすると約17年。
もうサイボーグ疑惑。
強打者の人ってよく手首とか故障したりしてますやん?引退間近のルー・ゲーリックも17もの骨折箇所があったんですって。それでも試合は欠場しなかった。
打率も半端ない上に「歴代最高の一塁手」とも呼ばれたりして、攻めて良し守って良し、三冠王まで獲ってます。
ルー・ゲーリックはすごい。
すごい選手。
しかし映画はあかん。
全然あかん。
映画【打撃王】におけるルー・ゲーリックの描写について
何があかんかと言いますと、なんとこの映画は、「ルー・ゲーリックの偉業を理解していること」が大前提として描かれています、たぶん。
だってルー(ゲイリー・クーパー)が野球している場面なんてほとんど出てこない。
幼いルーが野球をするたび打球が飛び過ぎて近所の家の窓を割ってた描写なんかは非常に分かりやすかった。
しかし新聞記者のブレイク(ウォルター・ブレナン)に勧められてニューヨーク・ヤンキースに入団してからというもの、ルー・ゲーリックの活躍については新聞に活字が躍るだけで、映像としては全然出てこない。
その癖ルーの一番の理解者である両親との絆や、のちの伴侶となるエレノア(テレサ・ライト)との愛の物語に割かれる尺がやたらに長い。
彼が球場でどんな活躍を見せたかよく分からないまま、突然引退会見へ。
おお~。
とんとん拍子やないの~。
感動的に仕上げてるけどなんだこりゃ~。
完全に戦略ミスだよこの演出
感動的なスポーツドラマだと思ってたのに三流ラブストーリーのようなこの展開は一体…。
実はこれは映画会社の策略だったようです。
単純にルー・ゲーリックの野球人生を追ってしまうとコアな野球ファンからの支持しか得られずその他のあらゆる層の観客が共感できないであろうという配慮から、「野球以外」のエピソードにワザと重点を置いています。
いやいや、絶対逆効果ですやん。
大体「あらゆる層の観客が共感できるように」って言ったって、スーパースターの偉業に触れず私生活に迫るっておかしいでしょ。
誰が長嶋茂雄や王貞治の私生活知りたいねん。
いや知りたい人もおるでしょうが、なんやったらそっちの方が共感でけへん。
大衆が知りたいのはむしろ球界での活躍でしょうよ。
そこに焦点絞った方がヒットしたと思うんですけどねえ?
ヤンキースの先輩ベーブ・ルースは本人
ちなみにヤンキースの先輩のベーブ・ルースは本人が演じています。(向かって一番右)
残念ながらベーブ・ルースがプレイしている場面すらほとんどございません。
映画【打撃王】の感想一言
ゲイリー・クーパー好きなんですけど、野球のユニフォームが死ぬほど似合わないことにも気付いてしまったしねえ…。
しかもスイングもちょっと運動音痴っぽい…。
ダメだなこの映画。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。