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【アーティスト】映画レビュー:玄人好みのオスカー受賞作

ラブストーリー
 20秒で読める概要とあらすじ

2011年/フランス/監督:ミシェル・アザナヴィシウス/出演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、ジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェル、ミッシー・パイル/第84回アカデミー賞作品・監督・主演男優・作曲・衣裳デザイン賞受賞

ジョージはハリウッドのサイレント映画の大スター。しかし観客の興味がトーキーへ移る中、頑なにサイレントにこだわったため人気は急落していく。片や一介のエキストラであったペピーはトーキーの隆盛の波に乗り、一気にスターダムへのし上がって行く。

※このブログはネタバレしようがしまいが気にせずただ映画について書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ダンスを踊るジョージとペピー

©The Artist/アーティストより引用

正直、よくこの映画がオスカー受賞したもんやなあ~って感心してしまいました。

映画の舞台がハリウッドとはいえフランス映画ですし、サイレントで白黒映像。近年流行りの「なんやらマンが豪華CGを駆使した派手なアクションで地球を救って、はいお終い」のようなスペクタクル要素も一切ありません。

絶対大衆受けせえへんでしょこれ。

 

とか言って、中年の私なんかは好きな映画です。

ラストでちょっと泣いてしもた上に、ほっこりしちゃって一人だというのに薄ら笑いを浮かべている自分に気付くほど。

ストーリーの単純さはサイレント映画であること以上に極端にセリフを少なくしたことと、CGが当たり前の現代に敢えて白黒映像にしたことによる斬新さによって解消されています。

映像も白黒クラシック映画をしょっちゅう鑑賞している私でも違和感が全くない見事な出来栄え。「白黒映画を再現する」ことに相当こだわったであろうことが窺えます。

 

他では真似できない唯一無二の作品。

【アーティスト】です。

 

 

1920年代、ハリウッドの技術革新期

役者が大袈裟な身振り手振りをしながら口をパクパクと動かした後、字幕がスクリーンに映し出されるサイレント映画が主流だった1920代。

録音技術が発達し観客がより娯楽性の高い映画を求める中、時代の波に乗っかろうとしなかったハリウッドスターが一人…。

 

サイレント映画の大スター、ジョージ

サイレント映画隆盛期の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は映画製作会社の社長(ジョン・グッドマン)と一緒に、初めて音声が流れる映像を視聴します。

ハリウッド大スター、ジョージ

©The Artist/アーティストより引用

社長を始め業界人達はこぞってトーキーに映画界の未来を見出して行くというのに、ジョージだけは

ジョージ
はっはっは!なんやこれ!!

こんなもん絶対ウケへんって!俺のファンは俺の声なんて求めてへんから!

と笑い飛ばして頑なにサイレント映画にこだわり続けます。

 

スターを目指すエキストラ、ペピー

同じ頃、ジョージの映画にエキストラとして参加したのが無名の女優ペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)。キュートで健康的で明るくてホントかわいい女性。

 

妻のあるジョージに憧れとも愛ともつかない感情を抱くペピー。

ほんの些細ないたずら心で、誰もいない控室にかけてあるジョージの上着に腕を通し、愛おしそうに自分自身を抱きしめる姿は、ロマンチック過ぎてため息出ちゃう。

ジョージの上着を抱きしめるペピー

©The Artist/アーティストより引用

ジョージ
売れるためには『個性』も必要やで

ジョージにそう助言され口元につけぼくろを描いてもらったペピーはメキメキと頭角を現し、トーキーの波も上手に味方につけ、あっという間にスターダムにのし上がります。

 

男の意地とプライドが邪魔をする

大衆なんていっぺんそっぽ向いちゃうと薄情なもんで、トーキー人気が過熱しサイレント映画が淘汰されて行く混乱のさなか、ジョージはあれよあれよとスターの座から転落していきます。

転落人生ジョージ

©The Artist/アーティストより引用

嫁はんにも出ていかれ、自宅で火事を起こし、家財道具もオークションに出さなければならないほどに生活が困窮してしまうジョージ。

今や彼と成り代わるようにして「大スター」となったペピーが手を差し伸べ、ジョージのために共演映画の台本を手配しますが、こんな状況になっても頑としてジョージはトーキーを演じようとしません。

ん~… 男のプライドってややこしい!!

 

 

「サイレント」「トーキー」を超えたさらに大胆な発想

いやいやちゃうちゃう。ジョージのことを簡単に「時代の遺物の頑固ジジイ」とは見做しちゃったらあきませんよね。何をするにしたって「はい今日からこっち!」って言われても、昔のやり方なんて中々変えられないし、変えるのには勇気も要るもんね。

以前のやり方で大成した人物であればなおさら…。

サイレントからトーキーへの転換期に、実際にこんな役者さんが何人もおったんかなあ~なんて考えながらしみじみと観てしまいます。

 

しかし諦めることを知らないペピーがなんと、ジョージのプライドを傷つけることなく、彼を再び銀幕に返り咲かせる画期的なアイデアを閃いてくれます!

 

朱縫shuhou
もしかしてこの映画…

ラストでジョージかペピーが重要なセリフを言って終わるんちゃうん…?

中盤くらいからそんな風に考えていた私の予想は 綺麗さっぱり外れました!

 

 

映画のラストで、

耳を澄ませば静かに聞こえてくるのは「セリフ」ではないんです。

 

【アーティスト】で最初に聞こえてくるジョージから発せられる音声はなんと…

ミュージカル映画で人気復活!

©The Artist/アーティストより引用

ジョージ
はあ…はあ…はあ…はあ…

 

「息遣い」。

 

全然重要なことなんてしゃべりません。

ただ踊って疲れて息切れしてるだけ。

 

それなのにすごい感動が押し寄せたんだけどこりゃ何ですかね?

冒頭でも書いたように、「ちょっと泣いてまう」くらいの、感動。

 

ただ踊って疲れて息切れしてるだけのジョージの声(「声」でもないし)が聞こえたことに、こんなに感動できるなんて。

 

いや~。ホント、ええ映画でした。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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