【紳士協定】グレゴリー・ペック

【紳士協定】あらすじ感想。エリア・カザンがユダヤ人差別を斬る

【紳士協定】グレゴリー・ペック

1947年/アメリカ/監督:エリア・カザン/出演:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールド、アン・リヴィア/第20回アカデミー作品・監督・助演女優賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【紳士協定】グレゴリー・ペック
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

【波止場】【欲望という名の電車】【エデンの東】など数々の名作を生みだしたエリア・カザン監督が、ユダヤ人排斥の事実を初めて銀幕で表現した名画、【紳士協定】です。

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グレゴリー・ペックのが演じた主人公フィル・グリーンが【アラバマ物語】のアティカス・フィンチとちょっと被ってるやん!て思いながら観てたけど実は、【アラバマ物語】の方が15年も後の作品でした!

朱縫shuhou

こっちが本家(?)やったんや!

私は【アラバマ物語】を先に観ていました。

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グレゴリー・ペック

 

どちらにせよ規律正しい生徒会長風の雰囲気を醸し出すグレゴリー・ペックは、こういった正義感溢れる紳士の役がしっくりきます。

 

紳士協定

① 法的な拘束力を持たない、非公式の国際協定。紳士協約。
② 互いに相手を信頼して取り決める約束。私的の秘密協定。紳士協約。

出典:日本国語大辞典

 

 

映画【紳士協定】のあらすじザックリ

人気ライターのフィル・グリーンは、有名週刊誌の編集長から反ユダヤ主義についての連載の依頼を受ける。ありきたりの記事は必要ないと言われたフィルは、引っ越したばかりのニューヨークではまだ誰も自分の事を知らないことを利用して、「自分はユダヤ人だ」と偽り差別の実態を探るというアングルで記事を書く。

 

 

人気ライターにきた連載の依頼

妻に先立たれたシングルファーザーで人気ライターのフィル・グリーン(グレゴリー・ペック)は、仕事の依頼で母親(アン・リヴィア)と息子と共にニューヨークに引っ越してきたばかり。

【紳士協定】グレゴリー・ペック
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

依頼をくれたのは有名週刊誌編集長で、依頼された記事の内容は『反ユダヤ主義』について」

長く議論されているユダヤ人問題について、体裁だけを整えた記事はそこら中に溢れてる。誰にも書けない記事を模索するフィルは、締め切り前の漫画家みたいに追い詰められていきます。

 

苦心の末にひらめいた「アングル」

どうしても良質な記事を書く糸口が見つからないフィルがこの依頼を断らざるを得ないと思うようになった頃、母親が心臓発作で倒れます。

【紳士協定】グレゴリー・ペックとアン・リヴィア
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

幸いにも発作はすぐに治まりましたが、このことでいよいよ消耗したフィルはベッドに横たわる母親に語りかけます。

フィル

母さん。

僕今回の仕事は断ろうと思うねん。

 

母さんが苦しんでても僕には母さんの気持ちは分からんかった。

所詮病人の気持ちは病人にしか分からへん。

 

放浪者の記事を書いた時は実際に放浪者になってみた。

炭鉱労働者の記事を書いた時は実際に炭鉱で働いてみた。

 

でも今回は無理や。

だって僕はユダヤ人ではないから。

 

ホンマの意味で真に迫った記事を書くことなんかできひん。

フィル

……。

 

待てよ…?

ユダヤ人になったらええんか!

今このニューヨークで僕の事を知ってるのは編集長たち数人だけや!

今から出会う人みんなに「僕はユダヤ人です」って言うて回ったらええんや!

【紳士協定】グレゴリー・ペックとアン・リヴィア
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

紆余曲折を経て、フィルは自分で差別を体感し記事にすることを思いつくのです。

 

正真正銘のユダヤ人にしてみれば

ユダヤ人の旧友デイヴ(ジョン・ガーフィールド)に、引越し先で自分はユダヤ人だと偽っていることを明かすフィル。

フィルの顔をまじまじと見つめたまま固まってしまうデイヴ。

【紳士協定】ジョン・ガーフィールド
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用
デイヴ

なんちゅうアホな事を…。

侮辱された経験なんかないやろう。一生の体験を数週間でするぞ。しかもそれが毎日や。

毎日受ける差別は同じでも重複して傷つくねんぞ?

ユダヤ人であるだけで日常的に数々の差別を受けてきたデイヴにとってはアホの所業としか思えないアングルで、フィルは順調に取材を進めていきます。

 

 

攻撃することだけが差別ではない

フィル

僕ユダヤ人です!

高らかに名乗りを上げた瞬間、あからさまに変化する周囲の自分への態度に憤りを感じるフィル。

彼は次第に、差別の根底には「反ユダヤ主義」を掲げる事ではなく無関心を貫く事こそが横たわっていることに気付きます。

【紳士協定】グレゴリー・ペック
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

フィルは編集長の姪のキャシー(ドロシー・マクガイア)との新婚旅行のために高級ホテルを予約しますが、ユダヤ人であると名乗った途端にホテルの支配人の態度は豹変、「満室です」の一点張りで門前払いをくらいます。

でもユダヤ人差別に関する本質的な問題はこの支配人の態度ではなく、フィルと支配人のやりとりの一部始終を見て見ぬふりして傍観決め込む周りの人々にあるわけですね。

「非開放」であることを知らずにホテルの予約を取ったキャシーですら「ユダヤ人は高級ホテルには泊まれない『紳士協定』があるから無理よ」と諦めモード。こういう態度こそが差別を助長し蔓延させているのです。

参考 「非開放」=ここではユダヤ人は利用できない施設のこと。

怒りの余り拳を振り下ろさんばかりのフィル。

チラチラとこちらをうかがうだけの傍観者。

シンボライズなこの場面では、両者の温度差がこれ以上ないくらい分かり易く描かれています。

 

エリア・カザン監督が【紳士協定】を通じてどれほどユダヤ人差別について問題提起したかったのかが見て取れますよね。

 

 

映画【紳士協定】の感想と鑑賞後の心配事

【紳士協定】グレゴリー・ペック
©Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用
朱縫shuhou

フィルは「8ヶ月間私はユダヤ人だった」というセンセーショナルな記事を書き、「反ユダヤ主義」についての企画は大成功を収めます。

発刊後、「フィルは取材のためにユダヤ人になりすましていた」と理解した人々とフィルは改めて差別のない人間関係を築いていくわけですが、ただひとつ気がかりな点があるんです。

 

それは、息子のトミーがユダヤ人だという理由で仲間外れにされて泣いていたこと。

 

「実は俺ユダヤ人ちゃうねーん」って言ったところで、大人は理解してくれても子供はそうはいきませんよね…。

トミー大丈夫やったかなあ…。

強く生きるんやで!

 

>> 翌年(第21回)のアカデミー最優秀作品賞はこれ!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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