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【紳士協定】あらすじと感想。エリア・カザンの人種差別を扱った名画

クラシック

1947年/アメリカ/監督:エリア・カザン/出演:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールド、アン・リヴィア、第20回アカデミー作品・監督・助演女優賞受賞

注※このブログは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【波止場】【欲望という名の電車】【エデンの東】など数々の名作を生みだしたエリア・カザン監督が、ユダヤ人排斥の事実を初めて銀幕で表現した名画、【紳士協定】です。

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主演のグレゴリー・ペックの正義のキャラクターが【アラバマ物語】のアティカス・フィンチとちょっと被ってるやん!て思いながら観てたけど実は、【アラバマ物語】の方が15年も後の作品でした!

こっちが本家やったんかあ~っ!

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どっちにしろグレゴリー・ペックの醸し出す雰囲気はこういった正義感溢れる紳士の役がしっくりきます。

紳士協定(しんしきょうてい)とは、いわゆる不文律(暗黙の了解)の1つで、国家や団体、および個人間における取り決めのうち、公式の手続きや文書によらず、互いに相手が約束を履行することを信用して結ぶものをいう。

出典:Wikipedia

 

 

映画【紳士協定】のあらすじザックリ

人気ライターのフィル・グリーンは、有名週刊誌の編集長から反ユダヤ主義についての連載の依頼を受ける。ありきたりの記事は必要ないと言われたフィルは、引っ越したばかりで誰も自分の事を知らないニューヨークで自分はユダヤ人だと偽り差別の実態を探るというアングルで記事を書く。

 

 

人気ライターにきた連載の依頼

妻に先立たれたシングルファーザーで人気ライターのフィル・グリーン(グレゴリー・ペック)は、仕事の依頼で母親と息子と共にニューヨークに引っ越してきたばかり。

依頼をくれたのは有名週刊誌編集長で、依頼された記事の内容は「反ユダヤ主義」について。

 

長く議論されているユダヤ人問題について体裁だけを整えた記事はそこら中に溢れてる…誰にも書けない記事を模索するフィルは、締め切り前の漫画家みたいに追い詰められていきます。

ニューヨークを散歩するフィルとトミー

🄫Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

 

苦心の末にひらめいた「アングル」

どうしても良質な記事を書く糸口が見つからないフィルがこの依頼を断らざるを得ないと思うようになった時、母親が心臓の発作で倒れます。

幸いにも発作はすぐに治まりましたが、このことでいよいよ消耗したフィルはベッドに横になる母親に語りかけます。

 

誰ぞ
フィル

母さん。

僕今回の仕事は断ろうと思うねん。

母さんが苦しんでても僕には母さんの気持ちは分からんかった。

所詮病人の気持ちは病人にしか分からへん。

 

放浪者の記事を書いた時は実際に放浪者になってみた。

炭鉱労働者の記事を書いた時は実際に炭鉱で働いてみた。

 

でも今回は無理や。

だって僕はユダヤ人ではないから。

 

ホンマの意味で真に迫った記事を書くことはできひん…。

 

誰ぞ
フィル

……

 

待てよ…

ユダヤ人になったらええんか!

今このニューヨークで僕の事を知ってるのは編集長たち数人だけや!

今から出会う人みんなに「僕はユダヤ人です」って言うていったらええんや!

紆余曲折を経て、フィルは自分で差別を体感し記事にすることを思いつくのです。

 

正真正銘のユダヤ人にしてみれば

ユダヤ人の旧友デイヴ(ジョン・ガーフィールド)に、引越し先では周囲にユダヤ人だと偽っていることを言うと、デイヴはしばらく動きが止まったあとフィルの顔をマジマジと見つめて言います。

デイヴ「なんちゅうアホなことを…」

🄫Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

誰ぞ
デイヴ

なんちゅうアホな事を…

侮辱された経験なんかないやろう。一生の体験を数週間でするぞ。しかもそれが毎日や。

毎日受ける差別は同じでも重複して傷つくねん。

ユダヤ人であるだけで日常的に数々の差別を受けてきたデイヴにとってはアホの所業としか思えないアングルで、フィルは順調に取材を進めていきます。

 

 

攻撃することだけが差別ではない

「僕ユダヤ人です」と高らかに名乗りを上げた瞬間から、あからさまに変化する周囲の自分への態度に憤りを感じるフィル。

彼は次第に差別の根底には「反ユダヤ主義」を掲げる事ではなく無関心を貫く事こそが横たわっていることに気付きます。

反ユダヤ主義についてキャシーと口論するフィル

🄫Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

フィルは編集長の姪のキャシー(ドロシー・マクガイア)との新婚旅行のために高級ホテルを予約しますが、ユダヤ人であると名乗った途端にホテルの支配人の態度は豹変、「満室です」の一点張りで門前払いをくらいます。

でもユダヤ人差別に関する本質的な問題はこの支配人の態度ではなく、フィルと支配人のやりとりの一部始終を見て見ぬふりして傍観決め込む周りの人々にあるのです。

🄫Gentleman’s Agreement/紳士協定より引用

怒りの余り震えんばかりのフィルと、チラチラと様子を見る傍観者の温度差を、これ以上ないくらい分かり易く表現していることで、エリア・カザン監督が【紳士協定】でどれほどユダヤ人問題について訴えかけたかったのかが見て取れます。

「非開放」であることを知らずに予約を取ったキャシーですら「ユダヤ人は高級ホテルには泊まれない『紳士協定』があるから無理よ」と諦めモード…こういう態度こそが差別を助長し蔓延させているのです。

参考 「非開放」=ここではユダヤ人は利用できない施設のこと。

 

鑑賞後の心配事

フィルは「8ヶ月間私はユダヤ人だった」というセンセーショナルな記事を書き、「反ユダヤ主義」についての企画は大成功を収め、発刊後「フィルはユダヤ人だ」と思っていた人達も「フィルは取材のためにユダヤ人になりすましていた」と理解し元の対応に戻るわけですが、ただひとつ気がかりな点が…。

 

息子のトミーがユダヤ人だという理由で友達から仲間外れにされて泣いていたことです。

 

「実は俺ユダヤ人ちゃうねーん」って言って、大人は理解してくれても子供はそうはいきませんよね…。

トミー大丈夫やったんかなあ~…。

強く生きて欲しいです。

 

 

映画【紳士協定】の感想一言

朱縫shuhou
朱縫shuhou

こうして差別に立ち向かう人が馬鹿をみて、見て見ぬフリをする人が事無きを得る世の中が変わっていくといいんですけど…。

私だって、絶対後者だわ…。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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