1941年/アメリカ/監督:ハワード・ホークス/出演:ゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、ジョーン・レスリー、ジョージ・トビアス、ロバート・ポーターフィールド、ノア・ビリー・Jr、マーガレット・ワイチャリー/第14回アカデミー主演男優・編集賞受賞
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【ベン・ハー(1959)】とか【わが命つきるとも】とか、キリスト教の信仰って時折日本人には理解できないものがあったりしますよね?
「そんなにもか!」ってね。
1959年/アメリカ/監督:ウィリアム・ワイラー/出演:チャールトン・ヘストン、スティーブン・ボイド、ジャック・ホーキンス、ハイヤ・ハラリート、ヒュー・グリフィス、サム・ジャッフェ、フィンレイ・カリー、キャシー・オドネル/第32回ア[…]
1966年/イギリス/監督:フレッド・ジンネマン/出演:ポール・スコフィールド、スザンナ・ヨーク、ロバート・ショウ、レオ・マッカーン、ウェンディ・ヒラー、オーソン・ウェルズ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ/第39回アカデミー作品・監督・[…]
本日の映画もそんな「信仰が欠かせない物語」のひとつです。
まあアメリカ人日本人関係なく信仰に救われる人はいくらでもいるのでしょうが、この映画では目覚めてから人格変わるまでが早すぎるんでちょっと退く。
テネシー州の貧しい農家の不良少年だったアルヴィン・ヨークがある事件をきっかけに信仰に目覚め、第一次世界大戦で功績を上げて帰郷する伝記映画、【ヨーク軍曹】です。
映画【ヨーク軍曹】のあらすじザックリ
テネシー州の農家の不良息子アルヴィン・ヨーク
テネシー州の農家の息子アルヴィン・ヨーク(ゲイリー・クーパー)は、人々が集まる教会の前で銃を乱射するような不良青年。
酒癖も悪くて酔っ払ってはケンカばっかりしています。

アルヴィンの母親に頼まれたパイル牧師(ウォルター・ブレナン)が説教しても聞き入れようとはしません。

自分なあ、騒動ばっかり起こすから町の人からすっかり嫌われてしまってんで。
ちゃんと生きろよ。

いや、僕、神とか信じてないんで。
さよなら。

アルヴィン、信仰は日の出のようにゆっくりか、稲妻のように一瞬にしてやってくるんやぞ。

はいはい、分かりました~。
ある日アルヴィンは、弟ジョージ(ディッキー・ムーア)とキツネ狩りに出かけた時に出会った近所の娘グレイシー(ジョーン・レスリー)に恋をしてしまいます。

ここでもアルヴィンは、同じくグレイシーに想いを寄せるゼブ(ロバート・ポーターフィールド)をコテンパンに叩きのめしてしまいます。なまじっか腕っぷしが強いものだから余計に手に負えない傍若無人っぷり。
働き者であることは間違いないのですが、気に障ることがあるとすぐに暴力に訴えようとするんです。
こんなバカが一体どうやって伝記映画が作られるほどの偉人へと変貌していったのでしょうか?
雷に打たれて信仰に目覚める
それはもうまさしく、パイル牧師の予言通り。
ゼブに嫌がらせをされたアルヴィンは、嵐の夜、銃を手に取り復讐に出かけます。
するとピンポイントで銃に雷が落ちるんです。
間一髪命は助かったアルヴィンは呆然としたままフラフラと教会へ。

翌日にはすっかり人が変わってしまって、ゼブや嫌がらせをした町の人にも素直に謝罪して回ります。

132人の捕虜をとる大勝利
その後アルヴィンは兵役につきフランスのアルゴンヌの戦いで大勝利をおさめ英雄となるのですが、すっかり敬虔なクリスチャンとなってしまった彼は当然、最初は軍隊に入り殺し合いをすることを拒否します。
しかしまたしても軍の上官に何やら言いくるめられて、自分なりに納得して戦地へ旅立つのでした。

「戦争」と「信仰」を互いに阻害し合うことなく巧みに絡めてあって、アメリカ映画の得意な「自己(自国)肯定感」がたっぷり味わえる作品です。
一応アルヴィン・ヨークの偉業を以下に引用しておきます。
そして1918年10月8日にフランスのアルゴンヌにおける戦闘で、自軍の10倍以上もの勢力があるドイツ軍を相手に戦って大勝利を納めることになる。 この「アルゴンヌの戦い」と呼ばれる戦闘でアルヴィン・ヨーク率いるアメリカ軍の兵士達は、その10倍以上もの規模を誇るドイツ軍相手に勇敢に戦い、25名のドイツ兵を殺害し、132名ものドイツ兵を捕虜にするという奇跡的な大勝利をおさめた。
出典:Wikipedia
映画【ヨーク軍曹】の感想一言
【ヨーク軍曹】が公開されたのはアメリカが第二次世界大戦参戦への準備を始めていた頃だったといいます。
そのような背景もあって第一次世界大戦の英雄アルヴィン・ヨークを描いた本作は当時大ヒットしました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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