【七人の侍】三船敏郎

【七人の侍】あらすじと観た感想。面白過ぎて涙が止まらない傑作

1954年/日本/監督:黒澤明/出演:三船敏郎、志村喬、津島恵子、木村功、加東大介、宮口精二、稲葉義男、千秋実、土屋嘉男

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

与平と仲良しの菊千代
©七人の侍より引用

クソみたいなCG映画なんて今後一切観られなくていいから、黒澤明監督の作品を映画館で観られる時代に生まれたかった。

もちろんリバイバルなんかでなくてね。リアルタイム、初上映で。なんやったら公開日に映画館に行きたいな。さぞかし当時の人々は熱狂したんでしょうねえ。

 

残念ながら私は自宅のTVでしか観たことがありませんが、それでも【七人の侍】を観ると毎回、面白過ぎて涙が出ます。

「面白い」と言ってももちろんゲラゲラ笑うってことじゃないですよ?

もうワクワクしすぎて感情がたかぶりすぎて涙が溢れるんです。身震いみたいなのするしね、終始鳥肌は立ってるし。

映画館なんかで観たら声出して号泣してるんちゃうかな…。

 

スティーヴン・スピルバーグフランシス・フォード・コッポラなど、数々の映画人や各方面に多大な影響を与えた名作。

私が一番印象に残っているのは漫画「キン肉マン」の「七人の宇宙野武士編」

「キン肉マン」七人の宇宙野武士編
©キン肉マンより引用

敵の襲来を知って助っ人(侍)を探しにいく下りまで、そのまんま

 

本日は【七人の侍】における、「涙がでるほど面白いポイント」について書いていこうと思います。

 

 

 

映画【七人の侍】のあらすじザックリ

戦国時代末期のとある農村。百姓達は村を荒らす野武士と戦うため侍を雇うことにする。力を貸してくれる侍を求めて宿場町にやってきた百姓は、凄腕の浪人に野武士退治を頼み込む。浪人は腹いっぱいの米と引き換えに承諾したが、自分も含めて7人は侍が必要だと言う。

 

 

百姓が悲惨というか地獄すぎて涙を通り超して震える

舞台は野武士のぶしが横行している戦国時代末期なんですけども。

「野武士」ってのは主君を持たない武士のことで、山野を根城にして町や農村を襲ったりする、いわば盗賊みたいなもんです。時代の節目にこころざしを棄ててしまった哀れな野良のらざむらいですね。

村を襲おうと相談中の野武士たち
©七人の侍より引用
野武士
この村はこないだ襲ったばっかりやから、また麦が実る頃に強奪に来ようや!ガッハッハ!

とある農村を見下ろすアホの野武士たちは、デカい声で秋に再びやってくることを宣言して去って行きます。

すぐ近くの草むらに村の百姓がいたことも知らずに。

 

秋には野武士(百姓たちは“野伏のぶせり”って呼ぶ)が襲ってくることを知った百姓たちは、“爺様じさま”と呼ばれる長老に相談。

爺様は腹を空かせた腕っぷしの強い侍を探して、白米を腹いっぱい食わせることを条件に村を守ってもらえと言います。

野伏せりがくるから相談中の百姓たち
©七人の侍より引用

早速若い利吉(土屋嘉男)を交えた4人の百姓たちが侍をスカウトするために町へ出かけて行くのですが、この「百姓」の描写が半端ない。

とにかく汚くて惨めで不憫。

毛もボサボサだし、着物はドロドロだし、やせ細って目だけがやたらにギラギラ光って、おまけに猫背でセコセコ歩くもんだから余計に惨めに見える。

侍に声をかけただけで蹴り倒されて、木賃宿の隅で縮こまってる4人の大の男を見ていると、哀れ過ぎて泣けてくるほど。

 

冒頭からこうして、むごたらしいまでに百姓を「弱者」として描くことで、百姓が勝利するラストの感動が何倍にも増幅される効果を生んでいます。

 

 

家から出てきた盗っ人のやられっぷり

雇われてくれる侍もなく、路頭に迷う百姓たちは、子供を人質に取った盗人(東野英次郎)を実にあざやかに成敗してみせた通りすがりの浪人・島田勘兵衛(志村喬)に出会います。

盗人を成敗しにいく勘兵衛
©七人の侍より引用

勘兵衛が盗人をやっつけるこの場面でのキーワードは「埃」「視線」「スローモーション」

盗人の散り様を見ている菊千代
©七人の侍より引用

倒れる寸前の盗人の足元を砂が舞い、観客と役者の視線がシンクロして、ゆっくりと盗人が崩れ落ちる。

ほんの一瞬の出来事だというのに、見ている誰もが釘付けになって身動きできなくなる、盗人の散り様がトレビアン。

「埃」に関しては、黒澤明の敬愛するジョン・フォード監督の西部劇に見られるような「砂塵」の影響を感じます。

 

みんなで勘兵衛を追いかけろ!

盗人を成敗して何食わぬ顔してその場を立ち去る勘兵衛。

「あの人やったら助けてくれる!」と思った百姓たちはもちろんのこと、その他にも何やら2人の侍が勘兵衛の後をついてきます。

勘兵衛のあとを追いかけてくる面々
©七人の侍より引用

1人はええとこのボンボン侍の岡本勝四郎(木村功)。

もう1人は野武士に匹敵するガラの悪さの野良侍(三船敏郎)。

 

対極にあるような2人の侍の気持ちは、実は全く同じもの。

知略も武勇も優れ、弱者を助けても少しもおごらず見返りも求めない勘兵衛に感銘を受け、弟子入りしたいのです。

 

でも勝四郎がきちんと礼儀を持って弟子入りを願い出るのに対して、野良侍は勘兵衛を睨みつけながら周りをウロウロするだけ。かわいいんですよね野良侍のこの所作が。いかついし無礼千万なんだけど憎めない。

ついでに遠巻きに3人のやりとりを眺めている百姓たちもかわいい。

…俺らもその人に頼みたいことがあるんですけど~…。
百姓たち
百姓たち

お先真っ暗過ぎて夢も希望もヘッタクレもなかった百姓たちの未来に、ここでようやく僅かな光が差し込みます。

 

 

なんだかんだで7人揃った時に震える

百姓たちの依頼を一旦は断った勘兵衛が、気持ちを切り替えてやっぱり引き受ける、と言って山盛りの茶碗のご飯を受け取ってくれた時が最高でねえもう、ええ。

この場面ですよこれこれ。

山盛りの茶碗のご飯
©七人の侍より引用
勘兵衛
この飯、おろそかには食わへんど。

涙で見えないんですってホントにもう、有難~いお米がさあ。

 

木賃宿の隅っこで小さくなってる百姓たちを、フル・ショットでさらに小っちゃく映し出し、そんな彼らの正面にデカデカと、輝く白米を配置する。この白米の輝きは、ダイヤモンドにも黄金にも札束にも劣りません。

しかと茶碗を包み込む逞しい腕はまるで、「きっと村を守って見せよう」と力強く約束してくれているようです。

 

7人全員キャラが立ちすぎ

百姓たちによれば、野武士の数はおよそ40騎。それらを相手にするとなると侍が7人は必要だと勘兵衛は言います。

「そんなに集められるかな…」とまた一旦凹まされますが、勘兵衛が主導してくれてからと言うもの、侍探しもなんだか宝探しのようでワクワクしてくるんですよね。

①島田勘兵衛(志村喬)

島田勘兵衛(志村喬)
©七人の侍より引用

現役と言うにはかなり年配の浪人。

もともとはちゃんとまげを結っていましたが、人質をとっている盗人を油断させるため僧侶に化ける時に剃ってしまいます。侍然さむらいぜんとした髷姿よりこの方が良い。本人は髷がないことに違和感があるみたいで、しょっちゅう無意識に坊主頭をさすってる。

 

百姓たちの用心棒を一度買って出たからには、精力的に仲間集めを進めてくれる神。

野武士との戦いのさなかでも決して取り乱さず、常に冷静に陣頭指揮を執ります。不運にも負け戦が続いたことで浪人になってしまったようですけど、正真正銘知将の器。

②片山五郎兵衛(稲葉義男)

勘兵衛の人柄に惚れ込んで最初に仲間になってくれるのが通りすがりの侍・片山五郎兵衛(稲葉義男)。

片山五郎兵衛(稲葉義男)
©七人の侍より引用

いっつもにこにこしているけど下品でもバカでもなく、勘兵衛と同等以上に冷静で洞察力に優れていて、こちらも間違いなく人の上に立つ者の器。

仲間になってからは参謀のような立場で活躍してくれます。

③七郎次(加東大介)

町で運命の出会いを果たした勘兵衛の“古女房”、七郎次(加東大介)。

七郎次(加東大介)
©七人の侍より引用

勘兵衛と一緒に戦ってきましたが、最後の戦で生き別れに。その後物売りとして方々行き歩いていたそうです。

勘兵衛自ら“古女房”と言うだけあって、勘兵衛が指示を出す前に先を読んでサクサク仕事をしてくれます。

現代であれば名秘書になれること間違いなし。

④林田平八(千秋実)

五郎兵衛が見つけてきたのが「剣の腕は“中の下”だけど正直で面白い奴だからつらい戦の時には重宝する」男、林田平八(千秋実)。

林田平八(千秋実)
©七人の侍より引用

菊千代とは違った意味でのお笑い担当的な平八。

初登場から笑ってしまいますよ。この人茶屋で飲み食いしたものの金がないので、お返しに労働(薪割り)をしているんです。悪徳侍だったらそのまま無銭飲食して立ち去ってしまいそうなところを、ご機嫌に薪割りなんかしてるもんだから勘兵衛も惚れ込んでしまいますわね。

私も惚れましたわね。

⑤久蔵(宮口精二)

正統派な剣技の腕前としては恐らく七人の中で最強だと思われるのが久蔵(宮口精二)。

久蔵(宮口精二)
©七人の侍より引用

どこまでも己を高めようとする職人タイプの侍らしい侍。物静かで多くは語りませんが、腕は立つし頭は良いしクソ度胸もあるし、その上勝四郎のロマンスにも気を遣ってみせるなど、色恋に関してもド素人ってワケでもなさそう。

無敵。

⑥岡本勝四郎(木村功)

勘兵衛が用心棒を引き受けた時から傍にいるからてっきり仲間として頭数に入れられているものだと思っていた勝四郎。

ところがいざ村へ出立しようという時、勘兵衛から「勝四郎は子供だから故郷くにへ帰れ」と言い渡されてしまいます。侍に取って主君の命令は絶対(弟子入りを許可されてないとはいえ)。

勝四郎

……っ!

(ちきしょ~ッ!)

ここまで仲間探しに協力してきたのにねえ。そりゃ酷ってもんよ勘兵衛。子供だって言っても男には生まれた時からプライドってもんがあるでしょうよ。

 

しかし勝四郎に恩を感じている利吉たちが彼も一緒に連れて行ってくれるようにと懇願、勘兵衛はしぶしぶこれを受け入れてくれます。

その時の勝四郎の迫真の笑顔がこちら。

勝四郎
先生!(ハート)
岡本勝四郎(木村功)
©七人の侍より引用
朱縫shuhou
朱縫shuhou
ぶっ!

忠犬かお前は。

素直で純真で正義感あふれるんですよね勝四郎は。こういう人ってきっと強くなりますよね。

⑦菊千代(三船敏郎)

「酒に呑まれる」という侍にあるまじき醜態をさらすも腕っぷしだけは尋常ではないという不思議な男。

盗人を成敗した勘兵衛に惚れ込んでから周囲をウロウロしていましたが、今度はちゃんと自分の出自を証明するために家系図を持ってきます。

菊千代

これ見てみいこれ!

これが俺の家系図じゃ!

 

この「菊千代」っちゅうのが俺!

菊千代の家系図をみんなで拝見
©七人の侍より引用

でもその家系図によると「菊千代」は13歳。家系図はすぐにどこかの武家から盗んだことがバレますが、その後もこの男は「菊千代」と呼ばれ続けることになります。

ずっと後で分かる事ですが、この男は実は侍ではなく百姓の生まれで、赤ん坊の時に両親を亡くしているのでそもそも本当の名前なんて分かりません。

朱縫shuhou
朱縫shuhou
いい名前が見つかって良かったね菊千代

 

菊千代(三船敏郎)の野生に悶絶

菊千代は町ではまだ仲間として認めてもらえません。

6人が揃った翌日、一行は村を目指して出立します。でも二日酔いでぶっ倒れて「俺も連れてってくれよ~」なんてブツブツ言ってる菊千代はほったらかし。

 

よっぽど勘兵衛に惚れ込んでいるのか、自分も百姓を助けたいと思ったのか、それでも菊千代はこっそり(?)あとをつけてきます。

 

「あいつ食うもんあるんかな?」という一行の心配をよそに、川を見つけるやふんどし一丁になって素手で魚を捕まえる野生っぷりに悶絶。

無邪気・素朴・イノセンス・天然。こういう人種はある意味で最強。

素手で魚を捕まえる菊千代
©七人の侍より引用

菊千代は村に入ってすぐにも百姓たちの緊張を和らげるのに一役買い、この働きによって彼はようやく「7人目」として認められるのでした。

 

 

菊千代の迫力に圧倒されて涙がにじむ

侍と百姓が一丸となって野武士を討たんと結束を固め始めた時、村にたくさんの鎧や兜や武器が隠されていたことが発覚。

村人たちは“落ち武者狩り”をしてそれらを強奪していたのです。

勘兵衛たちは同じ侍を襲った百姓たちを守ることに疑問を抱き、「…ここの百姓を斬ってやろうかな」とまで言い出します。

 

これにブチギレたのが菊千代様。

ブチ切れる菊千代様
©七人の侍より引用

もうド迫力すぎてTVの前で腰抜かす。

だってカメラに向かって吠えてるもんでさ、「カメラに向かって」ってことは「観客に向かって」ってことで、ホントに菊千代が私に向かって怒りを噴出しているみたいなんだもん。

ごめんなさい。許してください。

 

吠えてる内容も支離滅裂に見えて実に巧妙で論理的。

散々百姓の本性を暴いてボロカスに叩きのめしておいて、全部まとめて丸めてこねくり回して最終的に侍に取って返す。

菊千代の大啖呵のお陰で、またも百姓たちは救われます。

 

 

野の花畑の熱視線に血がたぎる

【七人の侍】といえば豪雨の最終決戦が有名ですが、私は村の裏山の野の花畑での静かな戦いも好きです。

物見ものみ(偵察)にきた3人の野武士を、久蔵と菊千代が木の陰で待ち伏せしてサクッと成敗するこの場面は、近くの花畑からこっそり見ている勝四郎の目線で描かれています。

お花畑からの熱視線
©七人の侍より引用

実戦など体験したことのない勝四郎の緊張や期待と、戦や殺し合いとは縁遠い平和なイメージの野の花畑とのコントラストが、白黒映像にもかかわらず実にサイケデリック。

野武士を待ち受ける菊千代と久蔵
©七人の侍より引用

心臓が飛び出そうかというほどの勝四郎の緊張が伝わる中、沈着な久蔵と豪胆な菊千代が数秒で野武士をいてこます緩急の付け方も素晴らしい。

「緩急」って本当に大事ですよね。

この場面に限らず【七人の侍】は緩急のメリハリに優れているので、3時間を超える長編映画ですがまったく飽きることがありません。

 

若者の恋路も絶妙のスパイスに

「野の花畑」に「勝四郎」と言えば、【七人の侍】には侍の勝四郎と百姓の娘・志乃(津島恵子)の身分を超えたラブロマンスも盛り込まれています。

現代っ子としては「別に侍が百姓の娘を嫁にもらったっていいじゃん」とか思っちゃいますけどね。武家の娘が百姓に嫁入りするのは許されなさそうだけど、その逆は良いような気がしません?なんとなく。

しかし志乃の父親のあわてふためきぶりを見ていると、実際はそんなことあり得なかったのは明らか。

志乃と勝四郎
©七人の侍より引用

ロミオとジュリエットも真っ青まっつぁおの「許されない恋」ですよ。

たった一度でも結ばれて良かったか。いや余計に別れがつらくなってしまったか。

 

ちなみに勝四郎は志乃と一夜を共にした翌日、「勝四郎も昨晩から“男”になったもんなあ!」という少々下品な冗談でみんなに大爆笑されます。

悲恋のはずなのに結構オープンだね~。てか初体験を村人みんなが知ってるって嫌だね~。

 

 

利吉の嫁か!遊女のような雰囲気に息を呑む

「ここでその存在感要る?!」ってちょっとびっくりしたのが、野武士の根城に囚われている利吉の嫁(島崎雪子)。

野武士に囚われた利吉の嫁
©七人の侍より引用

隠れ家に火が放たれたのを見てニヤリと笑う狂女のような不気味さ。ほんの数分しか映らないのにハッとします。

 

 

「種子島」は3丁!豪雨の決戦は号泣

野武士との戦いは長期戦にもつれこみ、最終決戦は豪雨。敵は馬に乗り装備も段違い。なんといっても種子島(火縄銃)を3丁も持っています。

関係ないけど種子島が入ってきて日本の合戦は大きく変わったんでしょうね。日本史の授業で習った気がするけど綺麗さっぱり忘れた。

豪雨での最終決戦
©七人の侍より引用

この豪雨の決戦はホントにやばい。

かっこいいBGMとかキメッキメの演出とか一切ない。

敵も味方もドッロドロ。

村の広場も畑もグッチャグチャ。

ただ野武士と百姓と侍たちが死に物狂いで戦っている。

飛び道具もなく(一応弓があるけど矢が少ししかない)、刀や竹やりだけで馬に乗ってる武装した人間と戦うことの、どれほど過酷であることか。

 

家の中から見守る女たちの気持ち?

一緒に戦っている同志の気持ち?

とにかくこの最終決戦を観ている頃には誰だって百姓や侍たちと一丸となって戦っている気分になってるはず。

自分も寝てない気分になって、自分も戦いに疲れ果てた気分になって、つらすぎて涙がにじむ。

でももう少しで大勝利をおさめることができるかも知れないという高揚感で最後の底力だけはみなぎってくる。

 

「敵はあそこだ!」最強の侍・久蔵

種子島の凶弾に倒れた久蔵の最後も全然カッコよくない。

なりふり構わず最後の力を振り絞って狙撃者のいる方角に刀を投げつけ、無様にぶっ倒れます

黒澤明監督「ちょっとカッコ悪いな。もう一回カッコよく撮り直すわ」

こんなことにならなくて良かった。

このシーン死ぬほどカッコいいんで。(どっちやねん)

 

野武士の頭目を退かせるド迫力の菊千代

菊千代の最期もですよ。

久蔵の指示した方角に一目散に駆けて行き、民家に隠れていた野武士に撃たれ倒れる菊千代。しかしすぐさま気力で立ち上がり、気迫だけで外まで敵を退かせます。

気迫でお頭を追い詰める菊千代
©七人の侍より引用

この場面、菊千代の顔をアップにするとか、スローモーションにするとか、もっとカッコよく撮ろうと思えば撮れたはず。

実際は結構雑な印象の仕上がりなんです。それなのに驚異的にドラマティックに感じられる。

 

菊千代の正面に回って敵の視点で撮れば、なるほど菊千代の気迫はベタに表現できるでしょう。

そうはせず、敢えての横からの第三者の視点でも十二分に見て取れるほどの、「阿修羅のような菊千代の憤怒とそれにおののく敵の恐怖心」ってこれ、おかしくないですか?

絶対おかしいんですよこの久蔵から菊千代の下りは。

全身シビれて動けないんですよマジで。

 

 

映画【七人の侍】の感想

豪雨の決戦から一転、ラストは澄み渡った青空の下、活き活きと畑仕事に精を出す百姓たちの姿で幕を閉じます。

活き活きと仕事をする百姓
©七人の侍より引用

勘兵衛が「この戦いに勝ったのは百姓たちや」って言った時に頭をよぎるのは、落ち武者狩りをしていた百姓を罵る菊千代の怒声。

「陰湿で嘘つきで小狡こずるい卑怯者である百姓」が、彼らをつくり出した「侍」に勝利したことで、武士の時代の終焉を感じさせる味わい深い仕上がりになっております。

 

面白い…。

面白いよう、しくしく…(また泣いてる)

犠牲者の墓
©七人の侍より引用
朱縫shuhou
朱縫shuhou

【七人の侍】は1960年に【荒野の七人】として、2016年に【マグニフィセント・セブン】としてハリウッドでリメイクされています。

 

どちらも【七人の侍】の偉大さが際立つ中々のショボさなので逆におすすめ。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【七人の侍】三船敏郎
更新情報ひたすらつぶやいてます。