1923年/アメリカ/監督:バスター・キートン、ジャック・プリストーン/出演:バスター・キートン、ナタリー・タルマッジ、ジョセフ・キートン、バスター・キートン・Jr、キティ・ブラッドベリ、ジョー・ロバーツ、レオナード・クラハム
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チャールズ・チャップリン、ハロルド・ロイドらと並んで「世界三大喜劇王」の一人に数えられるバスター・キートンの、【滑稽恋愛三代記】(または【キートンの恋愛三代記】)に続く長編映画。監督・脚本・製作・主演として彼が携わった長編映画の二作目になります。
公開時実生活でも夫婦関係にあったバスター・キートンとナタリー・タルマッジの息の合ったアクロバットが最高。
【荒武者キートン】、或いは【キートンの激流危機一髪!】です。
映画【荒武者キートン】のあらすじザックリ
キャンフィールド家に近付いてはいけません
1810年、マッケイ家とキャンフィールド家という、伝統的にいがみ合ってる2つの家族がありました。
キャンフィールド家の壁にデカデカと掲げられている「自分を愛するように隣人を愛せよ」の言葉もなんのその、両家は殺し合いも厭わないほど憎み合い、その憎しみは親から子へ、子から孫へと代々受け継がれてしまうのでした。

しょうもない憎しみの連鎖のために夫のジョン・マッケイ(エドワード・コクソン)を殺されてしまった妻は、1歳の息子ウィリー・マッケイ(バスター・キートン・Jr)を連れてニューヨークで暮らす姉のもとへ身を寄せることにします。
20年後。
妻は死に、成長したウィリー(バスター・キートン)に一通の手紙が届きます。

早速故郷へ帰る準備を始めるウィリー。そしてこの時初めて彼は、伯母からマッケイ家とキャンフィールド家の長年の確執について聞かされます。

こうしてウィリーは1歳まで暮らしたかつてのマッケイ邸へと旅立ちます。
南部の掟「招いたからにはおもてなし」
長距離特急列車(ほぼ馬車)でウィリーの隣の席に座ったのがこの物語のヒロイン、ナタリー・タルマッジ。
美しいお嬢さんなんですよ、華やかでね。画面越しでも良い匂いがしてきそうな。分かるよ?「うわあ~綺麗な女性が乗ってきた!」ってテンション上がっちゃうのも分かる。
分かるけどガッツリ見んな。

列車で過酷な旅をするうち、2人は奇跡的に惹かれ合ってゆきます。
街に着き、彼女の家の夕食に招待されたウィリーは、彼女が実はキャンフィールド家の末っ子であることに気付いてしまいます。

と同時に、彼女の父親と2人の兄も可愛い末っ子の恋人が憎きマッケイの末裔であることに気付いてしまう。
しかし家人が招いた以上はウィリーは「お客様」。彼らはとりあえずウィリーが「家の中」にいる間だけは客としてもてなすことを誓うのでした。
不可能を可能にする男バスター・キートン
キャンフィールドの屋敷にいる限りは安全であることを悟ったウィリーがあの手この手を使って屋敷に留まろうとする様子も笑えますが、やっぱりバスター・キートン作品の醍醐味は屋外での大掛かりなアクションにあります(まあ規模がデカければ屋内でもいいんでしょうけど)。
【荒武者キートン】でウィリーが挑むのは絶壁の崖。さらにその崖の下に待ち受ける巨大な滝。

それにしてもバスター・キートン本人ならまだしもナタリー・タルマッジが激流に飲み込まれた時はもう駄目かと思いましたよ。
だっていくら妻だって言ってもナタリー・タルマッジの身体能力がバスター・キートン並みであるはずはないじゃない。彼女が流される先には落ちれば小舟も粉砕される巨大な滝があるじゃない。さしものバスター・キートンも彼女が滝に飲み込まれる寸前まで手をこまねいて見ているだけじゃない。
一巻の終わりかと思ったのに、まさかのあんな助け方ですよ。
え?どんな助け方だったのかって?
教えません。
ほーら観たくなってきた。
映画【荒武者キートン】の感想一言

1歳のウィリーを演じているのはバスター・キートンとナタリー・タルマッジの実の息子バスター・キートン・ジュニア君です。
母親に甘える無邪気な笑顔や父親が決闘へ行ってしまった時の哀しい表情など、赤ちゃんのクセにすでにかなりの演技派。でも彼は父親と同じ道を歩むことはなかったみたいですね。
ちなみに【荒武者キートン】にはバスター・キートンの実父ジョー・キートンも出演しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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