1990年/フランス/監督:リュック・ベッソン/出演:アンヌ・パリロー、ジャン=ユーグ・アングラード、チェッキー・カリョ、ジャンヌ・モロー、マルク・デュレ、アラン・ラティエール、ジャン・レノ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

最近気づいたことがあります。
うちの両親がね、絵に描いたような亭主関白と内助の功のお二人だったんですよ。
父親は仕事人間で仕事以外はなーんもしなくて、母親は専業主婦じゃなくフルタイムで働いてはいましたけどそれに加えて家事も育児も義理の両親の世話も全部ひとりでやってましたわな。
良くも悪くも、男性は男性らしく、女性は女性らしくあった時代のね?典型的な昭和日本夫婦。
そんな両親を見て育ったものだから、私も「絶対オカンみたいになってオトンみたいな男の人と結婚するねん!」って当たり前のように思いながら生きてきたわけですよ。
でもね、念願かなってオトンみたいな男と付き合ってもどうにもこうにもうまくいかないんです。
大概が派手にケンカして私がブチ切れて別れる羽目になる。
若い頃は「オトンみたいな男と付き合うのって難しいな」って悩んだものです。
そのうまくいかなかった原因に、最近になってようやく気付いたんです。
私めっちゃオトン似なんですよ。
そりゃ彼氏と衝突すんの当たり前でしょ。
亭主関白と亭主関白が付き合ってるんですもん。
自己主張のせめぎあいですよ。
私には例えば本日の映画のマルコ(ジャン=ユーグ・アングラード)のような、かいがいしく世話を焼きいつも笑顔で無償の愛を捧げてくれる母親のような男性が合ってたんじゃねーの?
今さら気付いても遅いわ。どないすんねん。
スパイアクションなんだけどただただマルコの愛に涙する映画、【ニキータ】です。
映画【ニキータ】のあらすじザックリ
リュック・ベッソンが描く「泣き虫の猛獣ニキータ」
【レオン】、【フィフス・エレメント】を手掛けたリュック・ベッソン監督初期の作品。
1994年/フランス・アメリカ/監督:リュック・ベッソン/出演:ジャン・レノ、ゲイリー・オールドマン、ナタリー・ポートマン、ダニー・アイエロ、マイケル・ダバルコ、エレン・グリーン、ジョージ・マーティン、ピーター・アペル、ウィリー・ワ[…]
【レオン】のマチルダ(ナタリー・ポートマン)といい、【フィフス・エレメント】のリールー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)といい、女性を上手に描きますよねリュック・ベッソンは。
もちろん本日の映画【ニキータ】の主演女優アンヌ・パリロー然り。

ちなみにアンヌ・パリローはリュック・ベッソンの最初の妻、ミラ・ジョヴォヴィッチは三番目の妻です。
自身の映画の主演女優に恋しちゃう性分なのか、恋しちゃったから主演女優に推したのか。それは神と本人のみぞ知るところ。
「猛獣」改め有能スパイ誕生
タイトル【ニキータ】は主人公の女性の呼び名です。
本名も家族(ニキータの偽の葬式の時に両親は来てたのかも?)のことも一切描かれず、初出時から完全に薬物中毒の不良娘(19歳らしい)。

しかし身体能力と悪運だけはすさまじく、不良仲間5人でパリの薬局に押し入って警察と銃撃戦になった時も、ニキータはたった独り生き残ります。さらにはその場にいた警察官を3~4人ぶっ殺す。
「じゃじゃ馬」なんてもんじゃない、「猛獣」ですよ「猛獣」。暴れ出したら手が付けられません。
そのニキータの猛獣っぷりに目をつけたのが政府の秘密警察のお偉方。
警察官を殺した罪で終身刑を言い渡されたニキータの前に、秘密警察のボブ(チェッキー・カリョ)という男が現れてこう言います。


これから訓練を受けて秘密警察として政府のために働くか、死刑か
どっちにする?
こうして猛獣ニキータは訓練をみっちり受けたエレガントなスパイへと生まれ変わります。

めっちゃ泣くんですけどね。
ニキータはめっちゃ泣く。
死刑になる!って時に「ママ~!」って泣くのもそうだし、任務のさなか数人の男たちに狙い撃ちにされてる時でも怖くてか悔しくてかよくわかんないけどベソかいちゃう。
とにかく感情の起伏が激しいんですよこの子。
ボブにも「もっと感情を抑えられへんのかドアホ!」って怒られるシーンがあります。
単なる殺戮マシーンじゃなく、かつて猛獣だった有能スパイにもこんな風に女性らしい一面を盛り込むあたりがリュック・ベッソンらしい。
「馬鹿みたいに愛してる」ってこんなの?

私です。

訓練を終えて一人前の秘密警察としてシャバに出てきたニキータは、“マリー”という偽名と“ジョゼフィーヌ”というコードネームを与えられ、指令が下らない限りは普通の生活を許されるようになります。
そして立ち寄ったスーパーでレジ打ちをしていた好青年マルコのお持ち帰りに成功。

そのまま二人は一緒に暮らすようになります。
このマルコがやばい。
バカなんですこの人。
“マリー”はね、当然ながら素性を隠して一介の看護婦として生活しているわけですよ。看護婦の“マリー”と船の設計士になりたいマルコは結婚の約束までするんです。
なのに“マリー”は自分のことを一切話そうとしない。
“マリー”の過去に関する質問は一切NG。
それでもマルコはニキータを愛してるんですって。

なんやったらラストですよ。
尾行したのか盗聴したのか分かりませんけど、実はマルコはニキータの正体を知ってしまっているんです。
それでもマルコはニキータを愛しているんですって。
あんなに手の付けられない猛獣だったニキータの手を握って、「小さい手やな。この手を汚したくない」だって。
独りで身を隠さなきゃならなくなったニキータに向って、「俺もついていくわけにはいかへんのかなあ」ってすがりながら泣くんですよマルコときたら。

「君が何者であろうと愛してる」って、そんな愛あります?
私にはとても真似できない。
こんな男見たこと無い。
あんたバカなの?!(号泣)
映画【レオン】とのつながりは?



嘘やん、出てくるって。
クライマックスでほら、“掃除人”いうて。

いやあれは“掃除人ヴィクトル”や。
レオンちゃうし。

ちゃうねんて!コイツやろ?!
ほれちゃんと見てみいな。

・
・
・
・
・
・
・
・


※掃除人ヴィクトルです。
映画【ニキータ】の感想一言

マルコの愛がまぶしすぎて全然ダメです。
おかしいなあ、若い頃はこんな風に女にこびるような男は嫌いだったはずなのになあ。
これってこびてんじゃなくて愛してんねやん。
めちゃくちゃ愛してんねやん。
マルコの愛の深さに気付くのに何年もかかったわ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。