1999年/アメリカ/監督:フランク・ダラボン/出演:トム・ハンクス、デヴィッド・モース、バリー・ペッパー、ジェフリー・デマン、ダグ・ハッチソン、ジェームズ・クロムウェル、マイケル・クラーク・ダンカン、サム・ロックウェル、マイケル・ジェッター、ゲイリー・シニーズ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

死刑の電気椅子ってただ囚人を座らせて電気を流すだけじゃなくて、剃ってつるつるになった頭の上に濡れたスポンジを置かなきゃならないんですって。
知ってた?
そうすることで弾丸のように一瞬にして電気が体中を駆け巡るんですって。
知ってた?
知ってますよね、本日の映画をご覧になったあなたなら。
【ショーシャンクの空に】と同じくスティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督によるファンタジー映画、【グリーンマイル】です。
映画【グリーンマイル】のあらすじザックリ
タイトル「グリーンマイル」の意味は?
タイトル「グリーンマイル」と言うのは作中でも説明されているとおり、主人公ポール・エッジコム(トム・ハンクス)が看守を務める死刑囚棟の通路を指しています。
通常はただ「通路 」とだけ呼ばれるところ、この建屋の通路はくすんだ緑色であるため「緑の通路 」と呼ばれています。

この死刑囚棟に収監されるのは当然刑の執行を待つ死刑囚のみで、彼らが再びこの「緑の通路 」を踏みしめる時、それは即ち「死」を意味していました。
死刑囚監房看守ポール・エッジコムと死刑囚
ある日この死刑囚棟に、双子の少女の強姦殺害容疑の黒人の大男ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)が運ばれてきます。


ジョン・コーフィです。飲むコーヒーと似てるけど、スペルは違います。

もう遅かった。どうしようもなかったんだ。
何はともあれとにかくデカい(196cm)んで、ポールを始め看守のブルータル(デヴィッド・モース)もディーン(バリー・ペッパー)もハリー(ジェフリー・デマン)も圧倒されはするものの、気弱そうな眼差しで「暗闇が怖いんです…」なんて口にするおよそ凶悪殺人犯とは程遠い印象を与えるジョンに、彼らは得も言われぬ違和感をおぼえます。

その後、まずポールがジョンの不思議な力を目の当たりにします。
ジョンは重度の尿路感染症に苦しんでいたポールの患部に触れるだけですっかり病気を治してみせたのです。
続いてジョンは瀕死のネズミ“ミスター・ジングルス”を生き返らせ、刑務所長ハル(ジェームズ・クロムウェル)の妻の脳腫瘍を綺麗に消してみせました。

次第にもしかしたらジョンが無実ではないかと考え始めたポールは、ついに自分の考えが正しかったことを確信します。
黒人であるジョン・コーフィを救う道はなかった
ポールの思ったとおり、ジョンは無実。
真犯人は西部劇の英雄“ビリー・ザ・キッド”を名乗るアホのウィリアム・ウォートン(サム・ロックウェル)。奇しくも同じ刑務所に収監されたことで事実が明らかになります。
ジョンはただ、強姦され殺害された双子を見つけて「生き返らせ」ようとしてただけ。

ではどうしてポールは、無実だと分かっているジョンをむざむざと電位椅子に送ったのでしょうか。
だってジョンは刑務所長であるハルの妻の命を救っています。それに真犯人は分かっていて幸いにもすぐそばにいる。
権力を行使するとか、自白を強要するとか、助かりそうな材料はいくらでもあるのに。
これについてはジョン自らが「俺はもう死にたいんです」と申し出ていることと、彼が1935年のアメリカに生きる黒人であることが深く関係しているのでしょう。実際ジョンの弁護に携わったバート弁護士(ゲイリー・シニーズ)も、無茶苦茶な理論でもってジョンが犯人であることは疑いようもないと言ってのけています(自分が弁護したにもかかわらず)。

いくらポールが方々に手を廻したところで、一旦殺人犯の烙印を押されてしまったこの時代の黒人が救われる術なんてなかったのかも知れません。
「生まれてきたことを謝ります」
刑務所看守と死刑囚の心の交流と言う、歪 な視点から描かれた良い話ではあるのですが、クライマックスまでは涙を流すような描写はありません。
泣くとしたらジョンが処刑される時。

生まれてきたことを謝ります。
ええ、このセリフでも泣きそうになるんですけど。
違うんです。
最後に涙が吹き出すのはこの場面だったりしませんか?

泣きすぎディーン。
卒業式とかでもいるでしょ?
めっちゃ泣く奴。
しかもそういう奴に限って頑張ってこらえようとしてたりする。
逆にもう号泣したらええやん。
こらえんでええやん。
もれなくもらい泣くから我慢も号泣もお止めなさい。
ネズミを見て途方にくれる老人
ラストはある意味ではホラーに近い。
60年後、108歳になったポールは施設で暮らしています。

愛する妻も子供もハルもブルータルもディーンも、近しい人はみんな死んでしまいました。ところがポールだけは皺が増えたくらいで食欲もあるし足腰もしっかりしてるしまだまだ元気そう。
どうやらジョンの不思議な力を少しでも受け継いだ者は不死に近くなってしまうようです。
その証拠にジョンが生き返らせたネズミのミスター・ジングルスはまだ生きています。

えっ…
ちょっと待って…!
仮に普通のネズミの寿命が2年としましょう。
ミスター・ジングルスは現時点で普通のネズミの30倍も生きてる訳です。しかもまだ死んでない。
ポールも同じくらい生きるのだとすると…。

仙人やないか!
そんなに生きたないわ!
しかもだから、そこで死ぬとも限らないわけですよ。
まだまださらに…。

ポールは「神の使徒」のような神聖な存在であるジョンを死刑にした自分への天罰だと捉えているようですが、「強制的に」人生を終わらせない限りは死ぬこともできない体になってしまうだなんて、こんな生き地獄ってないですよ。
これ考え出すと気持ち悪くなってくるんですよね…おえ。
映画【グリーンマイル】の感想一言

ジョンが人生で初めて目にする“活動写真(映画)”はフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの【トップ・ハット】です。
作中でジョンも「彼らは天使だ」と言っていますが、本当に天使のように舞いますよ。
1935年/アメリカ/監督:マーク・サンドリッチ/出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、エドワード・エヴェレット・ホートン、エリック・ローズ、ヘレン・ブロデリック注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気に[…]
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