1935年/アメリカ/監督:マーク・サンドリッチ/出演:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、エドワード・エヴェレット・ホートン、エリック・ローズ、ヘレン・ブロデリック
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

男性のみなさん、どうして雷が鳴るのかお教えしましょうか。
雷発生のメカニズムってのはですね、まず不器用な雲がかわいい雲に出会い、その子を追いかけるんですよ。不器用な雲は逃げる彼女に走りより、かわいい雲は泣きだし雨が降る。不器用な雲がかわいい雲を慰めると愛の火花が稲妻に、キスすると雷になるって寸法なんですわ。
何ほざいてんねん歯が浮くわって?
いやいや、あなたにもし恋する女性がいるなら、これ系統のお話は十中八九有効に使えるはずです。
女って生き物はね、男が多少サブいと思うくらいのロマンティックなトークや演出にコロッと行ってしまうものなんですよ。
私ですか?
そりゃあ初老の私だって魅力的な男性にこんな風にエレガントに口説かれてみたいものですよ。

じゃかあしおんどれは引っ込んどれ!
ほんで棒読みか!
【トップ・ハット】です。
映画【トップ・ハット】のあらすじザックリ
「アステア&ロジャース映画」第4作目
「映画史上最高のダンスチーム」と称されたフレッド・アステアとジンジャー・ロジャース共演作のひとつ。

2人が組んだ映画は10本、同じ共演者で似通ったストーリーとあってはさぞかし飽きられたことだろうと思いきや、「アステア&ロジャース映画」と呼ばれた共演作はどれもこれも当時大当たりしたんですって。
「アステア&ロジャース映画」一覧
- 【空中レヴュー時代】(1933年)
- 【コンチネンタル】(1934年)
- 【ロバータ】(1935年)
- 【トップ・ハット】(1935年)
- 【艦隊を追って】(1936年)
- 【有頂天時代】(1936年)
- 【踊らん哉】(1937年)
- 【気儘時代】(1938年)
- 【カッスル夫妻】(1939年)
- 【ブロードウェイのバークレイ夫妻】(1949年)
冒頭の雷の話をするのはブロードウェイのダンサーでロンドンへ興行に来ているジェリー・トラヴァース(フレッド・アステア)。
深夜、滞在先のホテルの一室でノリノリでタップダンスを踊っていると(何してんねん)、真下の部屋に宿泊中のファッションモデル、デール・トレモント嬢(ジンジャー・ロジャース)が怒り狂ってジェリーの部屋に乗り込んできます(そらそうやろ)。


トレモント嬢にひと目惚れしたジュリーは見え透いた嘘をついてこの場を取り繕い、彼女のハートを射止めるために四苦八苦して編み出したのが件 の“雷の話”である訳です。

そしてやっぱりトレモント嬢も他の多くの女性の例に漏れず、このロマンティックな寓話にコロッとイカれてしまうんですね。
楽しすぎる銃撃ダンス
ところがトレモント嬢はジュリーを彼のプロデューサーで既婚のハードウィック(エドワード・エヴェレット・ホートン)だと勘違いしてしまいます。しかもハードウィックの妻マージ(ヘレン・ブロデリック)はトレモント嬢自身の友人で、妻の不在に軽々しく声を掛けられたと思い込んだトレモント嬢はジュリーに平手打ち。
ここからアンジャッシュばりの「勘違い劇」がどこまでも繰り広げられて行きます。

【トップ・ハット】と言えば本物のダチョウの羽を使った豪華なドレスに身を包んだロジャースとアステアのデュエットが有名ですが、私はシンクロ率がおかしいことになっている息の合った2人のダンスよりも同じ人間とは思えないアステアのソロの方が観ていて楽しい。
ステッキを銃に、ステップの音を銃声に見立ててバックダンサーをなぎ倒す銃撃ダンスなんてファンタスティックすぎて開いた口が塞がりません。

【グリーンマイル】でジョン・コーフィが最後に観る「活動写真」が【トップ・ハット】
余談ですが、フランク・ダラボン監督の【グリーンマイル】で、死刑囚ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)が死刑執行前に最後に観る「活動写真(映画)」は本作【トップ・ハット】です。
先ほど触れたダチョウの羽のドレスで踊るロジャースとアステアを観て、「彼らは天使のようだ」と言って目を輝かせていました。

1999年/アメリカ/監督:フランク・ダラボン/出演:トム・ハンクス、デヴィッド・モース、バリー・ペッパー、ジェフリー・デマン、ダグ・ハッチソン、ジェームズ・クロムウェル、マイケル・クラーク・ダンカン、サム・ロックウェル、マイケル・[…]
映画【トップ・ハット】の感想一言

ジュリーのことをマージの夫ハードウィックだと勘違いしているトレモント嬢にジュリーをけしかけるマージ夫人がめちゃくちゃ面白い!
(マージはハードウィックがトレモント嬢と浮気してると思ってる)

最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。