【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン

【ドラキュラ(1992)】あらすじ感想。「元は人間だった」設定はアリ

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン

1992年/アメリカ、イギリス、ルーマニア/監督:フランシス・フォード・コッポラ/出演:ゲイリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンス、キアヌ・リーヴス、リチャード・E・グラント、ケイリー・エルウィス、ビリー・キャンベル、サディ・フロスト、トム・ウェイツ/第65回アカデミー音響編集・メイクアップ・衣裳デザイン賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

アイルランド人作家ブラム・ストーカーによる怪奇小説の古典「吸血鬼ドラキュラ」を忠実に再現した映画。

シンプルな邦題とは打って変わって原題は【Bram Stoker’s Dracula ブラム・ストーカーのドラキュラ】で、「ブラム・ストーカーの」小説を基にしていることがバッチリ強調されています。

しかし物語の大筋がこれ以上ないくらい原作に沿って作られている一方で、ドラキュラ伯爵のモデルとされる人物を「実はドラキュラ本人だったんだぜ」とする大胆なオリジナル設定をぶっ込んでいるものだから、往年の怪奇ファンとゲイリー・オールドマンファンとそれ以外の層とで大きく賛否が分かれる映画。

 

監督は「ゴッドファーザー三部作」【地獄の黙示録】などで知られるフランシス・フォード・コッポラ

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【ドラキュラ(1992)】です。

 

 

 

映画【ドラキュラ(1992)】のあらすじザックリ

1462年ルーマニア。トランシルヴァニア城の城主ドラクルはトルコ軍との戦いに勝利する。しかしドラクルが戦死したという虚偽の情報を真に受けた最愛の妻である妃エリザベータは投身自殺してしまう。帰ってきたドラクルは絶望の末神への復讐を誓い、血を糧に生き長らえる吸血鬼と化す。

 

 

原作小説「吸血鬼ドラキュラ」に忠実なのか違うのか

ホラー小説「吸血鬼ドラキュラ」を題材にした映画はたくさんありますけど、“忠実に描いた”と云う意味ではトップクラスだと思います。

例えばドラキュラ城に棲まう3人の女吸血鬼の性格付けや滅び方、ドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)の手助けをする謎のジプシーの存在(原作には「ツガニー人」とあります)、登場人物(ジョナサン・ハーカー(キアヌ・リーヴス)、ヴァン・ヘルシング(アンソニー・ホプキンス)、ミナ・ハーカー(ウィノナ・ライダー))らが書いた手紙や手記で物語が進行していく手法、など。

【ドラキュラ(1992)】アンソニー・ホプキンス
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

また、一般的にドラキュラ伯爵の宿敵とされるヴァン・ヘルシング教授ですが、本来原作では参謀のような役割で、実際に伯爵と戦うのはミナの親友ルーシー(サディ・フロスト)の3人の求婚者たちであるのを再現しているも映像化作品としては珍しいパターン。

他のほとんどの映画では3人の求婚者無し(か、雑魚)で「ドラキュラ伯爵vsヴァン・ヘルシング教授」のタイマン形式を取っています。

【ドラキュラ(1992)】アンソニー・ホプキンス
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

 

かと思えば吹き出してしまうほどの一風変わった描写もありまして。

とりあえずドラキュラ伯爵の見た目がオリジナリティ振り切ってる。

普通「ドラキュラ伯爵」って聞いて連想するのはコレコレでしょ?

©Dracula/Horror of Dracula

それが【ドラキュラ(1992)】ではこうですよ。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

ハート頭のおじいちゃん。

原作小説にはドラキュラの容姿はこう記されています。

白いひげを長く垂らし、頭のてっぺんから足の先まで、色のついた物は何一つつけていない。全身黒衣ずくめの老人で、手に古風な銀の燭台をもって立っている。

出典:「吸血鬼ドラキュラ」

そりゃ「ハート頭ではない」とは書いてないけども。

「黒髪のオールバック」とも書いていないことは有名だけどね、それにしたってベラ・ルゴシクリストファー・リーによって作り上げられたイメージをここまで覆すのも逆に難しいわ。服赤いし(服が赤いのはヴラド3世が属していた“ドラゴン騎士団”のイメージカラーを強調しているんだと思います)。

ちなみに初登場時「老人」だったドラキュラ伯爵がジョナサンの血を吸ったあとで若返るのは原作通り。

 

「モデル」をズバリ「本人」に仕立てる大胆な発想

言うてもドラキュラ伯爵の普段の姿が赤い服着たハート頭のおじいちゃんであることなんて可愛いもんです。

【ドラキュラ(1992)】それよりももっと驚きの仕掛けが施されていますから。

 

小説「吸血鬼ドラキュラ」にはモデルがいるとされています。15世紀に今のルーマニアのワラキア地方一帯を暴れ回ったとされる領主ヴラド3世さんがその人です。ヴラド・ツェペシュと呼ばれることが多いんだけど、「ツェペシュ」と云うのは名前ではなく串刺し刑を好んだためにつけられたあだ名なんだってさ(「ツェペシュ」=「串刺し公」)。

【ドラキュラ(1992)】では大胆にも、このヴラド3世がドラキュラ伯爵だったということにしてしまっています。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

確かに原作小説にも「明らかに“串刺し公”ヴラド3世を指している」と思われるドラキュラのセリフがあるんですけど、それにしても【ドラキュラ(1992)】では名指しですよ名指し

回想のドラキュラは完璧に「僕ブラド3世です」として出てくるんです。

モデルやって言ってるやん。

大胆通り越して豪胆。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

この設定があるから【ドラキュラ(1992)】のドラキュラ伯爵はオールバックではなくロン毛なんでしょう(ヴラド3世はロン毛)。演じたゲイリー・オールドマンがまたヴラド3世の肖像画によく似てる。

 

 

吸血鬼ドラキュラ伯爵のラブロマンス

かなり原作に忠実である一方で基本設定を大胆に独自解釈してしまっているものだから、賛否が割れるのも頷けます。

「どないしたいねん!」みたいな映画ですけどね、私はこれ結構好きなんですよ。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

基本的にはモンスターには人の心を持って欲しくないのですが(下手に感情を持たれると萎えるんです)、ゲイリー・オールドマン版ドラキュラ伯爵はアリだと思います。

原作ではただのドラキュラ伯爵の獲物の1人であるミナが、ドラクル(ドラキュラ伯爵の人間の時の名前)の妻エリザベータ(ウィノナ・ライダー:二役)の生まれ変わりで、伯爵が吸血鬼であると知りながらも前世の抑えられない気持ちが溢れ出してしまうという切ない描写もアリだと思います。

【ドラキュラ(1992)】ウィノナ・ライダー
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

だって【ドラキュラ(1992)】では他の映像化作品では置いてけぼりにされがちなドラキュラとその犠牲となる美女らとの性的な結びつきも丁寧に描かれていて、煙になったドラキュラ伯爵が寝ているミナのベッドに潜り込むシーンの神がかったエロさも あながち原作とまったく無関係という訳でもない。

ドラキュラ伯爵に魅せられてしまう犠牲者の1人を「前世の妻」と云う設定にしただけのことで、原作の趣旨は変えることなく新しい物語に生まれ変わらせることに成功していると思います。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマンとウィノナ・ライダー
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

それにしてもドラキュラ伯爵の胸から滴る血を舐めまくるミナの艶っぽさったらよ。一番ツヤツヤだった頃のウィノナ・ライダー、無敵でしたね。

うぶなネンネだったミナが愛と男を知る大人のオンナの顔に変わりますのでお楽しみに。

 

 

映画【ドラキュラ(1992)】の感想一言

朱縫shuhou

「吸血鬼ドラキュラ」だと思うと少々違和感ありますけど、新解釈のパラレルワールドだと思い込んでしまえば気にならないんじゃないでしょうか。

若きキアヌ・リーヴスが演じたハーカー君のヘッポコ度(3人の女吸血鬼にいいように弄ばれる)はちょっと笑ってしまいますけど(原作のハーカー君に近いけどキアヌ・リーヴスがあんまり合ってない)。

【ドラキュラ(1992)】キアヌ・リーヴス
©Bram Stoker’s Dracula/ドラキュラより引用

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【ドラキュラ(1992)】ゲーリー・オールドマン
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