1995年/アメリカ/監督:デヴィッド・フィンチャー/出演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロー、R・リー・アーメイ、リチャード・ラウンドトゥリー、リチャード・シフ、ケヴィン・スペイシー
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人間を罪に導く可能性がある欲望や感情を指す“七つの大罪”を扱った映画。
この記事を書くにあたって今ちゃんと調べるまで知りませんでしたけど、“七つの大罪”ってキリスト教における“考え方”であるだけで、聖書に載ってるわけではないんですね。へえ~。
連続猟奇殺人事件を追う厭世的なベテラン刑事と血気盛んな新人刑事を描いたミステリー、【セブン】です。
映画【セブン(1995)】のあらすじザックリ
雨が降り止まない大都会の刑事2人
とりあえずデヴィッド・フィンチャー監督っぽい特徴あるオープニング大好きです。カッコよすぎ。
舞台背景として“雨ばっかり降ってて誰もが他人に無関心な大都会”の描写も完璧。
サマセット(モーガン・フリーマン)とミルズ(ブラッド・ピット)が通りを歩きながら話している間にも、何人もの人が足早に通り過ぎて行きます。肩がぶつかろうが警察がウロウロしていようがお構いなし。結構な雨が降っているのに誰も傘なんてささずにただ歩いてる。
空一面を分厚い雨雲が覆っているんでしょう、薄暗い周囲の様子からは今現在が朝なのか夕方なのかもよく分からない。

そう思わせてしまうほど、暗くて息苦しい雰囲気を瞬く間に観客に浸透させます。

冒頭の数分ですでにこの映画は勝ってますね。
何に勝ってるのか分からんけど。
絶対勝ってる。
ベテラン刑事サマセットと新人刑事ミルズ
そんな大都会の刑事サマセットとミルズ。
サマセットはあと1週間で定年を迎えるベテラン刑事。

仕事熱心な優秀な刑事ではありますが、犯罪を取り締まっても取り締まっても一向に良くならない世の中に失望してすっかり厭世的な人間になってしまっています。
もう重大事件なんて捜査する気力もなく、残りの一週間を平穏に過ごしたいと思っていたようですが、新人刑事ミルズとともに連続猟奇殺人事件を追ううちにかつての情熱を取り戻したのか、「最後まで捜査に協力させてくれ」と言ってくれます。
サマセットの相方が直情径行型人間のミルズ。

ペチャクチャよくしゃべるし言葉遣いが乱暴なので頭は良くなさそうですが、事件にかける情熱と行動力だけは一人前。
【セブン】の時のブラッド・ピットはホントにシビれる。ラストの演技なんて何回観ても鳥肌立ちますし。彼の歴代出演作の中で一番好きかも知れません。…いや、1位はあれか、【トゥルー・ロマンス】の時のラリパッパか。
1993年/アメリカ/監督:トニー・スコット/出演:クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ブラッド・ピット、ゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソン、ヴァル・キル[…]
殺人なんて常態化してるようなこの街で、2人はにわかには信じがたい猟奇殺人に出くわします。
“七つの大罪”になぞらえた猟奇殺人
“七つの大罪”とは以下の7つを指す言葉。
ああ~。全部思い当たるわ~。
巨漢が殺された現場には「大食」の文字が、弁護士が殺された現場には「強欲」の文字が残されていて、サマセットは犯人が“七つの大罪”になぞらえて殺人を繰り返していることを突き止めます。

この殺害方法についてはね、私みたいに怖がりな人は完全に閲覧視聴注意ですよ。
まあ映像は暗くて一瞬しか映らないんで遠い目してたらあんまりよく見えないんですけど、目からだけでなく耳から入ってくる情報もシャットアウトしないとダメです。
などなど。
こんなもん素直に聞いても想像してもダメですよ。夜眠れなくなるからさあ。無理。やめて。言わなくていい。
黙れ。
ジョン・ドゥに物申す
5人を殺害したあと警察に出頭してきた“ジョン・ドゥ”(ケヴィン・スペイシー)。残る罪は「嫉妬」と「憤怒」。
参考 ジョン・ドゥ=日本語でいう「名無しの権兵衛」のような「明らかな偽名」。

サマセットとミルズがジョン・ドゥの指定した場所まで車を走らせるシーンは、雨の都会の雑然とした印象とは対極にある不気味な静けさに包まれています。
3人の男が車内でただ話しているだけのこの数分にやたら時間を割いていて、これまでの吐き気を催すほどの殺人現場よりも恐怖心が煽られる。
そして雨の都会の雑踏と打って変わった乾いた大地にやってきた3人。
相変わらずやたらと「間」を取るもんだから、遠くからゆっくりとバンがやってくる場面なんかは心臓飛び出しそうでした。

しかしよ?ジョン・ドゥ。
お前さ、結構な罠張り巡らせて猟奇殺人繰り返してた割にはさ、動機おかしないか?

「大食」のデブは太りすぎや!
あんな奴が往来を歩いとったら他の人間が食欲なくすわ!

いやあ~…。
信じられへんくらい太った奴とか汚い金にまみれた政治家とか弁護士とか、結構おるけど?
“七つの大罪”を犯した人間全員浄化しようと思ったら大規模バイオテロでもしないと追いつかないのでは。
無茶苦茶やで自分。
ああそうか。
異常者やから動機なんてあってないようなもんで、だからこその猟奇殺人か。
真剣に動機について考えてしまいましたわ。
映画【セブン(1995)】の感想一言

「食い過ぎた腹を蹴られて内蔵破裂」…。
おえ…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。