2019年/アメリカ/監督:M・ナイト・シャマラン/出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェームズ・マカヴォイ、サラ・ポールソン、アニャ=テイラー・ジョイ、スペンサー・トリート・クラーク、シャーレイン・ウッダード
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
楽しみにしてた反面、コケた時の心の傷が癒えるまでに時間がかかるタイプなので過剰な期待をすることのないように用心しながら鑑賞しました。
結果。
まあまあ。
【アンブレイカブル】、【スプリット】に続く無敵のヒーローを描いたサスペンス、【ミスター・ガラス】です。
映画【ミスター・ガラス】のあらすじザックリ
彼らは人間を超える存在なのか?最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?
出典:【ミスター・ガラス】公式サイト
主役の3人について復習
通行人にいきなりスーパーマン・パンチを浴びせて自宅に帰り、その時の動画をネットにUPしてアクセスを稼ぐアホ2人。
そこへドアを破壊して侵入してきたのは緑のレインコート姿の…変態?
場面は変わって陰気な廃工場では4人のチアガールたちが鎖につながれ監禁されているみたい。
そこへ“しな”を作ってやってきたのはピーナッツバターサンドを勧める…オカマ?
とある精神病院では生気のない顔で車椅子に腰掛け微動だにしない黒人が…廃人?
【アンブレイカブル】と【スプリット】を観てなかったらこんな誤解を生むでしょう。
まあ観ているうちになんとなく分かってくると思いますけど。
緑のレインコート姿のおっさんは変態ではなく正義のヒーロー、デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)。
クネクネした坊主頭の青年はオカマではなく弱き者の救世主、ケヴィン・ウェンデル・クラム(ジェームズ・マカヴォイ)と愉快な仲間達。24の人格を持つ多重人格者であるため“群れ”と呼ばれています。
そしてとある精神病院で、まるで目を開けたまま眠っているように顔面の筋肉をピクピクと動かしている黒人は、ヒーローと対極にある高いIQを持つヴィラン、イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)。
デヴィッド誕生とイライジャの謀略については【アンブレイカブル】に、多重人格者ケヴィンについては【スプリット】で描かれています。
2000年/アメリカ/監督:M・ナイト・シャマラン/出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン、スペンサー・トリート・クラーク、シャーレイン・ウッダード注※このサイトは映画のネタバレしようがし[…]
2016年/アメリカ/監督:M・ナイト・シャマラン/出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニャ=テイラー・ジョイ、ベティ・バックリー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ジェシカ・スーラ注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気[…]
2019年現在のデヴィッド・ダン
【ミスター・ガラス】の時系列はほぼ現実時間とリンクしてます。
【アンブレイカブル】の公開は2000年だったので、【ミスター・ガラス】の舞台もそれから19年後のお話ってこと。
【アンブレイカブル】で自分はヒーローかも知れないと思ったデヴィッドは、それから19年間、セキュリティー会社を営む傍らで息子のジョセフ(スペンサー・トリート・クラーク)と共に悪党を成敗することを続けてきたようです。
誰かを救う時には決まって顔や体型が隠れる大きな緑色のレインコートを着ているデヴィッド。19年も経った今では目撃者も多くなり、“謎の緑男”として世間を賑わせています。
もちろんそんな彼を追っている者も…。
M・ナイト・シャマラン、あなたは出たがりなのか
ちなみにデヴィッドのセキュリティー用品店に買い物にきた客はM・ナイト・シャマラン監督自身です。
デヴィッドを見て「あんた知ってる!昔スタジアムの警備員してたよな?」と声をかけてきます。
出てましたねそういえば、【アンブレイカブル】に。ヤクの売人と疑われて職務質問されるチンピラ風の若者役として。
【ミスター・ガラス】では能天気に「昔よくスタジアムにたむろしてたんだよね~若気の至りだよ~」とか言ってはります。
M・ナイト・シャマランは“カメオ出演”どころか結構ガッツリしゃべったりしちゃうんで笑っちゃうよね。
前作【スプリット】ではケヴィンが勤務する動物園の監視員してましたけど、この時の彼(ジェイ)とは別人設定なのか、同一人物でれっきとしたシャマラン・ユニバースの一員なのか、よく分かりません。
出たいのか遊び心なのか、はて。
精神病院に収容される3人
猛烈なコミックマニアであるイライジャが【アンブレイカブル】で提唱していたヒーローと悪役の条件の一部は以下の通り。
●四角いアゴをしている
●特殊能力を持っている
●弱点がある
●頭が大きい
●ヒーローと正反対である
●あだ名がある
●元々はヒーローと友達である
デヴィッドの弱点は“水”。
人間の身体能力を大きく上回る“ビースト”に変貌するケヴィンの弱点は“照明”(強烈な照明を浴びることで強制的に他の人格に変えられてしまう)。
常人には捕まえることなど不可能と思われた2人は、巧みに弱点を突かれることによって精神病院に収容されます。
ちなみにイライジャの弱点は先天性骨形成不全症を患っていることによる異常な骨の脆さ。これまでに94回も骨折してます。その脆さガラスのごとし。タイトルの“ミスター・ガラス”は、そんな彼に幼い頃につけられたあだ名からきています。
本人は意外とこのあだ名が気に入っているようで、“IP(イライジャ・プライス)”じゃなくて“MG(ミスター・ガラス)”てイニシャルのタイピンしてる見てなんとなくほっこりしました。
精神科医エリー・ステイプルの暴挙
【ミスター・ガラス】は、イライジャが教唆するビーストVS不死身のデヴィッドの対決になるんだと思ってました。浅。
よく考えたらM・ナイト・シャマラン監督がそんなアメコミヒーローものみたいな映画撮る訳ないわ。
中盤のほとんどは、3人が収容されている精神病院での精神科医エリー・ステイプル(サラ・ポールソン)との対決。
エリーは彼ら3人が自分をヒーローであり非凡であると思っている事実を真っ向から否定してみせます。
デヴィッド、あなたのは予知能力じゃなくて観察眼があるだけ。
大体どうやって悪人か善人か判断してるの?
あなたたちは過去に妄想を抱くきっかけとなる出来事を抱えている。
そう、すべては妄想なのよ。
…腹立つ。
お前こそ「ヒーローなんていない」って妄想抱いてるんちゃうんかい。
ヒーローおるもん。
エリーにことごとく自分が非凡である事実を否定されて、ケヴィンの中の女性人格の一人パトリシアが自信をなくしてさめざめと泣いている姿に、敵ながら同情を禁じ得ません。
大丈夫やって!
あんたたち特別やって!
一番可哀想だったのがデヴィッドの息子のジョセフ。
彼は幼い頃から一番間近で父親がヒーローである事実を目の当たりにしています。
それなのにエリーから「お父さんの妄想に飲み込まれてはダメ」と説得されて、一瞬だけ、「違うんやろか…?」とよぎる姿が哀しすぎる。
傍に行ってはげましてあげたい。
覚えとけよエリーこらあ~!
てか関係ないけどエリーを演じたサラ・ポールソンの顔めっちゃざわざわする。
目頭切開しすぎ?カラコンデカすぎ?整形失敗?
綺麗な人だったのにね…。宇宙人みたいで気持ち悪い。
最終決戦はフィラデルフィアいち高いビルの上?!
ビーストとコンタクトを取ったイライジャは、デヴィッドとの対決の舞台にオープンしたばかりの高層ビル“オーサカタワー”を選びます。
ああ~…なんかスパイダーマンみたいなノリになってきたぞ?
しかしおやおや?
そろそろ終幕時間であるはずなのに、イライジャのオカン(シャーレイン・ウッダード)と【スプリット】で“群れ”に誘拐された少女ケイシー(アニャ=テイラー・ジョイ)も含めた主要人物全員が、精神病院の前の広場で大立ち回り。
オーサカタワーに行くの間に合わないよ~?
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ああ~!
そーゆーこと!!
映画【ミスター・ガラス】の感想一言
ひとつ確実に言えるのは、「これ以上『アンブレイカブルシリーズ』は続かない」ってこと。
スピンオフ企画なんかがあればもしかしたら制作されるかも知れませんけど、可能性は低いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。