2016年/アメリカ/監督:M・ナイト・シャマラン/出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニャ=テイラー・ジョイ、ベティ・バックリー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ジェシカ・スーラ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
M・ナイト・シャマラン監督作にしてはラストのどんでん返しが弱く、しかももうネット上にあらゆる情報が出まくってるんでネタバレガンガンで書いてます。
知りたくない人はご注意ください。
「誘拐された女子高生3人 vs 誘拐した男23人格」
さらに23の人格に加えて他の人格が会ったこともない謎の人格まで出てきちゃうんで事実上「3人 vs 24人」って大々的に宣伝されてたような気がしますけど、実際は24人格も出てきません。
そりゃ2時間弱の映画に23人も敵出してきたらまとまらんやろ!
24人の人格を持っていたと言われる実在の人物ビリー・ミリガンに着想を得て製作されたのは明白ですが、人数まで同じにしなくてもよかったんでは…。
【スプリット】です。
映画【スプリット】のあらすじザックリ
他人とかかわろうとしないケイシー・クック
せっかく呼んでもらったクラスメイトのクレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の誕生パーティでポツンと白けている女子高生ケイシー・クック(アニャ=テイラー・ジョイ)。
私本作で初めてアニャ=テイラー・ジョイを観ました。
ホラー映画【ウィッチ】で一躍有名になったんですね。そりゃ知らんわ、ホラー映画観られへんもん私、怖くて。
美人かどうかはさておき、すんごい個性。
一度観たら忘れられないインパクトのある 離れた目・締まった口角・印象的な人中…。
演技も良かったし胸はデカいし、非常に良いと思います。今後に超期待。
ケイシーの叔父が気持ち悪い!
ケイシーがどうして学校で問題を起こしたりクラスメイトと距離を置いているかというと、父親が心臓発作で死んだ後引き取ってくれた叔父から性的虐待を受けているから。
この叔父がもお~…!気持ち悪い悪い!
ケイシー(幼少期:イジー・コッフィ)への性的虐待は父親が生きている時からすでに始まっていました。
父親と叔父は狩猟一族で、ケイシーもよく一緒に狩りに連れて行ってもらってたみたい。
父親の隙を見て叔父は岩陰にケイシーを呼び寄せます。
ケイシー!こっちおいで!
動物ごっこしよう!
来ないとお父さんに悪い子やって言うてまうぞ!
ケイシーが呼ばれた方へ行くと叔父さんはなぜか素っ裸…。
ケイシー!なんで服着てるんや!動物ごっこやぞ!
動物さんは服なんて着てないぞ!
さあ脱げ!
ぎゃあああ~!!!
気持ち悪い~っ!!
この映画で最も気持ち悪いシーンはここです。間違いありません。
叔父死すべし。
23の人格を持つ「ケビン・ウェンデル・クラム」
ケイシーとクレアとマルシア(ジェシカ・スーラ)の3人は、誕生パーティの帰りに突然変な薬品を吹き付けられ誘拐されます。
気が付いたらそこは窓のない地下室みたいな部屋。
誘拐したのはケビン・ウェンデル・クラム(ジェームズ・マカヴォイ)という人物。
彼は解離性同一性障害(昔の多重人格障害)を患っていて、ケビン本人の人格は2014年から表に出てきておらず、誘拐の実行犯は他の人格だったってワケ。
潔癖症「デニス」
誘拐の実行犯で彼女らと最初に言葉を交わすのが「デニス」って人格。
彼だけ目が悪いみたいで眼鏡をかけ、潔癖症で神経質、服装はパリッとしてて眉間には常にしわが寄ってます。
女の子が裸で踊るのを見るのが好きってゆーよく分からん設定に吹き出しました。
この嗜好のため、女子高生たちの服が汚れてるからとイチャモンつけては脱がそうとしてきます。
女性人格「パトリシア」
女子高生たちが最初に別の女性が訪ねてきたと思って助けを求めたのが女性人格の「パトリシア」。
一見常識人のような感じですけど歪んだ理想はデニスと同じ。スカートもパンプスも履くし、しなを作って話す姿に胸の膨らみまで見えてきそう。
9歳の子供「ヘドウィグ」
ケイシーがその隙を見て懐柔しようとするのがまだ9歳の子供人格「ヘドウィグ」。
9歳というよりは10代の思春期みたいな印象だったけどね?
利口なケイシーはヘドウィグを言いくるめ、窓があるというヘドウィグの部屋へ案内させます。
苦労してたどりついた部屋で見た「窓」に、ケイシーも私も絶句よ。
絵に描いた窓やったんか~い!
一体どの層のウケ狙ってんねん。笑えへん笑えへん。
照明を管理するリーダー「バリー」
人格たちはケビンの中で並んで座っているんだとか。
そして「照明」と呼ばれる権利を与えられた者だけが表に出てくることができるとな。
その照明を管理して人格をまとめていたのがリーダー的存在「バリー」。
ファッションが大好きでちょっとくねくねしてます。でも女性人格のパトリシアとはやっぱり違うから不思議。
ちなみに上の画像は「“バリー”に成りすましてる“デニス”」。
世界を変える?「ビースト」
デニスとパトリシアとヘドウィグが信奉している24番目の人格が「ビースト」。
精神が肉体を凌駕している無双系。
どうやらケイシー達はビーストへの生贄として誘拐された模様。
パトリシアがケイシー達のことを「聖なる食事」って言ってたんで、
「食事」って…
ホンマにガブってくわえてバリボリ食べられたらおもろいなあ~。
って冗談半分に考えてたらホンマにガブってくわえてバリボリ食べられてたんで度肝抜かれました。
そういう意味かい!!
しかも結構雑に、腹だけ、とか、足だけ、食べられるという…。味見?
残さずお食べなさいな。
最後に追い詰めたケイシーも美味しくいただこうとした時、露わになったケイシーの体に刻まれた虐待の傷痕を見たビーストはあっさり食すのを止めます。
……はっ!
(虐待痛そう…!)
人情味溢れるこの表情…
からの、
って 慈悲深いんかお前は。
てか体に傷がなくても虐待受けてる被害者なんていくらでもおるわ!
そして虐待受けてなくても純粋な人間だっておるわ!
お前の判断基準はどこやねん!
まだ無差別殺人犯の方が物語としては成立してたかも。
肉体的虐待を受けた者だけのヒーローにでも…なりたいんですかね?
でもこのケビン自身も、母親からうけた虐待は肉体的なものよりむしろ精神的なものだったような…。
フレッチャー博士も危険思想やろ
ケビンは自分の症状を自覚してちゃんとその道の権威であるフレッチャー博士(ベティ・バックリー)と面談していました。
このフレッチャー博士は解離性同一性障害患者をたくさん見すぎたためか、彼らを心酔してるような感が否めません。
この病気の患者たちはすごい可能性を秘めていると豪語してますけど、発症するきっかけは幼少期の虐待であるとも言っています。
この学説が周知されてしまうと、肉体を凌駕する特殊能力を持つ者を「製造」するために機械的に虐待する悪党が現れたりするんじゃねーの…?
まああっさり故人となられますので追及は避けますけど。
一歩間違えばこの人、猟奇的犯罪の引き金になってたかも知れませんよね?
ちなみに作中でフレッチャー博士に防犯カメラの映像を見せてる男性はM・ナイト・シャマラン監督です。
フレッチャー博士の学説によるともしかして…
前述のとおり、フレッチャー博士は過去に何らかの虐待を受けた者が解離性同一性障害を発症し特殊な能力を身に着ける可能性を示しています。
これが事実だとすると、幼少期から今までずっと肉親から性的虐待を受け続けているケイシーも当てはまるワケで…。
ラストシーンでパトカーに座り「叔父さんが来たわよ」と声をかけた婦人警官を睨みつけるケイシーは、
別人格のように、
見えなくもない…。
映画【スプリット】の感想一言
オチはラストの一瞬。
ケイシーが無事保護され、多重人格の誘拐犯ケビンはマスコミから「群れ」と呼ばれている、とTVでのニュースで放送されています。
カフェでTVを見ていた女性が「15年前の車椅子の悪党に似てる…あの時も名前がついたはず…なんやっけ?」と首をかしげていると、隣に座っていた男性(ブルース・ウィリス)が「ミスター・ガラス」と答える…。
男性の名札に書かれた”ダン”という文字で視聴者は【スプリット】が【アンブレイカブル】の続編であることに気づかされる訳ですけど、ここで私は盛大に突っ込んだんです。
まあ犯罪者をあだ名で呼ぶなんてあんまりないかも知れませんけど、でもニュースを聞いて瞬時に15年も前の事件を思い出すにしては共通点なさすぎでしょ。
別に“ミスター・ガラス”ことイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)は誘拐犯だったわけでも多重人格だった訳でもないですし。単独テロ犯に近い人なのにね?ただあだ名がついてたってだけ…。
この手前勝手な繋げ方は少々残念…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。