【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ

映画【赤い影】あらすじと観た感想。訳してくれないと意味がわかんない

1973年/イギリス・イタリア/監督:ニコラス・ローグ/出演:ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ、ヒラリー・メイソン、クレリア・マタニア、マッシモ・セラート、レナート・スカルパ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

不気味で理解に苦しむけど視聴後に意味が分かると哀しい気持ちになる映画。

舞台となる美しい水の都ベニスから受けるイメージとは真逆の色「赤」をキーカラーとした映像は、どこか絵画的な印象を受けます。

 

娘のカッパ。

父親のマフラー。

母親のロングブーツ。

司教の帽子。

机の上のファイル。

街角の看板。

 

“影”を覆う外套⸻

 

はっと目を惹く「赤」が怖いオカルトミステリー、【赤い影】です。

 

 

 

映画【赤い影】のあらすじザックリ

イギリス。バクスター夫妻は愛娘を水難事故で失ってしまう。数ヶ月後、ジョンは妻ローラを連れ教会修復の仕事のためイタリアのベニスへと赴いていた。ある日、夫妻は年老いた姉妹と邂逅する。霊感があるという盲目の妹は、赤いレインコートを着た亡き娘の姿が視えるという。

 

 

赤いカッパの女の子はどこに?

イギリスで暮らすジョン(ドナルド・サザーランド)とローラ(ジュリー・クリスティ)のバクスター夫妻は、幼い娘クリスティン(シャロン・ウィリアムズ)を水難事故で亡くしてしまいます。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

 

それから数か月、夫婦はジョンの教会修復の仕事のため、息子のジョニーをイギリスに残してイタリアのベニスへやってきました。

二人はある日立ち寄ったレストランで、老姉妹に出会います。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

老姉妹の妹で盲目のヘザー(ヒラリー・メイソン)には霊感があるとかないとか。あるとか。

ヘザーはジョンとローラの間に赤いカッパを着た少女が見えたと言います。「ピカピカの赤のカッパを着た少女は幸せそうだから大丈夫」と…。

赤いカッパはクリスティンが死んだ時に身に付けていたもの…。

すっかりヘザーの霊視の虜になり、老姉妹に降霊術的な儀式までお願いするようになってしまったローラ。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

一方ジョンは、どこか冷ややかな様子でそんなローラを受け止めています。

ヘザーの体を借りたクリスティンが「パパが死んでしまうからベニスを出た方が良い」と言っている、というローラの話しもまったく信じようとはしませんでした。

 

老姉妹に出会ってからというもの何となく夫婦の間に距離が生まれているように描かれるんですけど、そんな中でも他に親しい人もいない異国の地で二人きりのバクスター夫婦の夜はしっかり充実している模様。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

バクスター夫婦の営みは「実際にヤっちゃてるんじゃないか」という議論を呼ぶほど濃厚ですのでお見逃しなく。

 

 

イタリア語が分からないと理解できない舞台背景

私が所有しているメディアには、英語の訳しか字幕に出てきません。

現地の人々が話しているイタリア語が訳されてないんです。現地の人々結構しゃべってんのに。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

まあ英語以外の字幕が無くても視聴者としては現地の言葉があまり分からないバクスター夫婦に感情移入できることだし、訳されてないってことは現地の人々が何やらワーワー騒いでるのもストーリーには大きく関わってこないってことなんだろうなと勝手に理解して気にせず観てましたけど、実際には現地の人々のセリフもちゃんと理解しておかなければ意味が分からないラストが待っていました。

ラストが余りに難解すぎたため、私は翻訳アプリを駆使しながら2回視聴しました。ブラボーインフォメーションテクノロジー。

現地の人々のセリフ(イタリア語らしい)から分かったことは、この美しい水の都ベニスでは今、連続殺人事件が起こっているということ。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

これくらいは町の人々の様子や大使館のおっさんの話しで翻訳する前から何となく分かってたんだけど、問題はラスト。

ここにはラストについて書いてますが、ネタバレしちゃうんで隠してます。
ラストについて知りたい方は自己責任で開いてくださいね。
ラストでジョンがクリスティンの亡霊だと思って追いかけていた“赤い影”は、「赤いダッフルコートを着た小人の老婆」であることが判明します。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用
朱縫shuhou
え、誰?!

クリスティンの幽霊を追っかけてたはずやのに!

なんの前触れもなくクリスティンだと思ってた“赤い影”が振り返ると別人になっていて、コイツがいったい何者なのか、いったいどこから出て来たのか、全然分からないんですよ。

 

そこで翻訳アプリ登場ドン!

 

この「小人の老婆」が“赤い影”となって夜のベニスの町を歩いている時、現地のおっさんが叫んでいたのは「化け物を捕まえろ!」というセリフでした。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

どうやらこの小人の老婆はその異様な容姿のせいで町の人々から迫害を受けている連続殺人事件の犯人であるらしい。町の人々も小人の老婆が犯人であることは分かっているけどなかなか捕まえられないでいるみたいです。

 

彼女の服がたまたまクリスティンと同じ「赤」で、小人である彼女の身長がたまたまクリスティンと同じくらいであったため、ジョンは彼女を追いかけた。

図らずもジョンは町じゅうの人々から迫害を受けていた彼女を追い詰める結果になってしまったため、悲劇は起きた、ってことなんですね。

 

クリスティンの死とはまったく関係ないところで起きていた別の事件を、娘の死を悼む両親の心情や霊能者の存在に絡めてうまくまとめたサスペンスです。

 

 

映画【赤い影】の感想一言

朱縫shuhou

エンドクレジットにしっかり「Dwarf小人」と書かれているので“赤い影”が小人であることは字幕無しでも分かったんですけどねえ。

赤いコートの小人の老婆がどうして怯えて泣いていたのかは「容姿のせいで迫害されていたのではないか(追い立てられるたびに相手を殺していたため連続殺人犯になってしまった)」と推察するしかありません。

【赤い影】ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ
©Don’t Look Now/赤い影より引用

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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