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【戦場のアリア】あらすじと観た感想。安直に感動してはいけない

【戦場のアリア】ダイアン・クルーガー ヒューマン
©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用
映画の概要と注意事項

2005年/フランス、イギリス、ドイツ/監督:クリスチャン・カリオン/出演:ダイアン・クルーガー、ベンノ・フユルマン、ギヨーム・カネ、ダニエル・ブリュール、ゲイリー・ルイス

注※このブログは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

タイトルにある「アリア」って何かご存知ですか?

 

「何言ってんだコイツバカじゃねーの?」って思う人もいるでしょうが、私と同じくオペラなどに造詣が深くない人のために書いておきます。

「アリア」ってのは叙情的、旋律的な特徴の強い「独唱曲」のことなんだってさ。

あー知ってました?失礼しました。

 

私ガチでダイアン・クルーガー演じるソプラノ歌手の名前だと思ってたよ。

ソプラノ歌手ダイアン・クルーガー

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

実話を基にしたフランス・イギリス・ドイツ合作の戦争映画、【戦場のアリア】です。

 

 

映画【戦場のアリア】のあらすじザックリ

1914年、第一次世界大戦下のフランス北部。そこはフランス・イギリス・ドイツ軍が攻撃しあう泥沼の戦場と化していた。戦場にいる夫に会いたい一心で最前線までやってきたソプラノ歌手のアナは、そこで自国・敵国の兵士達のためにアリアを歌う。そしてクリスマスイブの夜に奇跡が起こる。

 

第一次世界大戦中の最前線で実際に起こった奇跡の物語

フランス・スコットランドの連合軍とドイツ軍がドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせているフランス北部の村。

スコットランド軍

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

深く長く掘られたこちらの塹壕と敵の塹壕の間には死体が転がったまま放置されています。

クリスマスを目前にしても一進一退の攻防に変化はなく、兵士たちの士気も下がり気味で、敵味方の区別なくこの最前線にいる全員が疲弊しきっていました。

 

そんな折、ドイツではデンマーク人ソプラノ歌手のアナ・ソレンセン(ダイアン・クルーガー)が、戦地へ赴いたテノール歌手で夫のニコラウス・シュプリンク(ベンノ・フルユマン)に一目会いたい一心で、自ら戦地に足を踏み入れクリスマスに戦う兵士たちのために歌うことを提案。

そしてクリスマス・イヴの夜、ドイツ軍の塹壕には国から手配されたクリスマスツリーがいくつも並べられ、ニコラウスとアナの歌声が響くのです。

きよしこの夜を歌うニコラウス

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

ドイツ軍の歌声を聞いたスコットランド人神父はバグパイプを奏で、それを聞いたニコラウスはツリーを手に塹壕から出てきて、そこにいるみんなのために歌を披露。

その後、誰一人の例外もなく全員が願っていたことが現実となります。

 

「クリスマスぐらいは平和に過ごしたい」

 

両軍は正式に「一時休戦」の約束を交わしました。

一時休戦としましょうか

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

 

小ネタを詰め込みすぎてどんどん嘘くさくなっていく

おどおどしながら塹壕から這い出してきて、敵軍に自国の酒やお菓子を差し出す兵士たちの姿にはちょっぴり感動しますけど、これだけでも信じられない奇跡なのに、次から次へと矢継ぎ早にさらに奇跡をぶっこんでくるんでどんどん嘘くさくなってきます

1匹の猫が両軍の間を行き来していてどちらにも可愛がってもらってるとか(これはたぶんネタや思いますけど)、フランス軍中尉が戦闘中に無くした財布をドイツ軍中尉が拾って持ってるとか、仲良くなったドイツ兵の手引きでここから目と鼻の先にある自分の家に連れて行ってもらうフランス人とか、

いや無いでしょ?

 

こうなったらもう腑抜け

一夜限りの約束で休戦した両軍でしたが、翌朝も奇跡の魔法は解けず。

再び開戦したはずなのにドイツ軍中尉がチョロチョロと連合軍の塹壕へやってきて言うことには

ドイツ軍中尉
…10分後に攻撃を開始させていただきますんで…

うちの塹壕に避難してもらえませんか?

敵の塹壕に避難する?

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

おい腑抜けてんのかお前は。

 

 

上官や司教の言葉で完全に夢から醒める

朱縫shuhou
ん~…

まあ…「奇跡」…。

「奇跡」ねえ~…。

 

これもしかしてあかん映画ちゃうか…?

なんとなく納得いかないストーリーによぎり始める一抹の不安。

 

クリスマス・イヴには休戦して敵兵と酒酌み交わしたよーん!
俺ドイツ兵と仲良くなっちゃったよーん!
戦争が終わったらフランス人が家に遊びにくるよーん!

この「奇跡」は兵士たちが家族に書いたこんな内容の手紙によって全軍の上層部にバレてしまいます。

これについても疑問なんですけど、兵士たちも手紙には検閲があることくらい承知してますよね?書いちゃダメでしょ。当時はそんなん知らんのかな。

 

当然それぞれが制裁を受けることになります。

戦地で敵味方問わずミサを開いた救護兵として従軍していた神父に司教は言います。

司教
お前頭おかしいんか?

クリスマス・イヴにドイツ軍に説教するやなんて…

あいつらには女子供もみんな容赦なく殺されてんねやぞ!

はい、ごもっとも。

 

ドイツ軍中尉と親友みたいに仲良くなってしまったフランス軍中尉には父親である将軍が物申す。

将軍
国家反逆罪に問われてもおかしないからな!

ええ、ホントに。

フランス軍中尉

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

塹壕に隠れながらただガムシャラに敵陣に向って発砲してたら、自分が撃ち殺している相手が「人間」であることなんて見えません。

でもこうして近付き、触れ合い、感動を共有すれば、今までは「敵」としか認識してなかったものが急に自分と同じ「人間」であることに気付くんでしょうにね。

 

しかしこの「奇跡」を容認してしまったら「えっと……、俺ら何のために戦ってんねや?」ってなってしまう訳で、死んでいった兵士も浮かばれない。殺し合いを正当化できない。

 

てかこれができるんならそもそも最前線ではなく例えば全軍の首脳会談の場ででもコンサート開いたらどうなんよ?

各国トップ
いやあ~お前ら話分かるやんけ~!

戦争なんか止めじゃ止め~!

ってなってくれてたかも知れない?

んなワケないわな。

 

あかんわこれ。

色んな意味で、幻想だけを2時間描いた感動押し付けのあかん映画

 

 

映画【戦場のアリア】の感想一言

離れたくないアナとニコラウス

©Joyeux Noel/戦場のアリアより引用

朱縫shuhou
戦場のニコラウスに会うため手段を選ばないアナの愛は感動的ではあるものの、とどのつまりは自分たち2人のことしか考えていなくてなんだかなあ…って感じ。

他の兵士だってみんな祖国に妻や恋人や子供を残して国のために戦っているのに、「私たちは絶対に離れたくないんです」って、そんなもんがまかり通ったら誰だって愛しい人と一緒に戦って死にたいでしょうよ。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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