1960年/アメリカ/監督:スタンリー・キューブリック/出演:カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、チャールズ・ロートン、トニー・カーティス、ピーター・ユスティノフ、ジョン・ギャヴィン/第33回アカデミー助演男優・美術(カラー)、撮影(カラー)、衣裳デザイン(カラー)賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
2010年から始まったTVシリーズの「スパルタカス」じゃないです。
1960年のスタンリー・キューブリック監督、カーク・ダグラス主演による映画の方の【スパルタカス(1960)】です、念のため。
さらに念のため、主演俳優はマイケル・ダグラスでもないですよ。
しかしこの親子は髪質からケツ顎までめちゃくちゃ似ている。
映画【スパルタカス(1960)】のあらすじザックリ
奴隷剣闘士たちが立ち上がる!
鉱山でこき使われてた奴隷のスパルタカス(カーク・ダグラス)の元に、剣闘士養成所の奴隷商バタイアタス(ピーター・ユスティノフ)がやってきます。
スパルタカスの屈強な肉体と頑丈な歯を気に入ったバタイアタスは、スパルタカスを買って養成所に連れて帰ることに。
なんか「剣闘士」って聞くと、強そう~とかカッコいい~とか思ってしまいますけどね。
【グラディエーター】だってそうですけど、カッコいいとは言っても結局は奴隷な訳で。
別に憎んでるわけでも何でもない相手を殺さなければならないってどんなんやねんって感じですよ、ホントに。逆に何の恨みも持たれてない相手に殺されるとかね。
闘犬も闘牛も反対~!
2000年/アメリカ/監督:リドリー・スコット/出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン、リチャード・ハリス、オリヴァー・リード、ジャイモン・フンスー/第73回アカデミー作品・主演男優・衣裳デザイン・録音・[…]
友と共に友の死を見つめる地獄
ある日ローマの大物クラサス(ローレンス・オリヴィエ)がやってきて、真剣試合を所望。
選ばれたスパルタカスと黒人奴隷のドラバ(ウディ・ストロード)は、闘技場のすぐ横にある張りぼての控室(?)で待たされます。
クライマックスの壮大な決戦が有名な映画ですが、序盤のこの狭い個室の描写が割と好きです。
板一枚隔てた向こうでは一緒に訓練を積んできた仲間が殺し合いをしている。
そして自分の前には敵対している訳でもないのに殺さなければ自分を殺すであろう男が座っている。
こんな状況ってあります?
強い精神力を持つスパルタカスですら落ち着かない様子でチラチラと板の隙間から外を窺ってるんですよ?
大昔の話やから…って、いやいや、同じ人間ですやん。
私だってあなただって、いつ誰に「お前ら殺し合え」って逆らえない命令を下されないとも限らないんですよ。
…怖いこと考えてしもーた。
動機は単純、「アレ」のため
剣闘士の他イタリア全土の奴隷たちをかき集めローマに喧嘩を売ったスパルタカスですが、意外にもそのきっかけは「女への愛」。
それまでもくすぶる火種はあったでしょうが、トリガーとなったのは同じ剣闘士養成所で働いていた女奴隷バリニア(ジーン・シモンズ)がローマに売られて行ったこと。
これに腹を立てたスパルタカスは一気に傭兵たちを抑え、行く先々で奴隷を解放しながらイタリアを脱出しようとします。
【スパルタカス(1960)】は長~い映画です。
ここまでで大体半分くらい。
ちょい役のジュリアス・シーザーとクライマックスの大戦争
スパルタカス討伐のため、ローマはローマであれこれ策を練っています。
後のローマで絶大な力を持つようになるジュリアス・シーザー(ジョン・ギャヴィン)は、この頃はまだ若手。密かにお互いの失脚を狙っているクラサスとグラッカスの間を行ったり来たりしているだけ。
ジュリアス・シーザーはまだ小者だけど、ローマ側にローレンス・オリヴィエ(クラサス役)とチャールズ・ロートン(グラッカス役)という2大名優が目白押してるんで正直勝てる気がしません。
奴隷軍にはトニー・カーティス(アントナイナス役)がいるけどちょっと及ばないねえ。
アントナイナス…詩人で手品師だしね。戦士じゃなくてね。
圧倒される最終決戦
最終決戦時には10~30万人にも膨れ上がっていたとされる奴隷軍と、北朝鮮のマスゲームのような規律を見せるローマ軍との戦いは、映画史に残る名場面なんで取り立てて説明することもなくスルーで。
この映像もすごいんですけど、戦いの後、何万人もの死体が転がるだだっ広い平原で、ふとバリニアを見つけてしまうクラサスの強運に敬服。
映画【スパルタカス(1960)】の感想一言
スパルタカスを生け捕りにしたいクラサスが、生き残った奴隷軍に向って「スパルタカスを指させ!」と言った時に、全員が口を合わせて「俺がスパルタカスじゃ!」って立ち上がる場面がベタに泣けます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。