1968年/アメリカ/監督:リチャード・ラッシュ/出演:スーザン・ストラスバーグ、ジャック・ニコルソン、アダム・ロアーク、ディーン・ストックウェル、ブルース・ダーン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
1960~1970年代のアメリカのヒッピー文化についてよく分かる映画。
花柄に身を包み薬物をキメて共同生活を送るフラワーチルドレン(またはフラワーチャイルド)たちの生態が興味深い。
フラワーチルドレンと呼ばれた若者たちのスローガンは、「武器より花を」だった。1960年代後半にベトナム戦争が泥沼化するなか、米・西海岸で、反戦への思いを込めて平和の象徴である花や花柄を身につけた。67年のサンフランシスコ近郊に集まった若者たちを発端に、道で花を配ったり、デモを規制する兵士たちの銃に花を挿したりした。
出典:朝日新聞
長髪のジャック・ニコルソンを観られるのはこの映画だけだと思います(ヅラだけど)。
【嵐の青春(1968)】です。
映画【嵐の青春(1968)】のあらすじザックリ
サイケデリックなフラワーチルドレンの世界
サンフランシスコに降り立った育ちの良さそうなお嬢さんジェニー(スーザン・ストラスバーグ)。
バスの窓の外から見ず知らずのジェニーに花を差し出すのはフラワーチルドレンの女の子。ここではヒッピー文化が文字通り“花開いて”います。
家出人として捜索されているジェニーを匿 ってくれたのは、ストーニー(ジャック・ニコルソン)率いるバンド仲間の面々。もちろん彼らもフラワーチルドレン。
ジェニーはサンフランシスコにいるはずの兄スティーブ(ブルース・ダーン)を捜していて、ストーニーたちはこれを手伝ってあげることにします。
ストーニーに案内されてジェニーがやってきたのは大勢の男女が暮らすシェアハウス(?)。ジェニーの目を通して客観的に映し出されるフラワーチルドレンらの生活の実態。そこには日夜不特定の相手とセックスをしLSDに身を委ねる若者たちの、奇妙で不潔な世界が広がっています。
寝てる奴、ずっとキラキラしてるものを見つめてる奴、シラミわいてる奴、薬物のやり過ぎで幻覚が見えて仲間に電動ノコギリで攻撃してくる奴。遊びと言えばセックスか悪趣味な“葬式ごっこ”。
ラバンピース ですよ、ラバンピース。
このフラワーチルドレンたちの日常生活を詳細に描いているという点でも十分に楽しめる映画。
その上メロディに乗せて体を揺らしながらギターを弾く(エアー)長髪のジャック・ニコルソンが観られるもんだから贅沢極まりないと言ったところです。
※私はジャック・ニコルソンの熱烈ファンです。
でもね、これだけ当時のヒッピー文化をリアルに描いた作品であるのに、惜しいのはそのジャック・ニコルソンだったりします。
ジャックが演じたストーニーって、ヒッピーっぽくないんですよね。
完全に周囲から浮いてる。
悟りを開いてる(え?)友人デイブ(ディーン・ストックウェル)にも指摘されているように、バンドで有名になりたいだの、大金が欲しいだの、かなり欲が出ちゃってる。
ラバンピーサーは欲を出しちゃダメなんですよ(多分、知らんけど)。
テンション上がったり下がったり怒りだしたり、感情の起伏も激しすぎ。
せっかくのサイケデリックな60年代の雰囲気もブチ壊し。
演技力云々の話ではなくて本質的に、そういう意味ではジャックにはストーニーは役不足だったんじゃないかなあ。もっと自己主張の弱い俳優が演じたら少しはマシだったのかも。
耳が聞こえないジェニー?
蛇足だと思ったのはジェニーの「耳が聞こえない」設定。
どう考えてもいらないと思うんだけど。
“難聴”とかでなく、“まったく聞こえない”んですよジェニーって。生まれつきじゃなくて母親の虐待による後天的な疾患。
でもね、話し手の顔さえ見ていれば唇の動きを読んで何を言っているか理解できるんです。
はあはあ、まあ、よく見かける設定ですよね。
ところがジェニーときたら、時々全然相手の顔(唇)を見ずに会話してたりするからさあ。
いや雑。
そこは丁寧に「聞こえない設定」守っていこうや。
映画【嵐の青春(1968)】の感想一言
1/3くらいまでは面白いんですけどねえ。
クライマックスから急に失速するんで要注意です!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。