【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソン

映画【さらば冬のかもめ】あらすじと観た感想。ピーコート姿でスケートにBBQ

1973年/アメリカ/監督:ハル・アシュビー/出演:ジャック・ニコルソン、オーティス・ヤング、ランディ・クエイド、キャロル・ケイン、ナンシー・アレン、クリフトン・ジェームズ、マイケル・モリアーティ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソン
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

女友達に「ジャック・ニコルソンが好きやねん」と言うと、大抵以下のどちらかの反応が返ってきます。

「誰それ?」

と聞かれるか、

「ええ~!うっそ~!(爆笑)」

爆笑されるか。

朱縫shuhou

朱縫shuhou

何がおもろいねん!

いやホンマ。

 

思うにみんなアレでしょ?

近年のおじいちゃんになったジャック・ニコルソンしか知らないか、もしくは往年のジャックを知ってても【シャイニング】のコレ↓のイメージが強すぎるんでしょ?

【シャイニング】ジャック・ニコルソン
©The Shining/シャイニングより引用
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ちゃうねんて。

いやホンマ、ちょっとそこ座って?

ほんでちょっと聞いて?

 

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あの映画と本日ご紹介する映画の二作を観れば、少しは私の気持ちを理解してもらえると思うんだけど。

 

アウトローで豪胆で、でも意外と人情深くて笑うとかわいくて、女よりも男同士の絆を大事にするような男にほとほと弱いんですよ私は…。

また観てしまったんで、これでしばらく寝ても覚めてもジャックの魅力にやられっぱなしですわ。

私はジャック・ニコルソンの熱烈ファンです。

 

ジャック・ニコルソンの隠れた名作、【さらば冬のかもめ】です。

 

映画【さらば冬のかもめ】のあらすじザックリ

ノーフォーク基地に勤務する海軍下士官バダスキーとマルホールに、基地の募金箱から金を盗もうとした新兵メドウズをポーツマス海軍刑務所に護送する任務が下った。若くして刑務所に入れられてしまう彼を哀れに思ったバダスキーは、刑務所までの道中でメドウズに人生の何たるかを教えてやろうと考える。

窃盗犯の護送任務に就くバダスキーとミュール

海軍下士官ビリー・バダスキー(ジャック・ニコルソン)とミュール・マルホール(オーティス・ヤング)に下された命令は、窃盗の罪で逮捕された新兵をポーツマスにある海軍刑務所まで護送すること
【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソン
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

任務に与えられた日数は7日間。

2日もあれば護送任務は完結できそうです。

 

バダスキーの提案で、2人は任務をさっさと終わらせて残った日程は遊んで帰ろうと企むのでした。

懲戒免職と8年の実刑を受けたメドウス

さて、護送される窃盗犯はと言えば、デカいくせに気の弱そうな18歳の童貞メドウス(ランディ・クエイド)。

【さらば冬のかもめ】ランディ・クエイド
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

聞けば彼が盗んだのはたったの40ドル

しかも「未遂」

「盗もうとした」だけ。

 

だけど運の悪いことにメドウスが盗もうとした募金箱は海軍司令官夫人が設置したもので、半ば見せしめのような形で懲戒免職処分8年の実刑を食らってしまったのです。

 

ちなみにメドウスを演じたランディ・クエイドは【ヤング・ゼネレーション】【オールド・ルーキー】デニス・クエイドのお兄ちゃんです。

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ピーコートのままケンカ・スケート・BBQ…

メドウスの境遇に同情したバダスキーは、さっさと任務を終わらせようとしていたことも忘れて、メドウスに色んな経験をさせてやります。

【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソン
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

まずはレストランで自分好みのオーダーの仕方のお手本をみせる(ここでの描写は日本人から見るとちょっと店員に横柄すぎていただけない)。

それから酒を飲ませてやり、手旗信号を教えてやり、ケンカを経験させてやり、オカンに会いに行かせてやり、変な宗教の集会を見に行き、スケートをさせてやり、賭けで儲けさせてやり、ドッグタグに名前と階級を刻んでやり、筆おろしさせてやり、広場でBBQをしてやります。

【さらば冬のかもめ】ランディ・クエイド
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

こんな風にノーフォーク基地からポーツマス刑務所まで、ただ3人の男がダラダラと連れだって歩いているだけの映画です。

電車に乗って、バスに乗って、タクシーに乗って、レストランで食事して、狭いホテルの一室に泊まって…の繰り返し。ただそれだけ。

 

でも状況が変わらないからこそ3人の表情の変化がより際立って見えて神々しい。

 

実はこの3人はバダスキーとミュールも含めて全員初対面なんですよね。

それがどんどん打ち解けて行って、最後には小さい頃からつるんでる悪友同士のようにしか見えません。

【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソンとランディ・クエイド
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

メドウスに肩入れしすぎるバダスキーを見かねて「あんまり干渉しすぎんなよ」と注意していたミュールもなんだかんだ言ってメドウスを放っておけないみたいだし。

メドウスのたどたどしい手旗信号を見て「うまいやん。お前通信の才能あるで。通信兵になれや」って言ってくれるバダスキーは“憧れの先輩像”を体現したとしか言いようがない。

【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソンとランディ・クエイド
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

そして打ち解ければ打ち解けるほど、刻一刻と近づいてくる別れの時がふと頭をよぎる3人(特にバダスキーとメドウス)の哀しげな眼差しが突き刺さります。

日蓮正宗は「創価学会」?

怖いからあんまり宗教について書きたくないんだけどちょっとだけ触れておきますと、作中に出てくる「日蓮正宗」は現在の「創価学会」を指しています。

【さらば冬のかもめ】創価学会?
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

学会の国際組織“創価学会インタナショナル”とやらが正式に設立されたのが1975年ですから(映画の公開は1973年)、公開時は「日蓮正宗」として収録されているんですね。

参考 創価学会は日蓮正宗から破門されてるんだって。

逃げ出すメドウスはこんな気持ちだったと考えられないか

いよいよ次の列車に乗ればポーツマス刑務所への護送任務は完了。

ポーツマス刑務所まで1時間ほどの公園で、ピクニックをしたいと言うメドウスの希望を聞いてBBQをしてやるバダスキーとミュール。ガッチガチ震えながらソーセージを焼く3人(ホットドッグの予定だったけどバダスキーがパンを買い忘れた)。

【さらば冬のかもめ】ピーコートでBBQ
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

でもここではついにバダスキーはソーセージを食べることはありませんでした。

どうしてかって?

こんな無神経そうな男でも、親しい人との別れを目前にした時の心境は私達と同じなんですよ、きっと。

ごくシンプルに“別れがつらくて食事も喉を通らない”ってだけのことなんでしょう。

かわいいんですよバダスキーがホントに。

 

バダスキーとミュールから少し離れた場所に座っていたメドウスは、突然何か思い立ったように立ち上がり、雑木林の方へ歩いて行きます。

バダスキー

おいメドウスどこ行くねん!

【さらば冬のかもめ】ランディ・クエイド
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用
バダスキー

手旗信号やな…。

Bブラボー” “ヤンキー” “Bブラボー” “ヤンキー” “終わり”

BYBYバイバイ

っておい待て!!

ええ、なんとメドウスは最後の最後に逃亡します。

これほど良くしてくれたバダスキーとミュールの信頼を裏切って。

 

「見逃してください!」とか言ってるからホントに逃げたいのかと思いきや…こうは考えられないでしょうか?

 

メドウスが逃げ出す前、バダスキーはミュールに心の内をぶちまけています。

バダスキー

バダスキー

刑務所なんか行ったらサディストどもにいびられる。
たった40ドルの窃盗未遂で、まだアイツは18やのに…!

ポーツマス刑務所にメドウスを護送したくないどころか、何とか逃がしてやることはできないかとまで考えているような雰囲気で。

そんなメドウスに対してミュールはしきりにこう言っています。

ミュール

ミュール

俺らは死ぬまで海軍におらなあかんねや。いらんこと考えて一生を棒に振るな。

そうです、こんな簡単な護送任務で新兵に同情して逃がしたりしたら、バダスキーもミュールも人生お先真っ暗。

 

2人のこのやり取りをメドウスが聞いていたとしたら?

 

バダスキーは自分のために何か良からぬことを考えている。

これまでの言動を鑑みても、バダスキーだったら感情に任せて面倒事を起こしかねない。

 

バダスキーとミュールのこの先の人生を狂わせないために敢えて、メドウスが逃げる“フリ”をしたんだとしたら?

だって実際メドウスが逃げ出したお陰で、バダスキーとミュールは必要以上に同情することも悲しむこともなくひっ捕まえたメドウスを刑務所に突き出すことができましたやん。

【さらば冬のかもめ】ジャック・ニコルソン
©The Last Detail/さらば冬のかもめより引用

 

メドウスの心理はそれほど深くはないのかも知れません。

本当にただ、バダスキーに与えてもらった経験で輝き始めた自分の人生に急に未練が沸いて逃げ出しただけのことなのかも知れません。

 

でももし恩人たちのためを思ってわざと逃げ出したんだとしたら、それこそバダスキーが考えそうなことじゃないですか?

メドウスが一生懸命「憧れのバダスキーの気持ちになって」考えた結果が「逃亡」だったんじゃないの?なんて考えると…………別れが余計切なくなるだけなんですけどね。

映画【さらば冬のかもめ】の感想一言

朱縫shuhou

朱縫shuhou

バダスキーって親しい人には笑っていて欲しいみたいです。
メドウスだけでなく仏頂面してるミュールにも「笑顔を見せろ」って言ってるし。
 
【カッコーの巣の上で】のマクマーフィもそうですけど、こういう不器用な優しさがジャック・ニコルソンそのものなような気がして大好きなんです。
 
ああまあ、【イージー・ライダー】の時のイカれた弁護士も好きだし、【バットマン(1989)】の時のイカれた犯罪者も好きだし、【シャイニング】の時のイカれた小説家も好きだし、【ディパーテッド】の時のイカれたマフィアも好きだし…。

って結局どのジャック・ニコルソンでもええんかい!

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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