1970年/アメリカ/監督:アーサー・ヒラー/出演:アリ・マッグロー、ライアン・オニール、ジョン・マーリー、レイ・ミランド、トミー・リー・ジョーンズ、ラッセル・ナイプ、キャサリン・バルフォー、ロバート・モディカ/第43回アカデミー作曲賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

パートナーがもうすぐ死ぬとしたらどうしますか?
映画や小説なんかで登場人物の境遇に感情移入して「もし自分だったら…」とか考えたりしますよね。本日の映画の場合であれば、「もしパートナーが白血病で余命いくばくもないとしたら…」って考えてみる訳です。
泣く?
喚 く?
医者に当たり散らす?
一緒に死ぬ?
私は一も二も無く即座に、保険証書の受取人と金額を確認します。
まだほんの25歳。若い二人の悲恋を描いたラブストーリー、【ある愛の詩 】です。
映画【ある愛の詩】のあらすじザックリ
運命の恋人たち?突如として燃え上がる恋
ハーバードの学生で名門バレット家の跡取り息子オリバー・バレット(ライアン・オニール)。
オリバーは試験前対策の本を借りるため立ち寄ったラドクリフ女子大学の図書館で、同じ歳の女子大生ジェニー・カヴァレリ(アリ・マッグロー)と運命的に出会います。

この2人にはお互い見ず知らずだった出会いの時の会話からしてすでに運命を感じざるを得ません。

ハーバードの学生やろ?
金持ちでアホのボンボンやん。

なんやと?!
自分はなんぼのもんやねん!賢いんかい!

誘っても無駄やで。

誘うかお前みたいなもん。

ほら見てん、それがアホや言うねん。
テンポが良くてワクワクしますね。
ウィットに富んだ会話で独特の雰囲気を醸し出すカップルと言う意味では【或る夜の出来事】のクラーク・ゲーブルとクローデット・コルベールを彷彿とさせないでもない。
1934年/アメリカ/監督:フランク・キャプラ/出演:クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、ジェムソン・トーマス/第7回アカデミー作品・監督・主演男優・主演女優・脚色賞受賞注[…]
父との確執を抱えたボンボンの愛
アイスホッケーに打ち込むボンボンのオリバー。
モーツァルトとバッハとビートルズとオリバーを愛する音楽少女ジェニー。

惹かれ合う二人は大学を卒業後結婚を決意しますが、オリバーの父親(レイ・ミランド)はこれに大反対。それもそのはず、オリバーはそんじょそこらのボンボンではなく曾お祖父ちゃんがハーバード大学に「バレット講堂」を寄付するほどのすごいボンボン。実家のお手伝いさん(!)に「オリバー若様!」なんて呼ばれてたりする極め付きのボンボン。
父親からしてみれば、跡取り息子に庶民の娘なんかと結婚されては困る訳です。
オリバーはよくある「家督に縛られるのが嫌で反抗するボンボン」設定のキャラクターで、「そこまで嫌わんでも…」って言いたくなるくらいとにかく吐き気を催すほどに父親を嫌っています。
でもこれは、のちにジェニーの白血病が発覚した時のオリバーの行動の伏線になっています。

オリバーは莫大なジェニーの治療費を支払うため、父親に頭を下げて金の工面をします。
あれほど嫌っていた父親に「ありがとう」とお礼まで言うオリバー。
理由はひとつ、ジェニーのために。
「あなた(お前)のためなら何でもできる」って軽々しく言い合う恋人達っていますやんか。
ホンマかいやって思いますやん。
例えば相手のために、死ぬほど嫌いだった父親に頭下げられる?

別に?
出来るけど?
って、ちゃうねんちゃうねん、ホントにオリバーはもう、めっちゃくちゃ嫌いなんですよ?
なんやったら結婚に反対された時に父親とは絶縁してる。ジェニーの病気でもなければこの先一生会わないくらいの勢いで絶縁してるんです。それほど嫌ってる。そんな親父に助けを求めなければならないなんて。プライドもズタズタです。
でもやってのける訳ですよオリバーは。
もうすぐ死ぬことが分かっていても、ただジェニーが最期の瞬間までできるだけ痛い思いをしないように、眠るように逝けるように、最高の医療を持ってサポートしてもらうため、金を借りてくるんです。
中々できることじゃないでしょ?
頑張った、よっしゃよくやったでオリバー。

結局ジェニーは死んでしまったけれど、ジェニーのためとは言え父親に頭を下げることもお礼を言うこともできたんだから、これをきっかけに時間が経って少し傷が癒えたら、実家に立ち寄って父親にも優しくしてやんなよ?
ルームメイトはトミー・リー・ジョーンズ
ちなみにオリバーに「動物諸君 」と呼ばれるハーバード大学学生寮のルームメイトの中に、若き日のトミー・リー・ジョーンズが混じっています。
どれか分かりますか?

ヒント:眉毛。
ヒントいらんわ!
どっからどう見てもトミー・リー・ジョーンズやんけ!
映画【ある愛の詩】の感想一言
【ある愛の詩】といえばフランシス・レイとアンディ・ウィリアムスによるテーマ曲「Love Story」と、ジェニーの名言「愛とは決して後悔しない事」ですよね。
今でもあのテーマ曲を聴くと切なくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。