1941年/アメリカ/監督:アルフレッド・ヒッチコック/出演:ジョーン・フォンテイン、ケーリー・グラント、ナイジェル・ブルース、セドリック・ハードウィック/第14回アカデミー主演女優賞受賞
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セクハラ爺さんアルフレッド・ヒッチコックが1940年に【レベッカ】でアカデミー作品賞を受賞した翌年に公開された映画。
1940年/アメリカ/監督:アルフレッド・ヒッチコック/出演:ジョーン・フォンテイン、ローレンス・オリヴィエ、ジュディス・アンダーソン、ジョージ・サンダース、レオナルド・デニー/第13回アカデミー作品・撮影(白黒部門)賞受賞[…]
作品賞こそノミネートにとどまり、この年の受賞作【わが谷は緑なりき】に敗れましたが、主演のジョーン・フォンテインに主演女優賞をもたらしています。
1941年/アメリカ/監督:ジョン・フォード/出演:ウォルター・ピジョン、モーリン・オハラ、ドナルド・クリスプ、ロディ・マクドウォール/第14回アカデミー作品・監督・助演男優・美術・撮影賞受賞注※このサイトは映画のネタバレし[…]
このジョーン・フォンテインですが、【レベッカ】でも主演女優賞にノミネートされてるんですけど…正直マジで?って感じです。ヒッチコックが闇の権力行使したんちゃうの?
だって【レベッカ】の時と演技一緒。
同じ役してんのかとコンガラガルほど。
サイレント映画やクラシック映画の時代って、少し誇張した演技が求められるみたいやからこんなもんなんかな。
ジョーン・フォンテインの大根演技にもご注目ください、【断崖】です。
映画【断崖】のあらすじザックリ
リナとジョニーの結婚について
【断崖】は名家に生まれた世間知らずのお嬢様リナ(ジョーン・フォンテイン)と、女たらしで軽薄でギャンブル依存症のジョニー(ケーリー・グラント)が、リナの両親の許しを得ず駆け落ち同然に結婚を強硬することから物語が始まります。

「それはそれは…さぞかし愛し合ってたことでしょうな」と思うでしょ?
ちゃうんですよ。
馴れ初めからしてどうにも納得いきませんて。
リナの恋心(ただの結婚願望?)を燃え上がらせたのは父親の一言
当初リナは馴れ馴れしいジョニーに全く興味を示しませんでした。
ええトコのお嬢様なんで、こんな軽薄な人種と触れ合ったのも初めてだったんでしょう。ただジョニーの勢いに圧倒されるばかり。
せいぜい「あの人少し気になるなあ…」程度だったリナの気持ちを後押ししてしまったのは意外にも実の父親。

この父親の一言を聞いた瞬間リナの気持ちは燃え上がり、突如ジョニーに口づけを強行する淫乱女と化すのであります。
…あ~。
負けず嫌い?
ジョニーがリナに迫った理由もクズ
ジョニーはといえば、生来の甘いマスクと社交性と軽薄さで、常に周りに女性の取り巻きがついて回ると言う、小さな町のちょっとした有名人。リナにちょっかいを出したのも最初は「いつものこと」って感じでしたが、リナを知る女性からの情報を聞いて目の色が変わります。

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…ちょっとあなた達…。
まあそんな二人は利害が一致して(そういう風にしか見えない)結婚に至るわけですが…冒頭のこの辺りのくだり、よく覚えておいてくださいね。
ラストで突然リナが真実の愛的なことを捲くし立て出す場面があるんですけど、笑えますから。

…おたくらそもそもそんなに愛し合ってましたっけ…?(失笑)
世間知らずにもほどがあるやろ
ジョニーの本性は結婚後すぐに露呈します。
手始めに金もないのに使用人つきの豪邸を購入、「こんな家買って大丈夫なの?」と心配するリナにさらに衝撃の事実。実はジョニーは定職すら持っておらず、依存症と言っていいほどの競馬好き。将来のことも駆け落ち同然で飛び出してきたリナの実家のこともなーんにも考えていないヌケ作先生だったのです。

てか、見抜けリナ。
ジョニーのヌケ作ぶりがよく表現されているワンシーン
ジョニーがどれくらいヌケ作かよく分かるシーンがあります。
ジョニーはある日、大量の贈り物を抱えて帰ってきます。贈り物はリナにはもちろん、半同居の友人ビーキー(ナイジェル・ブルース)やメイドにまで…しかも毛皮のコートや宝石といった高価なものばかり…。サプライズに喜びつつも戸惑うリナ。
仕事も決まってないし、一体このお金はどこから…。
実はジョニーはリナが大事にしていた家宝の椅子を質に出したお金で競馬を楽しみ大儲けしていたのです。仲直りした父親が送ってくれた椅子を勝手に質に出され意気消沈してしまうリナ…そらそうでしょうよ。
はいここからジョニーの軽薄さが爆発。
ちなみに類は友を呼ぶとはよく言ったもんで、ジョニーの友人ビーキーもまあまあのアホっぷりなんですが、この二人で力を合わせて落ち込むリナを笑わせにかかります。

ごめんよ~笑っておくれよ~リナ~。
よし、俺はあごをこちょばすから、ビーキーお前は変な顔しろ!

よっしゃまかせとけ!
ほーらリナ~、笑って笑って~!


気は確かかお前ら。
偶然の一致がいくつも重なって…
ジョニーとビーキーのアホっぷりはさておき、重度のギャンブル依存症に加え、まっとうに就職できるポテンシャルも持たないジョニーは、次第にリナに内緒で何かを計画しているような素振りを見せるようになります。
ジョニーが狙うのは怪しげな事業での一攫千金?リナの資産?それとも…

映画【断崖】の感想一言
今観ると古臭い手法ではありますが、主人公と視聴者の心理をシンクロさせて迫りくる不気味な恐怖をジワジワと表現するアルフレッド・ヒッチコックの作風はさすがです。
前述のようにツッコミどころも満載ですので、コミコミでお楽しみください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。