1995年/アメリカ/監督:ロン・ハワード/出演:トム・ハンクス、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・シニーズ、ビル・パクストン、エド・ハリス、キャスリーン・クインラン、ローレン・ディーン/第68回アカデミー編集・音響賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
宇宙に行ってみたいとか思います?
ZOZOZOタウン(あれ?一個多いか?)の某元社長みたいに月に行けるものなら行ってみたいとか?
私は絶対に嫌です。
もし無料で宇宙船に乗せてもらえるとしても嬉しいどころか島流しの刑に処されてる犯罪者のような気分にしかならないと思います。私にとって宇宙旅行なんて罰ゲーム以外の何モノでもありません。
だって閉所恐怖症なんだもん。
基本的にいつでも換気ができない状況は恐怖でしかない。地下室も潜水艦もダメ。窓が開けられない新幹線や飛行機もグレー。
宇宙飛行士ってそういった閉鎖された空間でも冷静な判断ができるようになる訓練とかもするんですかね?
また、仮にそうやって訓練したとしても、実際誰も助けてくれない宇宙空間で絶望的な事故に見舞われたら己を見失ってパニックになったりはしないのでしょうか…。
遠い宇宙で命の危険と隣り合わせの大事故に見舞われた三人の宇宙飛行士と、彼らを生きて地球に帰還させようと奮闘する管制センターのプロフェッショナル達を描いた映画、【アポロ13】です。
映画【アポロ13】のあらすじザックリ
「失敗した成功(successful failure)」と呼ばれたアポロ13号
人類最初に月に降り立った人と言えばアポロ11号のルイ・アームストロングですよね。
ちゃうか。
もとい、人類最初に月に降り立ったのはニール・アームストロング船長です。【アポロ13】はそのアポロ11号の次の次の月面着陸計画宇宙船アポロ13号を描いた映画です。
アポロ11号が月面着陸したのは1969年7月24日。その後アポロ12号が1969年11月14日に、アポロ13号が1970年4月11日に打ち上げられています。こうして改めてみると当時のNASAって結構短いスパンでバカスカ宇宙船打ち上げてたんですね。ブームだったんだねきっと。
結論から申し上げますと、アポロ13号の月面着陸計画は失敗しています。
映画のネタバレ云々以前に、史実なんでこりゃもうどうしようもない。
じゃあどうしてわざわざ世界初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号ではなくて計画失敗に終わった【アポロ13】が映画化されたのかというと、アポロ13号計画で立て続けに起こった予測不能の事故のいなし方が実に華麗だったから。
電線が短絡し火花が散ったことにより機械船の酸素タンクが爆発し、飛行士たちは深刻な電力と水の不足に見舞われることになった。司令船には独自のバッテリーと酸素が搭載されているが、それらは大気圏再突入の際に必要になるもので、使用することはできない。そのため、彼らは着陸船を救命ボートに見立て乗り移り、電力消費を限界まで抑え、よって生成量が激減した飲料水の消費を極力控える負荷に耐え、無事地球に生還した。
この危機対応の鮮やかさにより、この一件は「成功した失敗 (“successful failure”)」、「栄光ある失敗」などと称えられた。
出典:Wikipedia「アポロ13号」
【アポロ13】にはこの「成功した失敗」の一部始終が描かれています。
これがNASAの事故処理能力か
失敗したのに成功とはこれ如何 にって感じではありますけど、映画を観れば分かります。
事故は事故。起こってしまったことの原因究明はひとまず置いといて、極限状態の中パニックも起こさず冷静にアポロ13号の操縦を続けたジム・ラベル船長(トム・ハンクス)、フレッド・ヘイズ(ビル・パクストン)、ジャック・スワイガート(ケヴィン・ベーコン)ら三人の乗組員はもちろん、彼らに指示を送る管制センターのプロフェッソナルの皆さんに脱帽。とにかく三人を地球に生還させるための管制センター総出のリカバーがすごい。
特に主席管制官のジーン・クランツ(エド・ハリス)がシビれるやん。
アポロ13号の打ち上げ前、恒例になってるらしい奥様からのプレゼントの白いチョッキを自慢げに羽織る姿には「…この人バカなんかな?」って失笑したもんですけど、終わってみればその白チョッキの輝いて見えることといったら、さながら太陽の神アポロのごとしですよ(うまい)。
他に良い味出してると言えば打ち上げ直前で風疹に感染している疑惑のために出発を見合わせざるを得なくなった操縦士ケンを演じたゲイリー・シニーズね。【フォレスト・ガンプ/一期一会】のダン中尉。
アポロ13号計画から外されてしまったケンは仕方なく地球から打ち上げを見守っていましたが、アポロ13号の事故によりシミュレーターにこもって打開策を模索することになります。
1994年/アメリカ/監督:ロバート・ゼメキス/出演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン、ハーレイ・ジョエル・オスメント/第67回アカデミー作品・監督・脚色・主演男優・[…]
地球を目前にしてゾッとする瞬間
数々の受難を乗り越えて、地球はもう目前という頃。
ラベル船長たちは不要になった支援船を切り離します。
司令船の窓からこれから未来永劫宇宙を彷徨うであろう支援船の姿を捉えた時、三人のクルーの顔色は蒼白に。
この支援船の損傷がどの程度のものなのか、宇宙船に詳しくない私には皆目分かりませんが、彼らの驚きようを見て否が応でもゾッとしてしまいます。
例えるならこの瞬間、三人のクルーは死神のリストに書きかけの自分の名前を見つけてしまったようなもの。ドラクエで言うたら「ザラキ」の「ザラk…」くらいまでは唱えられてしまってたということ。
地球を眼前に捉えてなお「やっべ、マジで死ぬとこやった!」と悟るこの瞬間が、作中でもっとも背筋に冷たいものが走る場面です。
映画【アポロ13】の感想一言
アポロ13号が無事に帰還した時のジーンの男泣きにやられます。
どっかの記事にも書いたけど、「男泣き」って女性の号泣よりよっぽど涙を誘うんだよね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。