1981年/アメリカ/監督:ウォーレン・ベイティ/出演:ウォーレン・ベイティ、ダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン、エドワード・ハーマン、モーリン・ステイプルトン、イエジー・コジンスキー、ポール・ソルヴィノ、ジーン・ハックマン/第54回アカデミー監督・助演女優・撮影賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
デビュー当初はそのプレイボーイっぷりや「シャーリー・マクレーンの弟」の肩書の方で有名だったウォーレン・ベイティが、監督・製作・脚本・主演の四役をこなす器用な俳優として大躍進を遂げた映画のひとつ。
ロシア革命のルポルタージュ「世界をゆるがした10日間」を執筆した米国人ジャーナリスト、ジョン・リードの伝記映画で、タイトルの【レッズ(1981)】とは共産主義の赤のこと。
上映時間194分。
長すぎ。
他に同じロシア革命を描いた有名な映画として【ドクトル・ジバゴ】がありますね。あれも197分の長尺映画なんですけど、まだ観ていられる。
1965年/アメリカ・イタリア/監督:デヴィッド・リーン/出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティー、ジェラルディン・チャップリン、アレック・ギネス、ロッド・スタイガー、トム・コートネイ、ショブハン・マッケンナ、ラルフ・リチャー[…]
【レッズ(1981)】は長い。
ホントに長い。
ああ疲れた。
映画【レッズ(1981)】のあらすじザックリ
ロシア革命とラブストーリーが半分半分
ウォーレン・ベイティ扮するジョン・リードの、「ジャーナリストとしての顔」と、「恋人(後の妻)ルイーズ・ブライアント(ダイアン・キートン)を一途に想う男としての顔」が交互に描かれます。
長いと言っても描かれるのは1915年から1920年のたった5年の出来事であるはずなんですけどね。それでもジョンの移動範囲(オレゴン州ポートランドからロシアの首都モスクワまで)や時代の混乱(第一次世界大戦とロシア革命)を考えると、この5年が彼の人生でもっとも濃密な期間だったであろうことは間違いありません。
演説のシーン少なすぎ
一介のジャーナリストだったジョンは労働者に自分達の権利を主張することを勧め、次第に「革命家」と呼ばれるまでにその存在感を高めて行きます。
しかし本物のジョンがどうであれ、この映画においては「革命家」や「扇動家」と呼ばれるに至ったほどの彼の専売特許が余り描かれておらず説得力に欠ける。
彼の専売特許とはつまり、労働者を導いたその名演説にあるはずなのですが、基本的に演説シーンの尺が短い。終始一貫して「労働者が団結すれば戦争は終わる!」と豪語してはいるものの、演説シーンに震えるほどの感動もありません。
どちらかと言えば演説で語られる「内容」そのものよりも演説後の聴衆やルイーズの反応でジョンの偉大さを表現している向きがあります。
狙っての演出でしょうが、私としては【マルコムX】のデンゼル・ワシントンばりに、もっと視聴者に向って率直に語りかけて欲しかったところです。
好みの問題だと思うけど。
1992年/アメリカ/監督:スパイク・リー/出演:デンゼル・ワシントン、アンジェラ・バセット、アルバート・ホール、アル・フリーマン・Jr、デルロイ・リンドー、ヴィンセント・ドノフリオ注※このサイトは映画のネタバレしようがしま[…]
ユージン・オニールの存在意義
一方で激動の時代を共に生き抜いた妻ルイーズとのラブ・ロマンスも描かれます。
同胞のためにあちこち飛び回るジョンと、そんなジョンをたった一人で待ち続けるルイーズ。
たびたび大きなケンカもするけどなんだかんだで離れられない2人の恋物語は、この退屈で冗長な映画にほんの少し刺激を与えてくれます。
ほんの少しね。
でもジョンの友人で劇作家のユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)とルイーズの浮気には興ざめでした。
興ざめと言うか、意味不明と言うか。
実在のユージン・オニールにはちゃんと妻がいたはずなんですけど出て来ないし。まるでユージンが密かにルイーズをずっと想っていると勘違いされるような描き方。
と言うか、ルイーズってジョンの留守中にバンバン浮気するんですよね(直接描写はないけどジョンの知り合いの雑誌編集長とも絶対寝てると思う)。
ピュアなラブストーリーなのかと思ったらちょこちょこ大人の恋をぶっこんでくるのでどう反応していいのか戸惑うところです。ルイーズが自立した女性であることを強調したかったのでしょうか?
映画【レッズ(1981)】の感想一言
結局ジョンはアメリカに戻ることなくモスクワで死去し、都心部にあるクレムリンの壁広場に埋葬されました。
映画はここで終わるのですが、ジョンを追って密入国したルイーズが彼の死後どうなったのか気になってしゃあないです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。