1981年/アメリカ/監督:フランク・ペリー/出演:フェイ・ダナウェイ、ダイアナ・スカーウィッド、スティーヴ・フォレスト、ルターニャ・アルダ、ハワード・ダ・シルヴァ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
第2回ゴールデンラズベリー賞5部門受賞(最低作品、最低女優、最低助演男優、最低助演女優、最低脚本)という快挙を成し遂げた奇跡の映画。
思うに最低なのは原作の暴露本の内容であって、主演のフェイ・ダナウェイの演技とかは逆に最っ高だったよ?
まあ私がラジー賞の選考委員だとしてもこの映画に1票投じるのは間違いないけどね。愛ある1票ね。
1930年代に活躍した大女優ジョーン・クロフォードの養女クリスティーナが母親の死後出版した暴露本「親愛なるマミー」を映像化した作品、【愛と憎しみの伝説】です。
映画【愛と憎しみの伝説】のあらすじザックリ
大女優ジョーン・クロフォードの伝記映画
サイレント後期から1970年代まで活躍した“ハリウッド貴族(作中にも出てくる言い回し)”ジョーン・クロフォードの伝記映画です。
伝記といっても子供を産めない体質だったジョーンが引き取った養女クリスティーナの一方的な視点で書かれた暴露本が原作なので、登場人物の人物像はかなり偏ったものになっています。
再現度の高いフェイ・ダナウェイ…?!
さりとてジョーン・クロフォードを演じるのは私の愛する名女優フェイ・ダナウェイ。
原作や脚本がグズグズであってもその存在感と演技力で観客を圧倒させてくれることでしょう。
いやあ~楽しみやなあ~。
あのジョーン・クロフォードをフェイ・ダナウェイが演じるかあ~…。
はい?!
じょじょじょジョーン・クロフォード?!
ちょっと待ったりんかいな、全然入り込まれへん。
このおかしなメイクの妖怪が、
ジョーン・クロフォードだとな?!
ホントにもう、フェイ・ダナウェイの大ファンである私でも最初に観た時衝撃を受けましたもんね。メイク(特に眉毛)と髪型がおもろすぎてずっと吹いてた。
フェイ・ダナウェイもジョーン・クロフォードも知らない世代が観たらきっとただの爆笑コントなんやろうなあ…。
どんなイメージでフェイ・ダナウェイにこのメイクを施したんやスタッフは。
ほんでなんでこれでOK出たんや。
もうちょっと寄せ方あるやろ。
ねえ?
虐待と言うかしつけと言うか
物語は7回も流産していて子供を作ることができないジョーン・クロフォード(フェイ・ダナウェイ)が養子を取るところから始まります。
ジョーンは生涯で4人もの子供達を養子に迎えていますが、【愛と憎しみの伝説】には長女クリスティーナ(ダイアナ・スカーウィッド)と長男クリストファー(ザンダー・バークレイ)の2人しか出てきません。
その辺りからすでに真実味が喪失してしまっていて、おまけに(当たり前だけど)原作の暴露本の著者クリスティーナの主観だけで描かれているから客観性に欠け、ただ友達の愚痴を聞いてるみたいです。「私昔からオカンと仲悪くてさあ~…」みたいな。
クリスティーナとクリストファーは「母親に虐待された」と声高に訴えていますけど、この映画を観る限りでは「虐待」と呼ばれるほどのことでもないような…?
「しつけ」と言われてしまえばそれまで、って言うレベル。これじゃ多分児童相談所は動いてくれない。哀しいかな。
●血が滴るレア肉を食べられないと拒否したら食べるまで席を立つなと言われた。
→ジョーンにしてみれば好き嫌いせず食べ物を大事にすることを教えてるだけ。
●ジョーンのドレッサーで「女優ごっこ」をしていたら髪を切られた。
→高価な化粧品や整髪料を塗りたくって髪の毛はギトギトで切るしかない。言うなれば女優のドレッサーは“仕事場”で、ジョーンにしてみれば遊び半分に仕事場に近づかないように教えてるだけ。
→クローゼットに並ぶプリンセスドレスの値段は1着300ドル。ジョーンにしてみればものを大事にすることを教えてるだけ。
→ジョーンにしてみれば軽率な行為による妊娠とか中絶とかの怖さについて教えてるだけ。
少しやりすぎてる部分もあるでしょうが、ジョーンだって女手ひとつで子供を立派に育てようとめっちゃ頑張ってたかも知れませんよね?
そもそも思春期以降はどうあれ、幼少期のクリスティーナはプール付きの豪邸に住み、毎日シルクのドレスに身を包み、誕生日ともなれば自宅に遊園地呼んでもらい、きらめく贅沢な暮らしをさせてもらっています。
それもこれも忘れて死後に暴露本出版するってのはどないなもんなんでしょうね。
映画【愛と憎しみの伝説】の感想一言
フェイ・ダナウェイの顔芸がとっても愉快な映画です!
「内容」はあんまり「ないよう」!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。