1983年/アメリカ/監督:ブライアン・デ・パルマ/出演:アル・パチーノ、スティーブン・バウアー、ミシェル・ファイファー、ロバート・ロッジア、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、F・マーリー・エイブラハム
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

この映画って、やたらに評価が高いみたいだけど(特にアメリカで)、アル・パチーノがマシンガンぶっ放すラストがカッコいいだけだよね?
そうか、まあ、こういった映画には派手な勢いとクールな名場面さえあれば内容なんて二の次なのか。
【ランボー3】とか。
【ロボコップ】とか。
実在のギャング、アル・カポネをモデルにしたハワード・ホークス監督、ポール・ムニ主演の映画【暗黒街の顔役(1932)】のリメイク作品、【スカーフェイス(1983)】です。
映画【スカーフェイス(1983)】のあらすじザックリ
暗黒街でのし上がろうとするキューバからの難民トニー・モンタナ
反カストロ主義者としてキューバからマイアミに送られてきたトニー・モンタナ(アル・パチーノ)。
トニーは相棒のマニー(スティーブン・バウアー)らと共に、いとも簡単に元キューバ政府要人の暗殺をやってのけ、麻薬王フランク(ロバート・ロッジア)の組織の一員となります。

オリジナル版【暗黒街の顔役(1932)】との相違点
フランクの配下となったトニーはそれだけでは飽き足らず、それ以上の地位とひと目で恋に落ちたフランクの情婦エルビラ(ミシェル・ファイファー)をも手に入れようとします。
ほとんど不機嫌な顔してるかコカインやってラリってるかだってのに、パッツンおかっぱのミシェル・ファイファーがめちゃめちゃ美しい。

大筋はオリジナル版と同じなんですけど、オリジナル版が92分なのに対し余計なエピソードが足されたり大きく改変されたりして、リメイク版は170分にものぼるんで、具体的な相違点について言及したいと思います。
チェーンソーで切り刻むのはお止めなさい
序盤でいきなりコロンビア人との取引の罠にはめられるトニー達。
仲間の一人エンジェルは生きたままチェーンソーで体を切り刻まれてお亡くなりになられます。ちびりそうです。こんな残虐描写必要なのでしょうか。
コカインに溺れるのはお止めなさい
1932年公開のオリジナル版から時代は流れ、ギャングの収入源も大きく変わったので仕方ないのでしょうが、オリジナル版で組織が扱っていたのが密造酒だったのに対し、リメイク版でトニー達が扱うのはコカイン。
さばくと同時に自分もコカイン常習者となっていくトニーが実に粉粉しい。

酒を扱っていると言ってもオリジナル版の主人公トニー・カモンテ(ポール・ムニ)がアルコール中毒になるようなことはなく、最後まで意識はしっかりしていて健康的な野心を持った悪党でしたが、リメイク版のトニーはもうダメダメ。
ラリぱっぱで世界を狙うってそれ、もう、お止めなさいよ。
女子供に情けをかけるのはお止めなさい
リメイク版のトニーが自滅するきっかけとなってしまったのはなんと、女子供に情けをかけたこと。
殺らなければならないターゲットに予想外に妻と子供がくっついていたため殺害を躊躇するというもの。
突然出してくる筋の通ったヒーロー感。
確かにエルビラに「俺の子供を産んでくれ」なんて言ってたこともあったけど、いきなり子供好き設定持って来られても唐突感は否めないし、このエピソードまるごと必要だったのかどうか疑問。
ええお兄ちゃんヅラするのはお止めなさい
オリジナル版でのトニーは実の妹に近親相姦に近い感情を持っていて、それが仇となって盟友を死に追いやり自滅していきます。
ところがどっこいリメイク版ではこの設定はかなりライトに描かれていて、近親相姦どころかトニーは妹ジーナ(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)を心配するただのええ兄貴。

取って付けたように最後にジーナが「お兄ちゃん、私のこと抱きたいんでしょ?」なんて言ってきますけど、発狂したにしてもなんでそんな発想に至ったのか原因不明。
マシンガンに頼るのはお止めなさい
総じてやっぱり、ラストのマシンガンぶっ放すシーンがカッコいいだけなんですよ、ええ。

映画【スカーフェイス(1983)】の感想一言
かなり前にリメイク版のリメイク版【スカーフェイス(※タイトル未定)】の製作が発表されましたが頓挫している模様です。
監督すら決まってないような状況みたいですけど、それよりもポール・ムニやアル・パチーノに匹敵するような若手俳優なんて今いますかね?
そっちの方が心配だわよ。
参考 『スカーフェイス』リメイク版、アントワーン・フークア監督と再交渉!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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