1951年/アメリカ/監督:クリスティアン・ナイビイ/出演:ケネス・トビー、マーガレット・シェリダン、ロバート・コーンスウェイト、ダグラス・スペンサー、ジェームズ・R・ヤング、デウェイ・マーチン
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宇宙は広いですからね。
どこかに人間以外の生物もいることでしょう。
アメーバのような単細胞生物。エルフのような至高の種族。人間の形をしたアメーバや、しゃべる恐竜だっているでしょう。
でもまさか、人間の叡智をはるかに超えた野菜がいるとは、誰が想像できたでしょうか。
本日の映画は、アメリカのSF作家ジョン・W・キャンベルのSF小説「影が行く」の映像化作品、【遊星よりの物体X】です。
1950年代にハリウッドで量産された「宇宙人による地球侵略」をテーマにした映画の先駆的作品。
製作に【暗黒街の顔役(1932)】、【赤ちゃん教育】などで知られるハワード・ホークスが名を連ねています。
1932年/アメリカ/監督:ハワード・ホークス/出演:ポール・ムニ、ジョージ・ラフト、ボリス・カーロフ、アン・ヴォーザーク、カレン・モーリー注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の[…]
1938年/アメリカ/監督:ハワード・ホークス/出演:ケーリー・グラント、キャサリン・ヘプバーン、メイ・ロブソン、チャーリー・ラグルス注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご[…]
映画【遊星よりの物体(1951)】のあらすじザックリ
宇宙から落ちてきた謎の物体
パトリック・“パット”・ヘンドリー大尉(ケネス・トビー)はスクープに貪欲な記者スコット(ダグラス・スペンサー)を伴ってアラスカの科学研究所にやってきました。
目的は、研究所の近くに空から落下してきた謎の物体の調査のため。
パットたちは落下地点で氷に埋もれた大きな「影」を見つけます。円盤型の宇宙船にも見える奇妙な「影」。
彼らは「影」を掘りおこすべくテルミット爆弾を仕掛けますが、想定外の威力を持った爆弾は「影」もろとも付近の氷をほとんど爆発させてしまいます。
まあそう言うたんなよ。
焼け跡から今度は「人型」のような影を見つけるからさ。
寒さのため時間に限りがあるパットたちは急いで周りの氷ごと「人型」を掘り出し、基地に持ち帰ることにしました。
1951年の映画ですから当然のようにモノクロ映像。有名な俳優なんかも出ていませんしね。“宇宙人ものの先駆的映画”と言われたところで公開から70年以上も経った今観ると新鮮味は薄いです。
SF映画を見慣れた現代っ子ならすぐにこの持ち帰った巨大な氷塊の中にいるのは「宇宙人」であると予想がついちゃうことでしょう。「これを初めて観た気持ちで視聴してごらんなさいな」と促したとて限界がありますわいな。
でもね、そんなあなたに朗報です。
【遊星よりの物体X(1951)】では、この頃(1950年代)よりほんの少し宇宙の謎が明らかになってきた現代では考えられないほどの「人間の新鮮な想像力」を垣間見ることができるんです。
飛来した謎の物体の正体に迫る研究者たちの会話
持ち帰った氷塊は基地内で溶けだし、爆発で粉々になってしまった円盤のパイロットだと思われる「人型」の生物らしきものは極寒の屋外へ逃走。その際、基地の外に繋がれていた犬に咬まれて腕を1本落として行くんですね。
基地の研究者たちはさっそく残された腕を興味深くいじくりまわします。
いやちゃう、これは犬の血や、奴の体液はこの緑色の樹液みたいなやつや
銃で撃ってもきけへんかったぞ
この細胞は植物性やな、血管も神経もあらへん
そら撃ってもきけへんわ
野菜に穴をあけるようなもんや
(……野菜?)
(なんかおかしな雲行きになってきたぞ?)
うお新鮮!(野菜だけに)
映画【遊星よりの物体(1951)】の感想一言
【エイリアン】や「メン・イン・ブラックシリーズ」の原点にある映画の侵略者の正体がまさかの野菜。
野菜っていうか、この宇宙人は「人間よりも植物に近い」ってことなんだけど、こうなってくるとなんかむしろ人間の方が地球の自然を蝕む寄生虫みたいな視点になってくるよね。
侵略者を「超人ニンジン」としたことには大きなメッセージが込められているんやできっと。
1979年/アメリカ/監督:リドリー・スコット/出演:トム・スケリット、シガニー・ウィーバー、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート、イアン・ホルム/第52回アカデミー視覚効果賞受賞注※このサ[…]
1997年、2002年、2012年/アメリカ/監督:バリー・ソネンフェルド/出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、リンダ・フィオレンティーノ、ヴィンセント・ドノフリオ、リップ・トーン、ジョニー・ノックスビル、ララ・フリン・[…]
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