泣き叫ぶ保母

映画【戦艦ポチョムキン】オデッサの階段で悲鳴!あらすじと観た感想

泣き叫ぶ保母

1925年/ソビエト連邦/監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン/出演:アレクサンドル・アントノフ、ウラジミール・バルスキー、グレゴリー・アレクサンドロフ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

手を振る船員たち
©Battleship Potemkin/戦艦ポチョムキンより引用

このソビエト連邦のサイレント映画がまさか、

一流の狙撃の腕を持つジョージ・ストーンに扮したアンディ・ガルシアの名を一気に世間に知らしめた【アンタッチャブル】での死ぬほどシビれる名場面の元ネタであったとは…。

大階段のアンディ・ガルシア1
©The Untouchables/アンタッチャブルより引用

エリオット・ネス(ケビン・コスナー)に「狙いは?」と訊かれ、)

ジョージ
バッチリでさあ。

ババ~ン!!

大階段のアンディ・ガルシア2
©The Untouchables/アンタッチャブルより引用

シブすぎてイスカンダルぐらいまでぶっ飛んで行ったもんですけどね。

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【アンタッチャブル】

一旦転倒しちゃうと超危険な代物となる「階段」と、世界一安全でなければならないはずの「赤ん坊を乗せた乳母車」ハラハラジリジリコンボを生みだした名作、【戦艦ポチョムキン】です。

 

言いにくい?おもろいよねタイトル。もっぺん言ってみる?いいよいいよ。

【戦艦ポチョムキン】ね。舌噛まないでね。

ポチョムキン。

ね。

 

 

 

映画【戦艦ポチョムキン】のあらすじザックリ

1905年に起きた戦艦ポチョムキンの反乱を描いたもので、「オデッサの階段」と呼ばれるオデッサの市民を虐殺する場面は映画史上有名なシーンの一つであり、様々なオマージュやパロディを生んでいる。世界各地で大きな反響を受けるとともに、後の映画人にも多大な影響を与えた。

 

 

淀川長治氏の解説面白いよ

1905年にソビエト連邦(当時)で実際に起こった「戦艦ポチョムキンの反乱」を題材にはしているものの、史実と異なる点も多いようなのでほぼフィクション映画として楽しみましょう。

淀川長治解説中
©Battleship Potemkin/戦艦ポチョムキンより引用

クラシック映画のDVD・BDには稀に「淀川長治解説付き」のものがあって、本作もその一つ。

DVDの冒頭で数分間、淀川長治氏がこれから始まる映画の解説をしてくれる訳ですが、これが結構面白い。レンタルや動画配信にもあるのかな?レンタルはあるか、動画配信で観ちゃうときっと観られないよね。

クラシック映画は「総監修:淀川長治 世界クラシック名画100撰集」と銘打たれたDVDかBlu-rayでの視聴がおすすめです。

セルゲイ・エイゼンシュテインが後世にどれほどの功績を遺した偉大な監督であるか、【戦艦ポチョムキン】の観所はどこでどんな風にすごいのか、そしてネタバレしない程度の簡潔なあらすじ…と、この淀川長治氏のツボを押さえた解説を聞いてから観た方が何割増しも映画を楽しむことができますよ。

 

 

うじがわいてる肉…おえ

ロシア革命の頃、物資や食料の不足の影響は海兵達の食事にまで及んでいました。船員達はストックされてる肉にうじがわいてるのを見つけちゃいます。

白黒映画でよかったと思う瞬間その1。うじがモニモニうごめいているのがバッチリ映し出されますが、白黒なんでよく分かりません。

4Kなんかで絶対見たくありません。しかもCGなんて全くない時代の映画なんで、映ってるのは恐らく全部リアルうじ。おえ。

ウジ虫を見つける艦医
©Battleship Potemkin/戦艦ポチョムキンより引用

ここでは騒ぎを聞いて肉を見にきた艦医のセリフから、昨今叫ばれてるパワハラなんて笑ってしまうくらいの権力の発動を見ることができます。

艦医

うじちゃうでこれ、ハエの幼虫やん。

塩水で洗って食って。

いやいや、それをうじって言うんちゃうんかい。

もー無茶苦茶です。これがうじちゃうって言われたらもうどうしようもないわ。

 

そのままうじ付き肉を使って作ったスープを飲まされそうになった船員達は蜂起し、船上で反乱を起こします。

そらそやろな。

 

 

乳母車も!非武装の町民たちが虐殺される「オデッサの階段」

【戦艦ポチョムキン】で最も有名なのが冒頭にも書いた「オデッサの階段」と呼ばれる場面。

約6分間に渡り非武装の町民達が無差別に虐殺されていきます。女子供老人一切関係なし。巨大なオデッサの階段の上には銃撃隊、下には騎兵隊、逃げ惑う町民達。はい白黒映画でよかったと思う瞬間その2。阿鼻叫喚ってこんな空間のことよねきっと。

オデッサの階段の虐殺
©Battleship Potemkin/戦艦ポチョムキンより引用

叫び声も銃撃音もなく、聞こえてくるのは静かに流れる単調な「ズッチャ♪ズッチャ♪」というBGM(BGMっていうかリズム?)だけなのに、そこかしこから「助けて!」と叫ぶ声が勝手に脳内再生されて聞こえてきます。

 

死者ワクリンチュクの呼びかけに応えた人々の行列他、見所多数

【戦艦ポチョムキン】がすごいのはもちろん「オデッサの階段」だけではないです。

船員達が蜂起するきっかけとなる第一声「兄弟、誰を撃つ気だ?」を放ったワクリンチュクが、その死を以って虐げられるすべての人々に呼びかけ、それに応えた人々が次々とワクリンチュクの元に集まってきます。数分に渡って映し出されるその行列の長さも圧巻です。

ワクリンチュクの元へ集まる人々
©Battleship Potemkin/戦艦ポチョムキンより引用

サイレント映画ならではの俳優達のリアクション大きめの演技も現代人には新鮮ですし、欠けているのは最新技術に保証された「映像美」だけ。

時代性を考えてみても、各映画人達が【戦艦ポチョムキン】を目指して映画への情熱を燃やした事実も頷けます。

 

 

映画【戦艦ポチョムキン】の感想というか視聴の際の注意事項

…ただし家で一人で静かにサイレント映画を観てる姿ははたから見ると異様らしいです。

TV観てへんねやったら消しときや。
朱縫shuhou
(観とるわドアホ!)

鑑賞前には「今からサイレント映画観るからね~」とお家の人に一言伝えておきましょう。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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