1948年/アメリカ/監督:ハワード・ホークス/出演:ジョン・ウェイン、モンゴメリー・クリフト、ジョアン・ドルー、ウォルター・ブレナン、ジョン・アイアランド
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【暗黒街の顔役】、【赤ちゃん教育】などで知られるハワード・ホークス監督の西部劇。
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主演は当時すでに西部劇のスターであったジョン・ウェインと新人時代の初々しいモンゴメリー・クリフト。
厳しい状況が続く牛の移送の旅のさなかにあって、親子同然だったはずの2人の関係が崩れ行く様を描いた傑作、【赤い河】です。
映画【赤い河(1948)】のあらすじザックリ
良い牛いっぱい!でも売れない!
言い出したら聞かない頑固者のトーマス・ダンソン(ジョン・ウェイン)は、開拓民の幌馬車隊で知り合ったグレート爺さん(ウォルター・ブレナン)と孤児のマシュー(モンゴメリー・クリフト)とともに、ひとつがいの牛からたった14年で数先頭を有する大牧場を作り上げます。
良い草と良い水に恵まれた牧場には見渡す限り牛・牛・牛!時々馬に乗った人間!そして牛!
しかし南北戦争からマシューが戻ってくると、牧場は経営難に陥っていました。南北戦争によってお金がなくなり、せっかく育てた牛を誰も買ってくれないのです。
ダンソンは牛を売るため、ミズーリ州まで旅をすることを決心します。
その距離1600km、連れてく牛の数なんと10000頭弱。
気が遠くなりますね。
一列に並べるとどのくらいの距離になるのでしょうか。
そんな試算はここでは必要ありません。
丹精込めて育てた美味しい牛と数人の牧童を引き連れて、ダンソンはミズーリを目指して旅に出ます。
頑固親父とよくできた息子が揉めた原因
ダンソンが選んだ道程は果てしなく遠い上にインディアン出没の危険が伴うという過酷な道のり。
カンザス州のアビリーンという土地に鉄道が通ったという噂を何度も耳にしていながら、テコでも最初に決めた道程を変えようとはしません。
育ててもらった恩もあるのでしょうか、そんな頑固なダンソンに不信感を抱きつつもマシューは彼に従います。
殺しては聖書で供養
予想通り10000頭の牛を連れての旅は困難を極めます。
10000頭とはいいませんけど、実際にかなりの数の牛がぞろぞろと歩く様子をCGもない時代によくもまあこれほど撮影したもんだと感動するとこではありますが。
だってとにかく牛!
牛!
牛が行く!
いやまあ、牛が歩いてるだけといえば歩いてるだけなんですけど、ちゃんと牧童たちに従って列を成し、ワサワサ歩いたり河を渡ったり、夜にはひとかたまりになって牧草食べたり眠ったりしてる様子がなんだか愛しくなってくるんですよ。
気分は牧場主。
美味しくなれよ~。
しかし過酷な旅によって牧童たちの疲労は困憊。少しペースを落とそうと言ったって仕事第一のダンソンは聞きゃしない。
そんなワンマン指導者ダンソンへの不満が爆発した牧童が仕事を放棄して帰りたいと言い出した日にゃあ、自慢の早撃ちで有無を言わさず殺害。
マジか!
そんで言うことには、
弔ってやれ。
俺が聖書を読む。
自分で殺しては聖書読む。
自分で殺しては聖書読む。
こんなことを繰り返すダンソン。
これにはダンソンに惚れ込んでここまでついてきたグレートも呆れるばかり。
そしてついに逃げ出した牧童を縛り首にしようとしたダンソンに我慢ならなくなったマシューが彼に反旗を翻します。
なんと牛牛大移動がメインだった【赤い河】は後半、親子同然の2人の男の熱きいがみ合いへと変貌して行くのです。
追うダンソン、逃げるマシュー、恋人ミレー
まあクーデターですよ。
マシューはダンソンから指揮権を奪い目的地変更、牧童と牛を連れて比較的安全なアビリーンを目指します。今までのダンソンの行いから誰一人異論はなく、ダンソンは平原にたった独り取り残されます。
グレートとマシューは、ダンソンは近くの町に立ち寄り援軍を組織して、2週間前後で追いつくと予想。
過酷な旅路より凶悪なインディアンより何より、ダンソンの追手が怖くて眠れぬ夜を過ごすマシューや牧童たち。
実は【赤い河】は、インディアンに襲われている白人の一団を助けた縁でマシューに恋人らしき女性テス・ミレー(ジョアン・ドルー)が現れるここからが断然面白い。
終盤になっていきなり現れたこのMissミレーが、最終的に牛もグレートもマシューもダンソンも差し置いて、ええとこ全部持って行きよるんです。
(いい意味で)「今までの諍いは一体なんやったんや…」と無情にも思えるラストが爽快すぎて度肝抜かれますよ、絶対。
映画【赤い河(1948)】の感想一言
終盤あんまり「赤い河」関係ないや~んって思ってたら最後の最後で出てきます。
ダンソンとマシューにとってやっぱり「赤い河」は特別な意味を持っているんですよね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。