- ファンタジー
- 2026年1月3日
1973年/アメリカ/監督:ジェリー・シャッツバーグ/出演:ジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ドロシー・トリスタン、アン・ウェッジワース、リチャード・リンチ、アイリーン・ブレナン、リチャード・ハックマン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

泣いたり笑ったりして人生を積み重ねてきた私ももう初老ですよ。
初老になって改めて思います、人生って笑ろてなんぼやね。
女性なんかは特にそれが顕著なのかも分かりません。いつも変わらずニコニコしてたら大概の事象は良い方向へ流れていくような気がします。
「ヘラヘラ」はあきませんよ?「ニコニコ」ね。
あと笑いは笑いでも人のことをけなして取る下品な笑いは絶対にあきません。反対に笑いが欲しいからと言って自分を堕とすのもダメです。世の中には誰も傷つかずみんなが幸せになる笑いがあるんです。
難しいって?
同感です。
しからば差し当たって、畑の案山子(=スケアクロウ)の生き様でも参考にしながら一緒に考えてみましょうか。
じゃんじゃん笑ろていきましょう、【スケアクロウ】です。
映画【スケアクロウ】のあらすじザックリ
性格も身長も正反対の男2人のロードムービー
●マックス・ミラン(ジーン・ハックマン)

暴行罪で6年間服役していた腕っぷしの強い大男。故郷のデンバーで妹のコーリイ(ドロシー・トリスタン)に会ったのち、ピッツバーグで洗車屋を開業しようとしている。
●フランシス・ライオネル・“ライオン”・デルブッキ(アル・パチーノ)

“若気の至り”で妊娠中の妻アニー(ペネロープ・アレン)を置いてデトロイトの自宅を飛び出したまま、5年間船乗りとして働いていた好青年。性別も知らない我が子へのプレゼントを抱えてデトロイトへ戻ろうとしている。
こんな凸凹コンビのロードムービー。
2人の出会いはタンブルウィードが転がる荒野の一本道。ライオンがヒッチハイクをしていたところへ、丘の上からマックスが転がり落ちてきます。

ライオンが気さくに話しかけてもマックスはどこ吹く風。まるでライオンが透明人間であるかのごとく徹底的に無視。何しろマックスは人間嫌いの偏屈オジンですから、こういう人ってこんな風にズケズケと自分のテリトリーに踏み込んでくるチャランポランは嫌いなんですよ。

ところがチャランポランはチャランポランでもライオンはそんじょそこらのチャランポランとは格が違っていました。
彼こそはマックスが無視しようと笑わなかろうと関係なくボケ倒す究極のチャランポラン。
こういう時に大事なのは樫の木のように折れない心。すべることを恐れてはいけません。とにかく相手が笑うまでボケ倒す。
そうするうちにどんな鬼でも悪党でもマックスでも、クスッとくる瞬間は必ず訪れるんですよ。そこですかさず相手に一歩あゆみ寄ることができれば、あっという間に仲良くなれるはず。
それが例え5時間かかったとしてもね。
諦めずにボケ倒しましょう。
畑の案山子(かかし)は一体何をしているのか

喧嘩っ早く暴行傷害罪で6年も服役していたマックスに対して、ライオンはこんなことを言います。

人を殴るより笑わせることや。
案山子の話、知っとる?
カラスって案山子を怖がってると思うか?「カラス」が「恐れる」から「案山子」やろって?
ちゃうちゃう!
あれはカラスが案山子を笑ろてんねん。
おかしな帽子かぶっておかしな顔して、カラスはそれ見て腹抱えて笑ろてんねん。
ほんでカラスはこう言うんや。
「あの百姓ええ奴やな。あっこの畑は遠慮しとこか」
世界中がこんな思想の奴ばっかりだったらきっと戦争なんて起こってない。
だってライオンはたった5時間であの偏屈のマックスの心ですら融かしたんだから。ライオンみたいなヤツがいっぱい束になってかかったら各国首脳陣をも動かせる気がしますやん。
マックスがバーの女(アイリーン・ブレナン)をお持ち帰りした時、ライオンが連れて帰ってきたのは裸のマネキン。


しょーもな!
戦争する気も失せるわ。
笑いながらストリップを披露するマックス
太陽のようなライオンと氷の心を持つマックスの対比が際立つ映画です。

少し鈍感なところもあるけれどいつも穏やかなライオンに対して、マックスは所構わず(男女の区別もなく)常に臨戦態勢で、しょっちゅう誰かと揉めては腕力に訴えて何もかもパアにしてしまいます。マックスがやたらに厚着しているのは「血も涙もないから暖かくならない」ため。
そんなマックスがライオンの影響を受けてついに大笑いしながら大衆の面前で1枚1枚服を脱ぎだした日にゃあね、ベタなんだけどどうしたって笑いと共に優しい感動の涙が押し寄せますよ。

ほらマックスと殴り合いになる寸前だった男も笑ってる。
畑の案山子と一緒やね。
「アイツはおもろいから止めといたるか」いうて。
映画【スケアクロウ】の感想一言

ライオンみたいな人間は少数派だし、増してやこんな荒んだ世の中じゃあ、彼の笑いのパワーにも限界がありますよ。
笑いで他人を笑顔にしてきた人ほど自分が笑えなくなった時は意外と脆くて、あっと言う間に壊れてしまうのかも知れません。
でももし壊れてしまったとしても、腕力にものを言わせて人生を渡ってきた以前のマックスのような人間よりも、手を差し伸べてくれるひとの数は多いはず。
笑ろていきましょて。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。




