【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ

映画【シェルブールの雨傘】あらすじと観た感想。エンディングは雨じゃなくて雪

1964年/フランス/監督:ジャック・ドゥミ/出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カルテルヌオーヴォ、アンヌ・ヴェルノン、ミレーユ・ペレー、マルク・ミシェル、エレン・ファルナー

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

「ハッピーエンドの物語」と聞くとどんな筋書きが思い浮かぶでしょうか。

大好きな恋人と結ばれるだの、スポーツの試合に優勝するだの、長年の夢を叶えるだの、こんな感じですよね。

 

じゃあ【シェルブールの雨傘】はどうでしょう?

 

一般的にはアンハッピーエンドって言われるかも知れませんね。

でも私はハッピーエンドだと思っています。

ええ、絶対ハッピーエンドですよこれは。

 

哀しくて切なくてめちゃっくちゃ泣くけど

 

映画【シェルブールの雨傘】のあらすじザックリ

アルジェリア戦争ただ中のフランス。港町シェルブールに住む20歳の自動車整備工ギイと17歳のジュヌヴィエーヴは結婚を誓い合った恋人同士だが、ジュヌヴィエーヴの母親は結婚に反対していた。やがてギイに召集令状が届き、2年間の兵役のため2人は離れ離れになってしまう。

全編歌だけの完全ミュージカル

【シェルブールの雨傘】はミュージカル映画です。

それもただのミュージカル映画ではありません。

全編歌だけの「完全ミュージカル映画」です。

【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

まあご覧になっていただければ分かりますけど、素のセリフがひとつもないってことです。だからセリフは全部歌手による吹き替え。

 

これがねホントに、何をしててもどの場面でも誰かがどこかでずう~っと歌っているもので、最初のうちは油断したらちょっと笑えてしまったりもするんですけど、10分もすれば慣れてくるんでご安心ください。

“雨傘”を品定めする母娘

“シェルブール雨傘店”を営むエムリ夫人(アンヌ・ヴェルノン)の一人娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、自動車整備工のギイ(ニーノ・カルテルヌオーヴォ)と付き合っています。

【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

2人は結婚を誓い合った仲ですが、エムリ夫人はこれに反対。

なぜならジュヌヴィエーヴはまだ16歳だし、ギイだってまだ20歳。夫と離婚して女手ひとつでジュヌヴィエーヴを育ててきたエムリ夫人は、娘には安定した生活ができる相手を望んでいます。

「定職はあるの?」
「ちゃんと食べて行けるの?」

まるで雨傘でも品定めしているように、ギイのことをあれこれ詮索しては小言をいうエムリ夫人。

 

エムリ夫人の理解は得られないままギイは戦争に駆り出され、残されたジュヌヴィエーヴのお腹にはギイの子供がいることが発覚します。

ギイからの手紙もなかなか届かず不安な日々を送るジュヌヴィエーヴの前に現れたのは、裕福な宝石商ローラン・カザール(マルク・ミシェル)。

【シェルブールの雨傘】
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

ジュヌヴィエーヴをひと目見て恋に落ちたカザールは彼女に求婚。

カザールの愛は正真正銘本物で、ジュヌヴィエーヴのお腹の子供も自分たちの子供としてちゃんと育てると言ってくれます。カザールを気に入っているエムリ夫人もこれには大賛成。

 

…よもやここでカザールを受け入れたりはしないだろうと思うじゃないですか。

だってジュヌヴィエーヴ、ギイにメロメロだったんですよ?

「あなたが戦争に行くなら私死ぬ!」って言ってたんですよ?

 

それなのにまあ、あっさりカザールに乗り換えちゃうと。

【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

16歳の女の子が思うように恋人に会えないなんて、さぞかし辛かったろうとは思いますけど、ほんの数か月で心変わりしちゃうんで女って怖いわって感じです。

傘がいらないエンディング

とは言ってもジュヌヴィエーヴの決断は全然理解できない訳ではない。

彼女の苦悩もすごく分かります。

「ギイはもう帰らないかも知れない」って毎日毎日悲嘆に暮れた挙句そばにいる優しいカザールを選ぶのは当たり前。

昨日まで死ぬほど好きだった男を急に嫌いになったり、さっきまで興味なかったことに急に意識が向いたり、若い女の子の高低差の激しいバイオリズムが如実に表れてるだけ。

【シェルブールの雨傘】
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

「雨傘店」が舞台であるだけに雨が降る描写が多い【シェルブールの雨傘】ですが、エンディングだけは雨ではなく雪が降っています。

色とりどりの傘をあれやこれやと品定めする必要がなくなったことを強調するかのようにしんしんと降る雪が、戦争で引き裂かれた2人の恋の結末にぴったりすぎてめちゃっくちゃ泣くんですよ。

映画【シェルブールの雨傘】の感想一言

【シェルブールの雨傘】カトリーヌ・ドヌーヴ
©The Umbrellas of Cherbourg/シェルブールの雨傘より引用

朱縫shuhou

朱縫shuhou

ドラマティックさを追及するあまり、再会した昔の恋人と結ばれるような嘘くさい物語って多いじゃないですか。
 
ところが6年後に再会したジュヌヴィエーヴとギイはあっけなく別れます
 
本来はこうでしょう。
お互い家庭を持ってしまったら昔の恋人に会ったところで所詮こんなもんですよ。
 
だから若い頃の恋の記憶はなお美しい。
 
でも2人共ちゃんと「今が幸せ」って言ってる。
 
思わず歌い出してしまいそうなキラキラした若い二人の恋も色褪せないし(ホントに歌っちゃってるけど)、エンディングに説得力があって大好きな映画です。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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