1975年/アメリカ/監督:マイク・ニコルズ/出演:ウォーレン・ベイティ、ジャック・ニコルソン、ストッカード・チャニング、フローレンス・スタンリー、スキャットマン・クローザース、ジョン・フィードラー
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
実生活でも親交の深いウォーレン・ベイティとジャック・ニコルソン共演作。ホント仲良し。2人の仲の良さときたら、一時期は近所にも住んでたし恋人も共有(?)するほど(ジャック・ニコルソンの元カノがのちにウォーレン・ベイティと付き合ってた)。
2人は6年後の【レッズ(1981)】でも共演してます。
1981年/アメリカ/監督:ウォーレン・ベイティ/出演:ウォーレン・ベイティ、ダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン、エドワード・ハーマン、モーリン・ステイプルトン、イエジー・コジンスキー、ポール・ソルヴィノ、ジーン・ハックマン/[…]
映画【おかしなレディ・キラー】のあらすじザックリ
遺産目当てに駆け落ちを企てる2人の男
甘いマスクのケチな詐欺師ニック・ウィルソン(ウォーレン・ベイティ)。
ある晩彼は、豪邸から抜け出して来た女性フレデリカ・“フレディ”・クウィンテサ・ビガート(ストッカード・チャニング)を車に乗せて走り去ります。さらにその足で不審な男をひとり乗せ、3人はそのまま判事のもとへ。
ニックはフレディと不審な男オスカー・サリバン(ジャック・ニコルソン)の結婚の誓いを見守ります。
へ?
どっからどう見てもフレディと愛し合ってるのはニックなのに?
あそうそう、【おかしなレディ・キラー】を観るにあたっては映画の舞台となった1920年頃の時代背景を知っておかなければなりません。
当時アメリカには1910年に制定された「マン法」と云う法律があって、独身女性を連れて他の州に渡ることはできませんでした(背景には売春婦などの人身売買問題があったみたいです)。
マン法
不道徳的な目的で女性を国外に連れ出したり州間を移動させたりすることを禁じたアメリカの法律。
出典:Wikipedia
マン法に抵触することなく州をまたいで駆け落ちするには結婚するしかありません。ところが残念ながらニックには離婚に手こずってる妻がいます。
そこでニックは横領で銀行をクビになった小悪党オスカーの弱みに付け込み、オスカーとフレディと結婚させた上で自分は「フレディの兄」ってことにして、3人で州外へ出ようと目論んでいるのです。
安定のプレイボーイ、ウォーレン・ベイティ
無事カリフォルニア州へ辿り着いてアパートを借り、一緒に暮らし始める3人。
最初はね、ニックは純粋にフレディの事を愛しているんだって思ってたんですよ。演じているのが「プレイボーイ」が服着て歩いてるようなウォーレン・ベイティだってことに違和感を抱きつつも。
だってニックはフレディがこの駆け落ちによって父親と絶縁されて所持金ゼロになった時にも全然ひるみませんでしたから。
金なんかどないでもええ。
君さえいれば。
純愛?
嘘やろ?
“ウォーレン・ベイティ”の癖に?
危うく私まで詐欺被害に遭うところでした。
実のところニックがフレディの父親の財産が当てにできないことを知っても動じなかった理由はただ単に、フレディにはまだ他に「死んだ母親の遺産」が転がり込むのを知っていただけ。
良かった、ウォーレン・ベイティが安定の頭の弱い軽薄なプレイボーイを演じてくれて。ウォーレン・ベイティはプレイボーイであることにこそ意義がある。えホンマ?
こっそり横領してそうなジャック・ニコルソン
ニックと共謀してフレディの母親の遺産を狙うオスカーを演じたジャック・ニコルソンも、ある意味ではそのイメージにピッタリの「コブラの目をした悪人」になりきってくれます。
デカいこと考える割には全然行動が伴わない中途半端な悪人ですけど。
コテで巻くのを失敗したみたいなチリチリパーマがキモすぎてずっと帽子をかぶっててくださいと切に願う。
慣れない殺しは止めときなさい
本当は2人とも自分を愛してなどおらず莫大な遺産だけが目当てだと気付いたフレディは、遺産を全額寄付すると言い出します。
テンパった2人はどちらから言い出すともなく「フレディを殺すしかない!」で双方合意。
事故か自殺にみせかける殺害方法をあの手この手と考えるニックとオスカーの 手際の悪さが超ド級。
挙句フレディを詰め込んだトランク(棺桶みたい)を海に流してしまった2人の傍らを通りすがる釣り人に、なぜか【シャイニング】のスキャットマン・クローザースをキャスティングですわ。
めちゃ笑った。
1980年/アメリカ/監督:スタンリー・キューブリック/出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル注※このサイトは[…]
映画【おかしなレディ・キラー】の感想一言
自分達の計画を警察から洗いざらい説明されるフレディを見つめるニックとオスカーが、いたずらがバレた子供みたいでかわいい。
そしてそれでも彼らを受け入れるフレディはまるで子供の罪を赦す母親ですよ。無償の母の愛ですわ。ええ話やん。
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