1955年/アメリカ/監督:マイケル・カーティス/出演:ハンフリー・ボガート、ピーター・ユスティノフ、アルド・レイ、レオ・G・キャロル、ジョーン・ベネット、グロリア・タルボット
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クリスマスに悪魔島から脱獄してきた3人の囚人を描いた物語。
かの名作【カサブランカ】のマイケル・カーティス監督とハンフリー・ボガートが三度 タッグを組んだ映画(もうひとつは【汚れた顔の天使】)。
1942年/アメリカ/監督:マイケル・カーティス/出演:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、コンラート・ファイト/第16回アカデミー作品・監督・脚色賞受賞注※このサイトは映[…]
1938年/アメリカ/監督:マイケル・カーティス/出演:ジェームズ・キャグニー、パット・オブライエン、ハンフリー・ボガート、アン・シェリダン、ジョージ・バンクロフト注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きな[…]
しかしボギー(ハンフリー・ボガートの愛称)は本当に素晴らしい俳優ですよ。ハードボイルド演らせてよし、ラブストーリー演らせてよし、コメディ演らせてよしの三拍子揃ってる。
そこへアガサ・クリスティー原作の探偵エルキュール・ポアロシリーズで知られるピーター・ユスティノフと、クエンティン・タランティーノ監督の【イングロリアス・バスターズ】に出てくるアルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)の元ネタと言われるアルド・レイが加わればもう怖いものなし。
2009年/アメリカ/監督:クエンティン・タランティーノ/出演:ブラッド・ピット、イーライ・ロス、ティル・シュヴァイガー、ギデオン・ブルクハルト、B・J・ノヴァク、オマー・ドゥーム/第82回アカデミー助演男優賞受賞注※このサ[…]
笑って笑って幸せな気分に浸れるクリスマス映画、【俺たちは天使じゃない(1955)】です。
映画【俺たちは天使じゃない(1955)】のあらすじザックリ
悪魔島から脱獄してきた3人の囚人
1985年のクリスマス・イヴ。悪魔島から3人の囚人が脱獄してきます。
参考 悪魔島=かつて流刑植民地として利用され、多くの政治犯、スパイ、第1次世界大戦の脱走兵などが送られた。
彼らの脱出の様子はまったく描かれないので詳細は不明ですが、知らない人のために書いておきますと、島の大半がヤシの木で覆われた悪魔島 ってのは犯罪者の流刑地としてうってつけの島でして、まあ普通は脱出不可能と言われています。
ところが【俺たちは天使じゃない(1955)】では、ジョゼフ(ハンフリー・ボガート)、ジュールス(ピーター・ユスティノフ)、アルバート(アルド・レイ)の3人の囚人がすでに脱獄に成功し、悪魔島から遥か離れた港町カイエンヌでのんびりしているところから物語が始まります。
つまりつかみからかなり大胆に笑わせにかかってきている訳です。
まあ脱獄さえできてしまえば、悪魔島からほど近いこのカイエンヌには1200人もの保釈者がうろついていて、3人が往来で囚人服のまま眠りこけていようが特段気に留める人はいません。
詐欺師、金庫破り、殺人犯
とりあえず3人の罪状を確認しておきましょうか。
3人とも突出した特殊能力を持っているのでシャバに出ても普通にやっていけると思うんですけど、中でも一番すごい能力を持っているのが金庫破りのジュールス。
なんと、なでるだけで金庫があく。
嘘つけ!
ちなみにこの技は鍵のかかった扉にも有効。
これがね、何回も出てくるんですよ。ジュールスが金庫をそわ~ってなでるとパカって開く場面がね。
もう全然ダメで。
金庫をなでる時のピーター・ユスティノフのアホみたいな表情がダメなんですよ、私。
笑いすぎて涙出ます。
人が好い一家にクリスマスを
3人は盗み目的で、客のツケ払いを断らない人の好 い店主フェリックス・デュコテル(レオ・G・キャロル)が営む雑貨屋に立ち寄ります。
この店の経営者は実はフェリックスではなく、彼のいとこで金の亡者であるアンドレ(ベイジル・ラスボーン)。正直者のフェリックスは会社経営には全く向いておらず、雑貨屋は赤字続き。それなのにこのほどアンドレが店の帳簿をチェックしにはるばるパリからやって来ると言うので、フェリックスは大騒ぎです。
そんな夫に愛想を尽かすこともなくずっとついてきた美しい妻アメリ(ジョーン・ベネット)。
アンドレの甥っ子ポール(ジョン・ベア)に恋している一人娘のイザベル(グロリア・タルボット)。
屋根の雨漏りの修理を手伝うフリをして夜になったら金品をいただこうとしていた3人は、屋根の上からデュコテル家を覗き見ているうちに、彼らがただただ正直で要領が悪く、同情するに足る人々であることに気付きます。
ホントはやっぱり悪い奴
「ムショに戻るのはごめんや!店主を八つ裂きにしてでも金品盗んでズラかるで!」と息巻いていたはずなのに、優しいデュコテル一家に関わり影響を受けた3人は、次第に優しい気持ちに包まれはじめます(ぷっ)。
一家とクリスマス・パーティのお祝いをして、世間知らずのイザベルから「あなたたちは屋根に舞い降りた天使だわ」と言われた3人は益々調子に乗ってゆく。
そこへ鼻持ちならない富豪のアンドレと跡継ぎ候補のポールが到着。
ホントにコイツがあのフェリックスと血の繋がりがあるのかと疑うほどに性格のひん曲がったアンドレに対し、容赦ない敵対心をたぎらせる3人。
今までの彼らの姿はかりそめでした。
ここから前科者で悪党である彼らの真価が発揮されます。
無茶苦茶です。
だってアンドレがアドルフ(蛇)に噛まれて死んでるのを見ても平然としている。
いや、それどころか、笑いをこらえている。
その後ポールがアドルフ(蛇)に噛まれたのを知っても平然としている。
いや、それどころか、明らかに笑いをこらえている。
しかしね、世の中前科がなくたって悪い奴なんていくらでもいますよ。
正直者一家を苦しめる守銭奴の一人や二人死んでも誰も困らへんのとちゃいますか。
映画【俺たちは天使じゃない(1955)】の感想一言
【カサブランカ】のマイケル・カーティスにこんなに愉快なコメディ映画が撮れるのか!と驚いたものです。
1989年にはロバート・デ・ニーロとショーン・ペン主演でリメイクされています。
1989年/アメリカ/監督:ニール・ジョーダン/出演:ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーア、ジェームズ・ルッソ、ホイト・アクストン、ブルーノ・カービー、ジョン・C・ライリー、ウォーレス・ショーン注※このサイトは[…]
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